まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1602回 ゼンデギ

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

グレッグ・イーガン「ゼンデギ」 ZENDEGI

 “ZENDEGI”このペルシャ語の単語は、英語で言うと“LIFE”に当る言葉である。

 第1部
 西暦2012年(イラン歴1390年)、ふたつのプロジェクトが立案された。
 ひとつは「恵み深き超知性ブーストラップ・プロジェクト」。
 オリジナルの持つ全技能の上位バージョンを、自身の後継者として設計、製作できるほどの分析能力を持つ人工知能。
 世代を経るごとにより秀でた後継バージョンを作りだし、指数関数的に能力増大の連鎖を行う。

 もうひとつは「ヒト・コネクトーム・プロジェクト(HCP)」。
 頭部を覆うワイヤーメッシュに装着された無数の電極が、数千人のドナーの脳の、数十の領域内および領域間の代表的な経路を複写する。
 どの脳の構造も解剖学的には同じ位置に見られるが、個々のニューロンレベルでは生化学的特徴や接続パターンは異なる。それに隣接した異なるタイプの細胞間が軸索で繋がっていても、交互に互換性があるとは限らない。
 抽象的ネットワーク・トポロジーは、個別のつながりより上位のサブネットワークで、どの部位が他の部位へ総体的影響を与えるかを判断しなければならない。
 人工的に作ったパターンが採取したどのパターンとも一致しなくても、母集団の統計値の範囲内にあればほぼすべてのパターンにも影響を与えることができる。

 第2部
 2027年(イラン歴1406年)。ブラックボックスだった脳は刺激に対する反応パターンの解析により、言葉、画像、音、味、匂いなどの脳マップがどうにか完成にこぎつける。

                  ゼンデギ

 まあ、こういう技術が最初に使われるのはやはりゲーム業界ですね。投資したお金が回収しやすいですからね。
 記憶、人格を電脳世界にアップロードするのはSFでは使い古された手法ですが、本作では“そこ”に至るまでの技術的な検討を行っています。
 マルチモードMRI(核磁気共鳴画像法)と表面電極を使った「活動中の脳の非侵入性スキャンデータに基づき、有機脳の振る舞いをニューラルネットワークに模倣させる」という《サイド・ローディング》技術の開発。
 それはいつか“意識を持つソフトウェア”を生み出すのだろうか。
 本人の死後も残り続けるコピーたち。

 “ZENDEGI”というタイトルが哲学的ですね。

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