まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1401回 反逆航路

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

アン・レッキー「反逆航路」 Ancillary Justice

 「Imperial Radch Trilogy」の第一部。
 すでに本国では第三部まで出版されているが、まだ2冊ほどでるらしい。

 人類が銀河に進出し、その発祥地すら忘れられた遠未来。
 とある巨大な《ダイソン球》を発祥地とする人類世界最大の星間勢力「ラドチ」が覇権を握っていた。
 3千年前に絶対的支配者アナーンダ・ミアナーイを戴いた専制国家は、積極的に他の人類国家を侵略・併呑していった。

 兵員母艦〈ト-レンの正義〉が建造されて2千年。
 その艦載AI《ブレク》は併呑された人類世界の個体を戦闘用に改造し、脳に艦載AIの人格を上書きした〈属躰(アンシラリー)〉最大4千体と共に一体として行動してきた。(必要分以外は冷凍されている)
 だが、数百年前から「ラドチ」が穏健路線へ舵を切ると共に併呑は収束し、〈属躰(アンシラリー)〉の製造も禁止されて人間の兵士に置き換わっていった。

 19年前。
 兵員母艦〈ト-レンの正義〉と艦載AI《ブレク》はある裏切りによって破壊され、1体の〈属躰(アンシラリー)〉ブレクだけが生存していた。
 復讐の旅に出たブレクはとある辺境の星でかつての知り合いと出会う。

 1千年前に艦と共に消息を絶ったセイヴァーデン・ヴェンダーイ。
 酒場の側で気温マイナス15度の中に全裸で倒れている彼女を発見したブレクは、なぜか彼女を救助する。
 《ブレク》の副官として彼女が最初に任務に就いたときは、まだ新任の17歳だった。
 脱出ポッドで凍っていたセイヴァーデンが目覚めた時、世界は変わっていた。併呑の時代は終わり、自分を覚えているものは誰もいない。いや、2千年の記憶を持つブレク以外は。

 ブレクは麻薬に溺れたセイヴァーデンを見捨てられず、復讐行に同行させるのだが・・・
                  反逆航路


 デビュー作にしてヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞、アーサー・C・クラーク賞、英国SF協会賞、英国幻想文学大賞、キッチーズ賞の7冠獲得した異色作である。
 死人兵と言われる生体兵器ブレクと、お荷物のセイヴァーデンの関係が面白い。
 「ラドチ」は多神教国家で、男女の区別を一切しない文化を持ち、三人称の代名詞は男性でも女性でもすべて「彼女」となる。
 SFで復讐譚というとジャック・ヴァンスの「魔王子」シリーズを思い出すのだが、ブレクの敵は1帝国の支配者である。セイヴァーデンとのコンビは続くようだが、1千年の眠りから目覚めた彼女はどのような役割を果たしていくのだろうか。
 世界設定が詳細になっていくらしい第2巻「亡霊星域」も半年位で出版されるようなので楽しみですね~。

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