まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1383回 The Perfect Insider

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森博嗣 「すべてがFになる The Perfect Insider」 

 アニメ版は最終回を迎えた。
 本作を最初に読んだのは1996年の講談社ノベルス版であった。その後、10年くらい経ってから文庫版を買って読んだ。四季シリーズの「四季 秋」が出た頃である。
 「四季 秋」を読んで吃驚したので第1作を読み返そうとしたが、段ボールに仕舞い込んでいたからだ。
 今回もアニメ版を視聴していて疑問点が出てきたので読み返したかったが、この文庫版も仕舞い込んでしまったので、再購入する。
 なんとアニメ版のカバーが本来のカバーの上にもう一枚被さっているダブルカバーだ。
 すべてがFになる カバー2

 アニメ版と原作を比較してみると

 第1章 白い面会(アニメ:白い面会)
 コンピューター・ウィルスについての丁寧な説明がされている。儀同世津子が研究室を訪れたあと、萌絵が犀川先生を迎えに行く場面だが、アニメではここをすっ飛ばしている。
 これは重要な伏線なのになあ。
 16年前に四季は萌絵に一度会っていると告げる。

 第2章 蒼い再訪(アニメ:蒼色の邂逅)
 夢野久作「ドグラ・マグラ」の話を萌絵が犀川先生にしている。(萌絵がミステリィ研だということはアニメでは言及していなかったような?)
 動く死体。死体が勝手に動いているのではなく、動かしている人間がいる。
 真賀田博士が両親を殺したのは人形だと言ったことに対しての萌絵の連想なのだが、ここで犀川先生にインプットされたわけだ。
 キャンプで萌絵が焼きそばを初めて食べた後の休憩で、研究所のジェットヘリの音を聞いている。急に研究所長が出かけたためである。
 犀川先生の「環境保護のために人間はみな部屋から一歩も出ず、コンピュータのヴァーチャル・ワールドに住むべきだ」説が秀逸である。(笑)

 第3章 赤い魔法(アニメ:赤い魔法)
 真賀田博士の部屋の扉から死体が登場。1分間の暗闇のなる。
 エレベータは地下2階、1回の所長室、屋上への直通。もう1基のエレベータは1階と屋上を結んでいる。
 到着したヘリから白いワンピースの真賀田未来が降りてくるが、新藤所長は窓から顔を出し、二言三言会話するだけ。(アニメでは未来はスーツ姿であった)
 真賀田博士の部屋のシステムは研究所のメイン・システムから切り離されていて、アクセスは不可能。メールはパソコンのローカル・ネットワークでやり取りするので、こちらから何らかのスクリプトを送り込むことはできない。
 死体がP1に載せられていたが、このマシンは30kg以上の荷重がかかると積載オーバーで動かなくなる。手足が切断されていたのはそのため?

 第4章 褐色の過去(アニメ:虹色の過去)
 新藤所長がヘリの中で死体で発見される。屋上への出口は2箇所。
 誰が出入りしたかはドアの開閉記録で判明している。真賀田未来を研究所へ入れて以来、屋上へ出たのは今回だけ。
 未来はバッグをヘリに忘れたと新藤夫人に言ったが、萌絵は死体発見時に後部座席には何もなかったことを覚えている。

 第5章 灰色の視界(アニメ:銀色の希望)
 さてヒッターがアニメを見ていてひとつ疑問に思ったのは、どうやって犯人は翌日に船が到着するのを知ったのか? そもそもどうやって島から出るつもりだったのかである。
 最初の疑問はこの早朝の電子会議で判明した。(これ、アニメでやっていたのならヒッターが見落としたのだろう)
 またここでもレッド・マジックはスーパー・ユーザでも書き換え不可能な属性ファイルがあることを示唆している。だが、本当に書き換えは不可能なのか?
 萌絵ちゃんはビールとウィスキーで酔っ払ってるな(笑) この時代はノンアルコール・ビールなんてなかったからな。

 第6章 虹色の目撃(アニメ:真紅の決意)
 島田文子さんはガンプラマニア。シャア・アズナブルのファンである。男よりアニメが好きな30歳。独身。
 萌絵がVRカートにアクセスする場面はアニメオリジナル部分が多い。原作と現代では20年のギャップがあると感じますね。
 アクセス面はゴーグルと右手のみ。水着で全身をカプセルへ入れることはありません。
 アニメで長尺だった犀川先生と未来の会話は小説ではオミットされている。

 第7章 琥珀色の夢(アニメ:灰色の境界)
 犀川先生が朝焼けを見て、何かが引っ掛かると感じるところ。彼は毎朝、時計を秒針まで合わせるのだが、この島に来てからは行っていない。
 弓永医師がボトルシップを見せる場面があるが、犀川先生はバラバラで入れて、中で組み立てる。また、バラバラにして外で組み立てる、という連想をする。
 これは「四季 秋」への布石だったのだろうか。
 午前11時。次レッド・マジック停止。研究所内の照明が消える。
 犀川先生も特殊な多重人格者である。

 第8章 紺色の秩序(アニメ:紫色の夜明け)
 正午過ぎに警察がヘリコプターで到着。山根副所長は行方不明。儀同世津子が船で到着。入れ違いにキャンプメンバーが乗り込む。
 鑑識によると発見された真賀田女史の死因は背中からの刺殺であった。
 島田文子の部屋で酒盛りをしていた儀同世津子、萌絵はビールが切れたので山根の部屋で冷蔵庫を漁る。
 萌絵には山根の部屋への入場許可がセットされている。奥のバスルームで山根の死体発見。(ここはアニメと違いますね)

 第9章 黄色いドア(アニメ:黄色の死角)
 山根の死亡時刻は午前9時から11時の間。胸部をナイフで刺されている。
 犀川先生はレッド・マジックの中の時間変数を突き止めるが、それを監視していた“michiru”がトクしてくる。(第8章からはアニメはシナリオを変えているな)

 第10章 銀色の真実(アニメ:紫苑色の真実)
 VR世界でのエアミーティング。参加者は真賀田四季、犀川創平、西之園萌絵、新藤所長夫人、水谷主任、島田文子、弓永医師、望月警備員、ゲストの儀同世津子、西之園警備本部長、芝池刑事。

 ああ、そうだったのか・・・。疑問が解けた。真賀田四季は最初は逃げる予定は無かったんだよな。
 山根副所長が思いついたように、真賀田未来として影武者となるつもりだったんだ。だが、犀川先生と萌絵が事件の解明のため研究所に来たんで予定が狂ってしまった。
 犀川先生の解説でやっと解った。

 第11章 無色の週末(アニメ:無色の週末)
 うむ、女史は本名で図書カードを作ったんですな(笑)


 この20年間で本書を3回読んだことになるが、そのたびに新しい発見があった。
 たんにヒッターの記憶力と理解力が足りないだけかもしれないが、後情報があると事前情報の見方が変わるというやつである。
 ヒッターは名古屋生まれであるので、子供の頃の夏がすごく暑かったのを覚えている。
 昔読んだ本の内容というのは朧気で、名古屋は暑かったなあというくらいの印象でしか脳裏に残っていない。
 あとがきを読んで、もう1冊、再購入しようと考えている。

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