まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1652回 恋と禁忌の述語論理

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井上真偽「恋と禁忌の述語論理(フレディケット)」

 第51回メフィスト賞受賞作にしてデビュー作。

 レッスン1「スターアニスと命題倫理」
 森帖 詠彦(もりじょう えいひこ)が幼馴染で同じ大学に通う藍前 ゆりとともに招かれた小パーティ。
 参加者は詠彦とゆりのほかは社会人の女性4人。その席でひとりの女性が食べたカレーに入っていたスパイス中毒で死亡した。
 警察は事故として処理をした。
 しかし、ゆりはこれは本当に事故だったのかと疑う。

 ゆりの姉で、フラワーショップ「アリストロキア」を営む藍前 あやめは《花屋探偵》の異名を取り、数々の難事件を解決して報奨金額が店の売り上げを上回る《安楽椅子探偵(アームチェア・デティクティヴ)》である。
 被害者たちの個人的事情を知っていたあやめは、得意の「花占い推理(Pulling Petals Detection)」で、この「スターアニス事件」の背後には、のこり3人の“動機”がもっとも重要だと答えた。
 3人それぞれに被害者への恨みがある。しかし、それだけで殺意に繋がるものなのか?
 実行犯は料理を作った女性であることは明白だが、ほかの二人は共犯ではないのか? はたしてこれは「事故」なのか「故意」なのか。
 《花屋探偵》は「事故」と判定した。

 詠彦の母の年の離れた妹。つまり叔母にあたる独身アラサーの硯(すずり)さんは、T大在学中に発表した論文がパリ数理科学財団の目に留まり、そのままフランス大学の研究機関からフランス国内の金融機関に就職。数年で日本人サラリーマンの平均生涯収入の数倍を稼いでリタイヤ。
 現在は北関東の田舎で自家菜園で野菜を作っている、見た目20代前半の(友達いない)女性であった。

 今回、詠彦が彼女の元を訪れたのは、《花屋探偵》の推理の検証である。「毒殺」と「事故死」を論理的に見分けることは可能なのだろうか。
 「数理論理学」とは“人間の思考を支配する法則を明らかにする”こと。
 硯さんは「数理論理学」には“動機”は関係ないと言う。
 人間の心理は『∧(かつ)』、『∨(または)』、『⇒(ならば)』、『¬(否定)」の4つの記号だけで説明できる。
 《花屋探偵》の推理の根拠を【公理】として上げ、【推論規則】に則ってすべて“真”であれば【結論】は正しい。
 ひとつでも間違っていれば、【結論】は“偽”である。

 はたして硯さんの検証結果は?
 詠彦はゆりちゃんの依頼に答えられるのだろうか。

 レッスン2「クロスノットと述語論理」
 詠彦の先輩。警察にも顔が利く行動葉現役大学生《謎中毒者(Addicted of Riddle)》中尊寺 有の「対偶推理」は、硯さんも完璧だと認めた。
 ただし、“古典論理的”にはである。
 『ヘンペルのカラス』の弱点『カラスのパラドックス』を“直観主義論理”で再検証する。

 レッスン3「トリプレッソと様相論理」
 おお、ここで登場してるんですね! 《借金探偵》上苙 丞(うえおろ じょう)と《ブラック金貸し》姚 扶琳(ヤオ フーリン)さん。
 借金額が1.6倍に増えているのと、助手がいることから「その可能性はすでに考えた」より時制は未来なんですね。

 目撃証言では双子のどちらかが行った犯罪なのだが、一人には堅実なアリバイがあり、一人は元々犯行不可能なほどの怪我をしていた。
 雪道に残った足跡は一人分。
 予知能力を持つ探偵の《網羅推理》はこの事件を“奇蹟”と呼んだが?
 証明も反証もできない「ゲーデルの第一不完全定理」に対する、可能性を扱う「様相論理」とは?。
                  恋と禁忌の述語論理

進級試験「恋と禁忌の・・・・・・?」

 いやいや、詠彦くんの周りにはどれだけ名探偵がいるんですか!
 まだ二十歳前の甥っ子を可愛がるアラサー叔母さんは、ここまでの三つの「事件」に、ある疑問を持っていました。
 すべてが明らかになるラストの進級試験。

 これは続きは書けないのだろうか。

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