まるでダメな男の日記

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第1472回 華竜の宮(下)

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上田早夕里「華竜の宮(下)」The Ocean Chronicles

               華竜の宮 下
 第二部

 アジア海域は複数の地殻プレートが錯綜し、海水を含んだ海洋プレートが大陸プレートへ沈み込んでいる。
 含水鉱物層には大量の酸素と水素が岩石に化学結合している。
 マントル層では下降対流によるコールドプルームが存在する場所だが、地球科学シミュレーションではこの近隣にマントル上昇による第2のホットプルームが現れるという計算結果が出た。
 このホットプルームが含水鉱物層に到達すると、巨大なマグマ溜まりができる。
 この《竜の宮》ができる場所はアジア大陸中央部。
 数千キロに渡るマグマの地上噴出は、膨大な火山灰による《プルームの冬》をもたらし、今度こそ地球上の生物は絶滅に瀕するだろう。

 地上民、海上民のどちらかが生き延び、人類の遺伝子を未来へ残すには、一部の人類を深海に適合した肉体に作り変えるしかない。
 光の届かない深海での知覚能力、脳の言語野の保存、両性具有、または単体生殖の機能の追加。
 そしていつの日か《プルームの冬》が終わり、深海に光が届くとき、彼女らは再び地上への道を歩み始める。
 “光”を意味するルシィの名を冠した極限環境対応計画(L計画)に残された時間は最大で50年とされた。
 必要なのはワクチン無しで病潮に遭遇しても罹患しない、人間と同じ体を持つ《獣舟》変異体の遺伝子データ。


 そして48年後。大地から燃え盛る無数の竜が解き放たれた。

 
 《The Ocean Chronicles》シリーズの第1長編。
 第32回日本SF大賞受賞、第10回センス・オブ・ジェンダー賞大賞、『SFが読みたい!2011年版』のベストSF2010投票の国内篇1位。
 加筆修正の上で2分冊文庫化されたものです。

 こういうカタストロフィものはその設定と規模を理解させ、対処に立ち回る人々の困難さをどれだけ読者に共感させられるかが肝ですね。
 人類とは滅びの間際になっても利己的な勢力は無くならず、足を引っ張り合うばかりです。

 「そして48年後」といきなり話を飛ばしましたが、じつはこの空白の40年は本書に書かれておりません。
 第2長編「深紅の碑文」がこの期間の物語となっていて、買ってきてあるので読み進めたいと思っています。

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