まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1421回 ぼくの、マシン

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

大森 望 編「ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉ぼくの、マシン」
       JAPAN'S BEST SF OF THE DECADE:2000-2009/S


            ぼくのマシン

 西暦2000年~2009年の国内SF短編から宇宙と未来、人間とテクノロジーをテーマにした短編集。

 野尻抱介「大風呂敷と蜘蛛の糸」
 これは短編集「沈黙のフライバイ」に収められた作品。
 有人凧による高度80kmの中間圏界面到達。その苦難の道程と危機。成層圏を超えた世界で遭遇した生物。
 これぞ野尻SFですねえ。久々に読み返せて面白かったです。

 小川一水「幸せになる箱庭」
 これはすごい。ラプラスの魔物の創るVR世界。
 あらゆる願望を叶える世界でも、500億年もいたら飽きちゃうよね。
 この物語の主人公と同じ行動はヒッターは取らないでしょう。

 上遠野浩平「鉄仮面をめぐる論議」 Controversy about Iron Mask
 《ナイト・ウォッチ》シリーズのスピンオフ。
 《虚空牙》によって2千億いた人類が3億にまで減少した時代。
 触れた生命体をすべて破壊不能な結晶体にしてしまう男がいた。
 このシリーズを読み返したいなあ。

 田中啓文「嘔吐した宇宙飛行士」
 元ネタはJ.G.バラードの「死亡した宇宙飛行士」だそうだが、これは食事しながら読むものではない。(笑)
 「イリヤの空、UFOの夏」の3巻目に通ずるものがある。

 管浩江「五人姉妹」
 臓器採取用として作られたクローン。
 それぞれの人生を歩んできた彼女らは、自分がクローンだと知ったとき、オリジナルに対してどう接するのか。
 人は環境で変わるものなのですね。

 上田早夕里「魚舟・獣舟」
 《オーシャンクロニクル》シリーズの始まりとなる有名な作品。
 人類が人類ではない何者かに進化していく過渡期の世界。その予兆を孕んだ短編ですね。
 ああ、買ってある「華竜の宮」(上)(下)を読まなければ・・・
 
 桜庭一樹「A」
 アイドルとはなにか? 男たちはアイドルのために使いもしないグッズを買い込み、女たちはアイドルの着ている服屋化粧品を買い込む。
 一大消費文化の象徴だったアイドルは2006年を最後に消滅した。
 50年後、アイドルを知らない若者たちの間に再誕した彼女は?

 "ノ(-________-;)ウゥーム・・・ たしかにAKB48は多すぎるな。

 飛浩隆「ラギッド・ガール」
 これは面白いな。《廃園の天使》シリーズか、注文しなきゃ。
 「攻殻機動隊」原作で全身義体を作るよりも計算リソースは必要だよね。
 多重現実は技術の壁が低くなっているが本書の「幸せになる箱庭」もそうだが、仮想現実(VR)世界の創造の難しさがよくわかる。

 円城塔「Yade」
 「Self-Reference ENGINE」の1篇。これは「Self-Reference ENGINE」を全部読んでもらいたい。
 http://hitter7777.blog.fc2.com/blog-entry-876.html

 伊藤計劃×新間大悟「A.T.D Automatic Death Episode:0 NO DISTANCE BUT INTERFACE」
 こういうのも手がけていたんですね、伊藤さん。「虐殺器官」の原型のようなものですか。

 神林長平「ぼくの、マシン」
 「戦闘妖精 雪風」シリーズからのスピンオフ。
 深井零大尉が愛機「雪風」を撃墜されて、意識不明の重体で発見されてから3ヶ月。
 リハビリ中の零はエディス・フォス軍医に少年時代のことを語る。

 そうですね~、パーソナル・コンピュータがネットワーク化されてから久しいですが、昔はマイコンと呼ばれ、スタンドアローンなものだったんだよな。
 これはもうパーソナル(個人の)コンピュータではなく、ネットワーク端末にしか過ぎないということだよね。


 5年前に編纂されたSFアンソロジーだが、非常に面白い作品ばかりだ。
 30年以上も日本SFアンソロジーが編纂されていなかったというが、「SFバカ本」は集めていたなあ。
 続いて「「ゼロ年代日本SFベスト集成〈F〉」を読もう。

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