まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1848回 ブラインドサイト(下)

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ピーター ワッツ 「ブラインドサイト(下)」 BLINDSIGHT

 調査宇宙船〈テーセウス〉のメンバーが巨大構造物〈ロールシャッハ〉の内部で遭遇した異星体《スクランブラー》。
 遺伝子も神経節も持たない単純な構造で、コミュニケーションが可能な知性があるかも予測できない生物。
 だが、余分なものを捨て去ったがために、その反応速度と欺瞞能力は人類を凌駕する。

 人間の〈意識〉とは進化に不要なものなのか。本来ならその過程で淘汰されているべきだったのか。
 再生されたホモ・サピエンス=ヴァンピリス。〈吸血鬼〉はそれを行ったために人類を凌駕する能力を手に入れた。
 進化の自然選択は動機を気にしない。自己認識すらせず、そうあるべきだからそうなっただけだ。

 《盲視(ブラインドサイト)》。
 脳を半分機械に置き換えたアンデッドの〈人間もどき〉。
 人間とは異なる思考形態を持つ〈吸血鬼〉。
 意思疎通すらできない異星の構造物〈ロールシャッハ〉。
 すべてを操っていたのは〈機械知性〉だったのか。
 見えているのに認識できないモノ。見えないのに知覚してしまうモノ。
 知性には認識は必要ないのか。認識には知性は必要ないのか。
                  ブラインドサイト 下

 後半を咀嚼するのに時間が掛かりました。
 人間の「意識」というのはSFの中でも難解なテーマです。
 まあ、自己意識なんて持っているのは人類ぐらいですから、比較検討のしようがないですね。
 動物にあるのは生存本能であって、意識ではなく反射で行動しているんですから。

この作品の設定の緻密さがすごい。
 「吸血鬼の生物学の概略」
 「心のまやかし」
 「まだ着かないの?」
 「ゲーム盤」
 「スクランブラーの構造と生理」
 「意識/知性」
 「その他の情報(背景の詳細、間違った記録、人間の条件)」
 参考文献144冊が作品背景として書かれていたが、こちらのほうが本文より面白かった。(笑)
 この作品は続編「エコープラクシア」へと続きます。
 

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