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まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第270回 蔵書管理 2012年11月

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蔵書管理 2012.11 
 月イチの個人ネタ。単なるメモである。11月に読んだ本をチェックする。
 ACCCESSデータベースに登録した蔵書は2012年11月30日で 20,750冊(先月増+31冊)となった。
 
 内訳は
 小説  6,485 冊
 コミックス 13,828 冊
 エッセイ、NF他 437 冊 である。

 いつもの6割くらいしか読めなかった。原因はyahoo知恵袋に手を出して回答しまくったためである。
 少し飽きてきたのでまた読み始めたが、あれにはまるといつの間にか時間がたっている。
 

・12月の予定
 小野不由美さんの「十二国記」。4冊買いだめ中。
 
 まだ読み出せない夢枕獏さんの「大帝の剣」全5巻。

 「FATE/ZERO」全6巻のうち残り4巻。3巻がどこに行ったのか見つからない。

 ペリーローダンが12月は439巻まで出ちゃうので、423巻以降未読。
 
 岳飛伝は読んでるのに読み出せない北方謙三さんの「史記 -武帝紀ー」全7巻。


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東北地区限定販売!「ちっちゃなプリッツずんだ」長さ80mmのちっちゃなプリッツです。
カリッとした食感と枝豆の風味豊かなおいしさをお楽しみください。
ずんだ

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第269回 嘘喰い

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迫 稔雄 「嘘喰い」第26巻、第27巻以下続巻
嘘喰い

 27巻を買ってきて読み始めたら、26巻を買ってなかったことに気付き買いに行く。
 やっと話が繋がった。

 獏さん、500億円諦めちゃうの?

 「嘘喰い」はバトルも面白いが、それ以上に賭けの勝敗を決めるゲームの設定が面白い。
 心理戦ですね~、こういうの好きです。

 26巻のファミレスでのコインゲーム、27巻から始まる海戦ゲーム・バトルシップと作者はネタの使い方が上手い。

 古い方を段ボールに片付けてしまったので読み返したくて取り出せないが、TV局の犯人当てクイズが面白かったな。

 まとめて読みたいのでヤングジャンプの連載は読んでいない。次が待ち遠しい。

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第268回 彷徨える艦隊

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ジャック・キャンベル 「彷徨える艦隊」 THE LOST FREET
彷徨える艦隊7

 ちょっと新刊情報を調べていたら、来年2月に新刊第8巻が出ると言うので前の話を読み返してみた。
 ジャンルとしてはミリタリーSFです。
 時代は人類が宇宙に進出し、多くの植民世界を持っている世界。御多分に漏れず、人類は二手に分かれて戦争をしています。
 主人公のギアリー大佐はこの戦争初期の段階の作戦で、破壊された宇宙船を救命ポッドで脱出して冷凍睡眠中で漂っていました。
 ギアリー大佐の所属するアライアンス艦体は、敵のシンディックの主要星系に大規模攻攻撃を掛けるべく侵攻していました。
 ところがシンディックの罠で命令系統の上位者が全員殺されてしまい、冷凍睡眠から覚まされたギアリー大佐が最先任士官として艦隊司令にされてしまいます。
 びっくりしたのはギアリー大佐。目が覚めたら100年経っていて、いきなり艦隊を指揮しろと言われ、味方艦体は優勢な敵艦体に包囲されつつある。
 さてギアリー大佐はどうしたのでしょう? (笑)

 設定が面白いですね、この時代には互いに戦争で疲弊して経済状況も悪く、戦艦を作るにも経済的にと装甲を薄くしたりしちゃうという無謀。
 どんどん優秀な士官が死んでいくので残った若い士官を鍛える時間がなく、戦術などまるで考えない艦長を抱えてギアリー司令は苦悩します。
 言うことを聞かない部下は敵よりも始末が悪いですね。
 この時代には超光速航法が確立されているのに、なぜか超光速通信技術がなくて星系内で戦闘する場合、迅速な指示を伝えることが出来ません。
 遭遇戦闘においても相互の移動速度を考えれば会敵は一瞬なので、通常航行より第1戦闘速度が大幅に遅くなるという物理的に適った考え方です。
 戦艦、巡航戦艦、巡洋艦、駆逐艦はそれぞれの役目を果たすように陣形を組むという、日本の戦争SFアニメには見られない面白さがあります。
 なぜか2種類ある超光速移動システム。アライアンス(国家連合)内の政治駆け引き。なぜ戦争は起こったのか。見え隠れする異星人の影。
 はたしてギアリー大佐は無事に艦隊を味方星域まで連れ戻せるのか?

 第1部
 1.彷徨える艦隊 旗艦ドーントレス The Lost Fleet:Dauntless
 2.彷徨える艦隊 2 特務戦隊フュリアス The Lost Fleet:Fearless
 3.彷徨える艦隊 3 巡航戦艦カレイジャス The Lost Fleet:Courageous
 4.彷徨える艦隊 4 巡航戦艦ヴァリアント The Lost Fleet:Valiant
 5.彷徨える艦隊 5 戦艦リレントレス The Lost Fleet:Relentless
 6.彷徨える艦隊 6 巡航戦艦ヴィクトリアス The Lost Fleet:Victorious


 第2部
 7.彷徨える艦隊 7 戦艦ドレッドノート The Lost Fleet:Beyond the Frontier:Dreadnaught

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第267回 ジグβ(ベータ)は神ですか

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森博嗣 Gシリーズ⑧「ジグβ(ベータ)は神ですか」Jig β knows Heaven
ジグβは神ですか

 西之園萌絵のゼミに居た山吹、加部谷、海月、雨宮は卒業して社会人に、萌絵も准教授に昇進。
 ヒッターは名古屋生まれなので名古屋弁が好きだがや。

 作者のデビュー作「すべてがFになる」The Perfect Insider から始まる事件。
 「S&M」シリーズ、「V」シリーズ、「X」シリーズがこの「G」シリーズで交差します。

 加部谷恵美にも、まだ謎がありそうだ。

 山吹くんの「久しぶりに加部谷さんに会ったら、またもや事件?」「えっ?これって私のせい?」には笑いました。

「S&M」シリーズ、「V」シリーズの後、「四季 秋:The Four Seasons White Autumn」で衝撃を受けましたが、それ以来の衝撃を味わいました。
 そういう仕掛けか! やられた!探偵・赤柳初朗が ピーーーーー だったとは!!!

 佐々木夫人と瀬在丸紅子の初邂逅。やはり物語は「百年」シリーズへ続くのか?

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第266回 うみねこのなく頃に散(3)

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竜騎士07「うみねこのなく頃に散 Episode 7 Requiem of the golden witch」
ep71.jpg

 第七話。”奇跡”を司る魔女ベルンカステルによる答え合わせ編。
 タイトルは「ベアトリーチェ殺人事件」!!

 進行役の駒として新たに異端審問官ウィラード・H・ライト(ウィル)が招かれる。
 そして新たな登場人物、次期当主・右代宮理御(うしろみや りおん)。
 この二人は「観劇者権限」で物語の原点である第二次大戦終戦間近の時代、若き日の右代宮金蔵と海の向こうからやって来た、初代”黄金の魔女”ベアトリーチェ・カスティリオーニとの出会いまで遡っていく。

 明かされる”黄金の魔女”の系譜。そして連続殺人事件はなぜ起きたのかを殺人事件の真犯人、クレル・ヴォーブ・ベルナルドゥス は滔々と語っていく。
 そして本人すら知らなかった右代宮理御の正体とは? (まったく、この存在はいくつ名前を持っているんだ・・・、・・*つか。)
 ”黄金の魔女”だけが持つ”必ず”共犯者を作れるシステムとは?

 ウィルによってEp.1~Ep.4の連続殺人の謎、Ep.4のラストのベアトリーチェの「わたしはだぁれ?」まで回答が示されます。 
    
 ベルンカステルによって、終盤で縁寿と理御に見せつけられる1986年10月4日~5日の惨劇。
 これが縁寿の捜し求めた”真実”なのか?
 謎を残したまま物語は最終話へ。

 ”絶対”の魔女に促され、”奇跡”を刈り取る魔女はその名において約束する

 ”このゲームに絶対、ハッピーエンドは与えない”

 Umineko Motion Graphic vol.8 なかない君と贖いの幻想 響 -シナスタジア-
 

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第265回 七都市物語

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田中芳樹「七都市物語」
七都市物語

 ヨルムンガンド計画が成就した世界はこんなんかな~
 第220回でちょっと出た単語「七都市物語」は田中芳樹さんの、短編連作小説です。
 続きが出ないので悲しい(ノД`)シクシク

 西暦2088年、突如地球を襲った未曾有の大惨事“大転倒”(ポールシフト)。
 地軸が90度転倒し、南北両極が、それまでの赤道地帯に移動する―という事態に、地球上の人類は壊滅的な被害を受けた。
 同年、月面都市において成立した汎人類世界政府は、西暦2091年に地上に七つの都市を建設し、地上の生存者を住まわせた。
 だが、月面都市の住人は新生地球人類への支配権を手にするため、地上500メートル以上を飛ぶ飛行体をすべて撃墜する「オリンポスシステム」を設置し、彼らから航空・航宙技術を取り上げてしまった。
 地球人類に対し絶対的な支配権を確立した汎人類世界政府だったが、西暦2136年、月面都市はこのシステムを稼動状態にしたまま、謎の疫病により滅び去ってしまう。
地図

 そして、航空技術の制限されたこの世界でも、人類は互いに領土や覇権を争い続けるのであった。
 そして時代は西暦2190年。七つの都市の均衡が大きく崩れようとしていた
 
 キャスパー・ヘクマティアルが言ったように、人間は空を飛べなくなったくらいで、戦争は止めないんだね。

 モチーフは中国の「戦国の七雄」時代。


「七都市物語」シェアードワールズ
『七都市物語』シェアードワールズ

 田中芳樹さんがなかなか書かないので、有志が書き継いだ作品集。
 2005年に徳間書店のトクマノベルズから刊行。シェアード・ワールドという方式がとられている。

刊行に当たり、原作者の許可を得て年代がハヤカワ版より200年未来になったほか、一部の地名や地形が変更された。例えば、ハヤカワ版でブエノス・ゾンデ市が面していたペルー海峡はグアヤキル海峡に改名され、位置が現在のエクアドル付近になっている。ただし、収録作品はハヤカワ版の設定を元に執筆されている。

収録されている執筆作家名と短編名は以下の通り。
小川一水 - 「ジブラルタル攻防戦」
森福都 - 「シーオブクレバネス号遭難秘話」
横山信義 - 「オーシャンゴースト」
羅門祐人 - 「もしも歴史に…」

 これも続きでないかな

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第264回 ヨルムンガンド パーフェクト・オーダー

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アニメ「ヨルムンガンド パーフェクト・オーダー」第7話「Pazuzu」

 ネ申回だった。録画を3回見ました(笑)第1期、第2期通して一番の話でしたね。

 まあ原作読んでるんで内容は知ってるんですが、アニメの出来は良かったです。
 6階建てが5階にですか(笑)ヨナくんが警戒し始めましたwww

 初期のココの護衛はレームとチェキータさんとワイリだったのね。
JP7-3.jpg

 ココの私兵集団でFBIのブラックリストに載っているのはココとワイリだけ。
JP7-2.jpg

 はははは、はい、もしもし どっかーーーーん。ヤバすぎるお方です。ブラックのび太の名誉挽回ですね。
JP7-1.jpg

 オープニングが無いのかなと思ったらエンディングに回したのはナイス!

 第二期も残り数話。「ヨルムンガンド計画」もいよいよ詰めに入る段階です。

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第263回 うみねこのなく頃に散(2)

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竜騎士07「うみねこのなく頃に散 Episode6 Dawn of the golden witch」
EP6.jpg

 第6話。ゲーム盤の新たな支配者は右代宮戦人となり、彼は喪ったベアトリーチェを復活させようとします。(金蔵と同じですね)
 また、1998年でも重要人物、偽書作家・八城十八(はちじょう とおや)のもとで右代宮縁寿が第6のゲームを観劇しようしていた。

 六軒島の夜の支配者、ベアトリーチェ誕生の謎を辿る物語。

 蜘蛛の巣に触れると火傷をし、魔法を使える姉ベアトと、鏡を恐れ、魔法を使えない雛ベアト。
 互いに欠けた部分を持つ二人は、二人揃って真のベアトリーチェとなるのか?

 古戸ヱリカは前回の屈辱を晴らすため、再び異端審問官たちを引き連れ、戦人のゲーム盤に挑戦する。

 恋を司る悪魔たちのゲームもなかなか派手でしたね~。
 譲治と朱志香は見せ場がありましたねw
 そしてゲーム盤をぶっ壊しかねない”探偵”でない古戸ヱリカの暴挙に、戦人はゲーム盤の密室ロジックエラーを突かれ、ヱリカと悪魔の結婚式をあげることに・・・
 
 披露宴でカケラ世界を渡る2人の航海者の魔女はベアトが来るかどうか賭けようと言います。
 「・・・・・・絶対に来るに賭ける。」「・・・・・・奇跡的に来るに賭ける。」 ここが好きですw

 自らの創った密室に閉じ込められた戦人を救いに来る新生ベアトリーチェ。
 相変わらずヱリカは良い味を出していますw。 異端審問官ドラノール・A・ノックスのメガネっ娘姿にヒッターは萌えましたw
 このクライマックスも派手な結婚式急襲大活劇で、ヒッターは涙を零しながら見ておりました(^^:。
 (未だに、ヒッターはベアトリーチェの密室トリックが推理できていません)
 そして、ますます不明になった、六軒島に存在する人間の人数は?

 最大の論議を巻き起こしたEp.6ですが、これ破綻してないか?

 エピローグでベルンカステルの前に現れる「尊厳なる観劇と戯曲と傍観の魔女」フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラは、かつて彼女をループ地獄に数百年も放り出した主(あるじ)なのか。
 八城⇒やしろ⇒オヤシロ? フェザリーヌ⇒フェザー⇒羽? アウアウ?
 第7のゲームは答え合わせ編となるようだ。

 最後の会話が凄い。
「……紅茶を飲むなら、」
「「バケモノ同士に限るわ」」

 今回は今までの二層世界構造ではなく、さらに上位のフェザリーヌと縁寿のいる「観劇空間」が設定されました。
   さらに上位の世界(フェザリーヌとエンジェがゲームの観劇する世界)
       ↓
   上位世界(戦人、ラムダデルタ、ベルンカステル、古戸エリカがゲームをしている世界)
       ↓
   六件島で惨劇が起きるゲーム盤世界

 これは「うみねこ世界」の謎を解く鍵となります。

 Umineko no Naku koro ni Motion Graphic Vol.7
 

 EP6 エンディングの神曲 黄金シンドローム - ウサンノカオリ
 

 ニコ動版


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第262回 PC版 マブラヴ オルタネイティヴ

Posted by ヒッター7777 on   2 comments   0 trackback

PC版「マブラヴ オルタネイティヴ 限定解除版」
         Muv-Luv Alternative(Restricted under 18 )


 小ネタバレが含まれています。大ネタバレは書いていません。

 アニメ「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス」が面白いので、元ネタとなった「マブラヴ オルタネイティヴ」PC版をやってみる。
 ちょこちょこメモ取りながらやってたので2ケ月近くかかった。
 前作の「マブラヴ」をやっていないのだが、やはりやっておいた方が良かったんだろうな。前篇・後編のような関係らしい。
 結論を言うと「トータル・イクリプス」より面白かった。ギャグもイケてました(^^
 ゲームは主人公、白銀武(しろがね たける)以外フルボイス仕様です。(一部ボイスあり)

 「トータル・イクリプス」のネタは第200回参照
 http://hitter7777.blog.fc2.com/blog-entry-201.html

 「マブラヴ Unlimited」
 オルタネイティヴ Ⅰ
 1966年。恒星間航行技術を持つ知性体・BETAの言語・思考解析による意思疎通計画。まったく解明する事が出来ず失敗 。

 オルタネイティヴ Ⅱ 
 1968年。BETAを捕獲しての調査・分析計画 。莫大な犠牲を払って解った事は、BETAが炭素生命体である事だけ 。

 オルタネイティヴ Ⅲ
 1973年 BETAの地球襲来。
 ソビエトの開発した人工超能力者(ESP発現体)の開発・運用によるBRTAとの意思疎通、情報入手計画。
 リーディングには成功しBETAにも思考があることが証明されたが、能力者の帰還率は6%。
 BETAに対してのあらゆる訴えはまったく無効であった。
 BETAは人類を生命体と認識していなかったのだ。

 オルタネイティヴ Ⅳ
 1995年。オルタネイティヴⅢのデータを接収した、対BETA諜報員育成計画。
 量子脳搭載の00ユニットによる情報入手を目的とする。
 00ユニットのテストを目的に戦術機XG-07b「凄乃皇・弐型」を佐渡島ハイヴ攻略戦「甲21号作戦」に導入・展開した。  
 情報的には大きな成果を上げるが・・・

 基地内にて00ユニットメンテナンス用ベット直結の「甲22号」の反応炉を介して情報がBETA側に漏洩、逆手に取られて横浜基地が甚大な被害を被る
 最終的に、「桜花作戦」という「甲1号作戦」へと発展した

 そして「桜花作戦」が失敗する事は同時にオルタネイティヴⅣの失敗となり、第V計画へ強制移行されることになる。

 オルタネイティヴ V
 オルタネイティヴ Ⅳの失敗時、発動させる為の予備計画。G弾集中投入によるハイヴ殲滅作戦と他星系移住作戦。
 人類は戦うことを諦め、地球を放棄して十数万人だけ脱出し、残された十億の人類は2年間抵抗したが、結局、滅亡する。
(以上、前作「マブラヴUnlimited編」


 さて、今回、ヒッターのプレイした「マブラヴ オルタネイティヴ」はこれを踏まえて、失敗に終わった「オルタネイティヴⅣ」を成功させなければ、人類は滅びてしまいます。
 「トータル・イクリプス」の世界は「桜花作戦」の失敗する世界? 成功する世界? どっちなんだろう。

 主題歌、JAM Projectの「未来(あす)への咆哮」がカッコ良かった。まさに”主題歌”です。


 ヒッターは大人なので全年齢対象版ではなく、限定解除版と言われるR元服版の方をやりました。
 「トータル・イクリプス」のバックグラウンドが非常によく解りました。とても詳細な世界設定です。評価します。
 これだけ設定がしっかりしていると、スピンオフ作品もいくらでも作れるでしょう。
 全年齢版と限定解除版のどこが違うかと言うと、かなりきわどい画像があり(そりゃR元服だから)、エロを期待した人には向きません(^^;
 規制はエロではなくグロの方です。、

 Wikiより抜粋
 ”一部に画像を含めてグロテスクな展開(画像については修正をかけず凄惨な様をそのまま描画している)がある。
 描写においては公式サイトのQ&A(質問番号101)に「作品上必要な表現として制作したが、ゲームを進められないといった極めて切実な要望をいただき、たとえ作品性に多少変動が生じたとしてもまずプレイしていただくことが何より必要である」として該当する画像にモザイクなどを用いて直接描写を緩和する「緩和パッチ」が公開された。
 ただし、ストーリー上必要な表現であるため、展開そのものを“なかったこと”にはしていない。
 全年齢版ではこのシーンは「グロテスク」な対象物を隠すなどの修正が行われている。”

 では、GAME START(1周目) 
 Episode 1 去りにし日々の光
 2001年10月22日~24日。この世界にも純夏はいない。

 Episode 2 兵士よ問うなかれ
 2001年10月25日~11月11日

 Episode 3 島をゆく
 総合技術評価演習。

 Episode 4 報いなき栄光
 2001年11月22日~11月29日。ヒロイン攻略分岐、1周目は御剣冥夜を選択。

 Episode 5 家路
 2001年11月30日~12月3日。「元の世界(マブラヴExtra)」へ往復実験。

 Episode 6 望蜀の下界
 2001年12月4日。歴史変更により「マブラヴUnlimited」で起きなかった事件。帝都クーデター発生。
 紀伊半島脱出戦での米軍VS帝国軍の局地戦がが凄い。確かにBETAと戦わないで人間同士が戦うなんて不毛だね。
 12月6日クーデター終結。このパートは面白かったですね。

 Episode 7 許されざる者
 2001年12月9日。「元の世界」へ往復実験、再開。
 12月10日。横浜基地の技術評価試験中にBETA侵入。白銀初陣、「死の8分間」を乗り越えるが、神宮寺まりも軍曹がBETAに頭部を食われて死亡。(グロシーン1、ううっ夢にみそうだTT)
 伊隅みちる大尉登場。絶望した白銀は「元の世界」に。
 12月14日。しかし、「元の世界」の神宮寺まりも先生がストーカーに殺される。(挽肉工場で頭部をミン〇にされて)
 12月17日。純夏が前日の記憶を無くす。純夏がグチャグチャに。

 Episode 8 涙落ちる果て
 12月17日。「オルタネイティヴ世界」へ帰還。00ユニット純夏と出会う。

 Episode 9 終わりなき戦い  12月23日
 Episode 10震える時空 1月1日
 Final Episode マブラヴ
 1周目、終了。

 という感じで「トータル・イクリプス」のアニメ第二話「帝都燃ゆ(後編)」のグロシーンを数十倍濃くした内容でした。
 最後方で戦術機開発している安全地帯の「トータル・イクリプス」より、最前線の「オルタネイティヴ」がこうなるのは当然ですね。
 さすが18禁ゲーム。キャプチャーしたグロシーンを掲載すると、このゲームやる人いなくなっちゃうので掲載しません。(^^;

 さて主人公、白銀武は平行世界のパイプ役、因果導体として元の世界(マブラヴ Extra)>BETAに侵略された世界(マブラヴ Unlimited)>転移した世界(マブラヴ オルタネイティヴ)>元の世界(マブラヴ)と移動したように思っていました。

 大きな謎が残っています。

 これは一本取られた、という感じです。なるほど、これは「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版」はこのやり方なのかと、昨日「Q」を観てきて思いました。

 (-_-)ウーム、PC版「マブラヴ」手に入れたが、やる時間が無い...

 【マブラヴ未プレイ向け】 マブラヴをゆっくり解説 Part8までありました(笑)


YouTubeにもあったな。 

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第261回 アリアドネの弾丸

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

海堂尊「アリアドネの弾丸」田口・白鳥シリーズ第5作
アリアドネの弾丸

 桜宮サーガ「螺鈿迷宮」>「イノセント・ゲリラの祝祭」>「極北クレイマー」と流れてきた一連の事件の終幕、「南の事件」。
 

 いや~、最高に面白い展開でした。この4作品は密接に絡まりすぎていて、短期間に読んでよかった。
 「ジェネラル・ルージュの凱旋」から間を空けても問題なし。

 スカラムーシュ・彦根、火食い鳥・白鳥、無音狂犬・斑鳩警視正。医療、行政、司法の思惑がぶつかり合う作品。
 ああ、医療ジャーナリスト、西園寺さやかの正体は***だったのか。
 満を持して画像検視官・桧山シオン女史登場。ナイチンゲール・クライシス事件の城崎&牧宮登場。
 藤原さんが最後にすべてを攫って行きました。
 ふたたび桜宮市に出現するでんでん虫。

 次巻、田口・白鳥シリーズ最終作「ケルベロスの肖像」はまだ文庫になってないので読めませんが、「チーム・バチスタの栄光」「螺鈿迷宮」の崩壊三部作の最後の作品なのだろうか?

 このあとは桜宮サーガ・過去編「バブル三部作」の既刊2冊を読もうと思います。

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第260回 ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

映画「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q」

 2日続けて庵野ネタ。これが旬だからね。

 月曜はMen's Dayで1千円で観れるので行ってきました。
 平日の午前中というのに、ほぼ満席で男性が98%くらいで、しかもヒッターのようなおっさんが半数以上を占めて無言でアニメを観るという異様な空間でした。
 「境界線上のホライゾン」の暫定議会の会議のようです。(ノД`)シクシク あの様な権益争いで座席の奪い合いが無いだけ良いですが。

 同時上映のスタジオジブリの「巨神兵東京に現る」がなかなか良かった。「火の七日間」実写版ですな。
 林原めぐみさんの語りが良かった。
 巨神兵東京に現る

 映画「Q」の内容はあちこちで書かれているので、ここでは書きません。
 お金を払って観る価値はありました。

 まあ、予告の映像はアテにならないことが判りました。(笑)
 次回作の予告は信じません。

 WILLE(ヴィレ)って何かなと調べたら{意志、未来」というドイツ語が該当したが、NERV(ネルフ)もドイツ語の「神経」だっけ。
 ドイツ語が好きなのかな。

 これは意表を突かれました。 
 次は完結編「シン・エヴァンゲリオン劇場版Repeat End (リピート・アンド)」ですか、タイトル変わってるやないけ!
 最後の記号は音楽記号で反復記号、繰り返し(リピート)の最終部分に付けるやつだと思うんだが、では、リピート部分の最初は何処なんだろう?
 しかも「ヱヴァンゲリヲン」じゃないし。

、次回作の次回作は∥:(リピート・スタート)へ繋がってシンジが悲しまない世界に辿り着くまで続くんじゃないでしょうか。

 新劇場版は旧劇場版のリピートであって、次の次は「帰ってきたヱヴァンゲリヲン」「真・劇場版」「劇場版・愛の戦士達」「ヱヴァンゲリヲンはつらいよ・望郷編」と続くと思います。

 謎は謎を呼び、完結編終了時にまた大議論がおこるんだろうなぁ。

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第259回 アオイホノオ

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

島本和彦「アオイホノオ」第9巻
アオイホノオ 9

 島本さんの自虐的自伝マンガ。
 このマンガを読んでいると懐かしい話がいろいろ出てきて楽しい。

 TV版の「銀河鉄道999」の最終回が思い出せない。
 観ていたはずなんだが・・・

 蔵書データベースを見たら、島本さんのコミックスを90冊持っていた。
 それなりのファンと言っていいだろう。「炎の転校生」が懐かしい・

 本巻には現在公開中の「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q]の監督、庵野秀明の若き日の姿が描かれている。
 このとき「DAICON 3」のオープニングアニメを作っていたのね。

 当時として素晴らしい出来でした。(1981年」
 


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第258回 SAO同人誌

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

川原礫 SAO同人誌

SAO11巻発売まで1ケ月を切った。他のを読んでみようと探しまわる。

SAO:ME(マテリアルエディション)9の第三層ボス攻略の話「黒白のコンチェルト」。
ME9-2.jpg

初っ端からキリトとアスナがいちゃいちゃしております。
もう完全に「SAO」と「SAOP」は違う設定で進むようだ。
第1章のみしか読めなかったから、どうなるかわからん。

SAO:LE(リズベットエディション)の小説がタイトルが判らない
LE-2.jpg

リズベットがキリトに《ダークリパルサー》を作ってから3か月後の話。
これは釣竿を作ってもらう話か?

SAO:SE(シリカエディション)
短編小説は「キャリバー」の三日後の話らしい。
マンガ8P、小説6Pで300円とは安い!!
シリカエディション0
「冬の陽だまり」ってこれに入ってるの?
冬の陽だまり0

まったくいっぱい出しちゃって、田舎者が探すの大変じゃないかっ。

WORD GEAR REVERSEって川原礫さんが昔やっていたところでWeb版のSAOの#16#17の間のR元服仕様#16.5があったそうな。

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第257回 幻魔大戦deepトルテック

Posted by ヒッター7777 on   2 comments   0 trackback

平井和正「幻魔大戦deepトルティック」全3巻
幻魔大戦deepトルテック

 幻魔大戦って終わったの? という人が多いですね。
 いちおう、この作品で終了したと判断します。

 幻魔大王と東丈の関係は?
 自分の力が最大値を示す世界を捜し、世界を転移し続ける東丈。
 彼は幻魔大王すら自らの属性の一部にする存在になったのか。

 犬神明と青鹿晶子の再会の叶う作品。
 「ボヘミアンガラス・ストリート」でライフワークとした”ルシファー伝”を書き上げた作者の(現時点での)最終作。

 平井和正ファンとしては、ずっと気になっていたあの二人に再会できてよかった。

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第256回 うみねこのなく頃に散(1)

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

竜騎士07 うみねこのなく頃に散 Episode5 End of the Golden Witch 
EP5肖像画

 カテゴリーを小説からゲームに変えて。
 なかなか小説版Epsode5の下巻がでない。アニメ化の噂も全くない。
 昔、ノートを取ったのを読み直しました。(Wordで290kb 86P分)

 Ep4終盤で惨劇の原因となった自らの”罪”を思い出さない戦人に、勝利を諦めてゲーム盤を放り出したベアトリーチェ。
 その姿を見ながらEp1~Ep4の棋譜を読み直し、ベアトリーチェの意図を探ろうとする戦人。
 ゲーム盤はラムダデルタが引き継ぎ、ベルンカステルは新たな駒、”探偵”古戸ヱリカを配置して第5のゲームを始める。
 さらにゲームマスターであるラムダデルタも”19年前の男”を配置する。
 かつてないほど早く解かれる”碑文”の謎。
 しかし、碑文が解かれれば起こらないはずなのに、なぜか起こる連続殺人。 

 最終章でタイトル通り、魔女ベアトリーチェさんはお亡くなりになります。泣かせる場面でした。

 異端審問官ドラノールに敗れ、赤き太刀に心臓を貫かれた戦人の亡骸に「・・・・・・ありがとう・・・。・・・・・・うそつき・・・・・・。・・・さよなら・・・・・・。そして・・・・・・・・・、・・・ごめんね。」とつぶやき黄金の飛沫となって消え去るベアトリーチェ。
 ヒッターの目から汗が零れ落ちました・・・。

 「ウェルギリアスはダンテを、煉獄山に案内し、山頂に待つ永遠の淑女、ベアトリーチェの下へ、連れて行く。
 だから、その最深奥はきっと、底ではなく煉獄山の山頂。
 永遠の淑女は、そこでダンテを、ずっと待っている・・・・。
 そして、・・・・俺は、・・・・知る。」

 最後のベアトの魔力は”反魂”だったのか・・・。
 ”魔法”と真相を理解し、”黄金”と”無限”の称号を継承した”魔術師”右代宮戦人が誕生する。このシーンは最高にカッコウ良かったですねー^
 ”探偵”古戸ヱリカは敵役として、いい味を出してますね~。真実の魔女(仮)の称号ももらったしねw
 アイゼルネ・ユングフラウの異端審問官たち、戦人に付き従うベアトリーチェの眷属たち。
 ロノウェさん、”イエス・ユア・マジェスティ”は格好良すぎます(笑)
 煉獄の七姉妹も主の仇を討つため大活躍。ガープとワルギリアの連携もいいですね。

 彼らとうさぎ耳のシエスタ姉妹近衛兵、異端審問官たちが大立ち回りする逆転法廷劇は見ものです!!
 これは紙の書籍より、サウンドノベルというPCゲームの利点でしょう。
 ヒッターはここでも感動のあまり、涙を流しながら最終章を見ておりました・・・・

 さて、ベルンカステルも古戸ヱリカもこのまま黙ってはいません。
 第6のゲームはゲームマスターを右代宮戦人に変えて始まります。

 展開編に入るとEp1~4の連続殺人事件の推理を他所に、この物語そのものの謎に対する言及が現れ始めました。
 キーワードとしてでてくる”19年前”、六軒島に何があったのか。連続殺人事件のヒントはEp4までで全て出ているので、これはまさしく物語の真相へのヒントですね。
 展開編は連続殺人事件の真相解明編ではなく、物語の究明編なのか。

 なかないきみと贖いの幻想 新約の夜


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第255回 花咲ける青少年 特別編 第3巻

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

 樹なつみ「花咲ける青少年 特別編」第3巻
花咲ける青少年 特別編 3

 前に紹介したのは第71回だったか
http://hitter7777.blog.fc2.com/blog-entry-72.html

  ノエイの学生時代の話。いいですねー、年上のお姉さんは。

 花鹿の居ない島で倣 立人(ファン リーレン)、ユージィン・アレキサンドル・ド・ヴォルカン、カール・ローゼンタール、ルマティ・イヴァン・ダイ・ラギネイが激突です
 ヒッターの予想では、花鹿は4人の子を1人ずつ生むかもしれん。

 マハティの祖父さん祖母さんの話もいいな。

 なにぃっ!第4巻に続くだと! 楽しみぃ~

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第254回 境界線上のホライゾンⅢ(15)

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

川上稔「境界線上のホライゾン Ⅲ(下)」 Horizon on the Middle of Nowhere
Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト⑥


「第七十八章 時代の進行者」「第七十九章 約束場所の狼」「第八十章 狼が望む場所の在る者」
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 防護障壁の支えを失って4隻の戦艦が3隻の輸送艦上に落ちてくる。浅間・智は荷物の中の毒見中のエロゲが死後、遺品整理で見つかったらどうしようと騒いでいる。
 八犬武神《義》に乗った里見・義康はいつものように狂った言動をする梅組メンバーを、何人かでも救いに向かおうとして気付く。
 夜空に水平一直線に霧が発生している。そして咆哮が生まれ、宙が割れる。すぐに霧を焼き払って透明な陽炎が一直線に揺らいだ。
 “泣け、村雨丸”
 夜の空が破裂して宙を落ちる4隻の戦艦の残骸と、1km半の切断軌道が交差する。落下軌道がずれた残骸群が、極東勢の輸送艦と《マクデブルクの半球》を積んだ輸送艦を掠めて落ちた。無事だ。
 義康の見上げる宙には八つの駆動機を持つ白い重武神“八房”が、剣砲“村雨丸”を振り下ろした状態で浮かんでいた。

 ナルゼは大砲に激突した後、成政の追撃を覚悟しガードを固めた。しかし、代わりに柔らかい感触が。
 マルゴット・ナイトが後ろから抱きかかえていた。輸送艦の方を見ると喜美が祝いの踊りを踊っている。平常運転のようだ。
 マルゴットはトーリたちが戻ってくると、先触れするため飛んできたそうだ。
 そしてマクデブルク西方の丘陵地帯に展開した「M.H.R.R」後衛部隊に、「六護式仏蘭西」の武神(ルール・デ・マリオネッタ)隊が突撃を掛けた。

 「六護式仏蘭西」とエコール・ド・パリ教導院の紋章を刺繍した校旗を掲げた武神団に続くのは、「三銃士」の率いる自動人形(ペル・デ・マリオネッタ)近衛隊。
それを見守るように丘の上に立つのは、護衛の自動人形に守られたルイ・エクシヴと毛利・輝元。彼らは皆、前《総長兼生徒会長》アンヌ・ドートリッシュに死期が近いことを知っていた。
 夜空を見上げるルイ・エクシヴたち耳に聞こえてくるのは、大気を揺らし、地面さえ鳴動させるような響き。暗雲を貫き鉄槌のような姿が落ちてくる。

 「武蔵野」艦橋内部で向井・鈴はマクデブルク周辺と「武蔵」の位置を模造図で再構成していた。現在、各艦は阿蘭陀方面からの“射出”を成立させるため、加速制御以外の軌道制御を行っていない。巨大な砲弾と同様である。
 このままでは地表と激突してしまうので、艦首を上に向けて回頭、天上方向に重力加速を掛けてブレーキングしなければならない。「アルマダ海戦」での宙返りを参考に、動作自体は可能だがその強烈な負担を艦の構造は許してはいない。
 強度のストレスを抑えるべく、各艦の艦尾側に補強術式の流体が流し込まれる。
 垂直に立った全長2kmを超える八艦が流体の光を纏い、下方に霧を発生させながらマクデブルクに降下してくる。(マくロスが8体降りてくるようなもんですな)

 その光景を見ながらアンヌたちの乗った輸送艦は「六護式仏蘭西」艦隊の居る西方へ向かう。極東勢の乗る輸送艦は動いていない、「武蔵」の《総長》達はまだ着いていないようだ。
 マクデブルクでは、まだ戦闘が続いてるが、もうすぐ終わるだろう。自分たちは時代を一つ進めたのだと言った途端、《パレ・カルディナル》は膝をつく。アンヌは肉体のない身に寒気を感じた。

 ネイト・ミトツダイラは《人狼女王(レーネ・デ・ガルウ)》に背負われた状態で目を覚ました。森に面した丘の上からマクデブルクと「武蔵」が見える。いつの間にか、いつもの制服に着替えさせられていた。《人狼女王》も「六護式仏蘭西」の制服をベースとした戦闘用ドレスに着替えている。
 《人狼女王》はさっき届いた“夜鳥の精霊の手紙”を読んでいた。アンヌ・ドートリッシュの指示により、「六護式仏蘭西」と「武蔵」の停戦、《総長》ルイ・エクシヴと《生徒会長》毛利・輝元の両名をもって「武蔵」との友好関係の締結が成された。
 「六護式仏蘭西」と「武蔵」は対等でもいい。だが、ネイト・ミトツダイラは、“王”に仕える者としてどうであることを望むのか、自分に対し性能証明(プルーフ)せよと《人狼女王》は言う。
 “1分だけ全力で来なさい。何も見るものが無いなら、誰からも必要とされない場所から、お家に連れて帰ってあげるわ”

 ネイトは身じろぎも、逃げも、下がりもせず《人狼女王》を見つめ、相対した。
 相手は肉親であるが敵だ。また負けてぼろぼろにされて、抵抗の意志すら残さず剥奪する気なのだ。
 ならば見せよう。未熟なりに自分が得たものを。
 そして、2人の狼の戦闘が、観客の居ない丘の上で始まった。

 二人が高速で接近する。初速はネイトが上回ったがインパクトの瞬間、《人狼女王》の姿が消えた。体重移動と身の振りだけで回避をし接近をする。しかし、《人狼女王》の攻撃もネイトに当たらない。
 だが突き込まれた貫き手を避けた瞬間、うつ伏せに四肢をついた体制のまま、左手で頭上を抑えられた。このまま、地面に叩きつける気だ。経験と鍛錬の差が出た。
 しかし、ネイトはその左手を下から右手で掴み捻った。「英国」で対ウォルシンガム用に直政と特訓した、崩しからの投げ技だ。
 《人狼女王》は宙を一回転して着地する。
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 正純にネイトが《人狼女王》と戦闘状態に入ったと連絡が届く。
 マルゴットが前もって送ってきた通神文にはトーリたちの進行ルートと、“ミトっあん剥いたりいろいろしてたらママンが母性本能に火―ついたみたいでオッパイ大きくなる呪いは無いのかと聞かれたんだけど結論から言って先にアデーレだと思うからママンはミトっあんを「試し」てからリリースするかどうか決めるっぽいよ?”だった。
 正純はこれで意味が通じるようになってきた自分は、政治家として駄目な方向に向かってるんじゃないか?と浅間・智に聞くが、浅間はよく意味が解るので笑みだけ返す。
 浅間は過去を思い出しながら、三度目の勝負だと正純に告げる。二度目は「IZUMO」で。一度目は8年前、喜美とトーリが祖母の家に行っていて居なかったときだ。

 12年前、親元を離れて一人で第1位の騎士として「武蔵」に来たネイト・ミトツダイラ。水戸の松平領主を襲名し、自慢げな態度だったが、小等部が始まって半年ほどした頃、極東第二位の継承権ということの意味に気がついてしまった。
 ホライゾンの存在である。しかし、ホライゾンのことは「武蔵」の住人はほとんど知っていたが、松平・元信の隠し子である。
 ネイトはホライゾンに“貴女は不認知の子だから極東の後継者としては私より下だ”と言ってしまう。皆が青ざめる中、ホライゾンはこう言った。“私はいなくなっても大丈夫なのですね”

 ネイトは《人狼》家系であることを忌避され、迷惑扱いされて自分の居場所を得ようとして子供ながらに見栄を張った。
 しかし、自分よりも居場所を持たない《姫》が居た。返す言葉を失い、家に逃げ帰って数日、仮病を使って休んだ。
 そうしたら馬鹿が《姫》と射撃女を連れて、川原で焼き肉をやろうと家に来た。行かないと射撃女が破邪の矢をぶち込むそうだ。騎士としてそれは嫌なので行ったら、馬鹿の仕込みの罰ゲームでホライゾンが自分に餌付けするゲームをやらせた。その時、ホライゾンに約束した。自分は騎士で《姫》を護るのが役目なのだと。
 しかし、あの日、松平・元信公がホライゾンを実子として認めるお披露目の式場で、お祝いの言葉を言おうと待っていたがホライゾンもトーリも来なかった。
 元信公が後継者を指名ないうちにホライゾンは死んだ。このままでは自分が後継者にされる。ホライゾンの居場所を護るのではなく、奪ってしまうのだ。
 そして「武蔵」が「IZUMO」に来たとき、降りようとして母にボロボロにされるまで怒られた。二度と「六護式仏蘭西」の地は踏まないと約束させられて。  
 その後、一、二年は消沈していたが、中等部に入ったころから《人狼》家系の血が強く出てきた。粗暴になり、荒れた自分は高圧的な先輩たちを叩き潰したりしていた。
 ある日、先輩たちから校舎裏で夕刻に待っている、と馬鹿に言われ、行ってみたら馬鹿が血だらけで倒れていた。助け起こしたら“ごめんな。”と謝られた。
 “昔、王様になるって約束して、それからいろいろあって、巨乳の姉ちゃんに現実見ろと説教食らってなんにも出来ないでいるけど。俺、いつか王様になるから。諦めないから。そしてホライゾンが居ることが出来たような、そんな国を作るから。”
 “だから、お前は俺の国の騎士になってくれ。そうしたらホライゾンは喜ぶと思うんだ。”
 彼はホライゾンが死んだとき、何かが欠けたのだろう。だから、欠け跡を埋めようとする。もう二度と大事なものを喪わないように。
 “王”は何も諦めなかった。だから私は“王”のために道をつける。前に出る。斯かる困難があろうとも、”王”を止めぬために前に出る。

 ネイトは《人狼女王》に突っ込んだ。一歩一歩を弾くように、至近を基礎とした攻撃と回避を行う。
 《人狼女王》の動作は瞬間的な動作で狼の動きだ。だがネイトの動きは徐々に変化していく。狼の動きから別のものに。
 同じ戦い方をしていては勝ち目はない。動きを細かく刻んで、狼の初速を持って騎士としての戦闘術を使う。足捌き、体術、覚え始めたダメージ軽減動作。己を固定せず、掴ませない。

 《人狼女王》は娘の動きに懐かしいものを感じた。それは自分に戦いを挑んで敗れていった人間の動きだ。食らわれる者の動きだ。しかし、娘の動きは人と獣が混ざって新しい相対の技と力を生み出していく。
 かつて自分は夫となる人を殺そうとして出来ず、死ぬ覚悟をした自分を夫は救ってくれた。
 この娘の“王”も死の覚悟をした《姫》を救った。変なとこで親に似たものだ。
 8年前、あの“王”になりたいと言った子供を殺さなくてよかった。
 「IZUMO」で娘を叩きのめして「武蔵」に戻した後、御菓子の家に寄った晩に二人の姉弟の迷子が訪ねてきた。曾祖母の見舞いの帰り道だったそうだ。姉の方は警戒していたが、弟の方は将来、やりたいことがあるから“王”になりたいと言ったのを、現実を見ろと諭してしまってあとで後悔した。
 だが、あの少年は諦めなかった。一昨日の夜、トーリの頬に顔を寄せた時、臭いで気付いた。錯覚かと思ったが間違いない。少年は“王”となり、娘はその“王”の騎士となったのだ。

《人狼女王》の貫き手をネイトは筋肉が束になった肩で受けた。獣は肩を使わない。人間の防御だ。
 だが押し切られて貫き手が首に飛んでくる。その腕に巻きつけるように自分の腕を絡めて捻る。「英国」でF.ウォルシンガムの「千本薔薇十字」を弾き飛ばすために、直政と訓練して体に染み込んだ技だ。そのまま投げてもいいし、関節技にも移行できる。獣には出来ない人間の技だ。
 逆側の腕を取りにいった瞬間《人狼女王》の姿が消えた。ネイトには解った。母が自分の技を獣の身で行ったのだ。そして、母の銀色の髪の中から出てくるのは折りたたまれた“銀十字(アルジョント・クロス)”だった。

 《人狼(ルウ・ガルウ)》が己の身以外に得た唯一の物。それが“銀の武装”。先代の《人狼女王》が友人として認めた《聖なる小娘(ジャンヌ・デ・アーク)》を救えず、その遺物として得た武装。
 自動的に組み立てられた十字架が“戦乙女の神鉄槌(ワルキューレ・マルトー)”、直径10mの流体光による空間打撃をネイトに向けて放つ。
 《人狼女王》は人間と交わり、夫と友人を得た。“あなたはどうなんですの?”と娘を見つめる。
 その瞬間、“戦乙女の神鉄槌”の爆圧を断ち割るように白い極厚の大剣が落ちてきた。ネイトを護るように大地に突き立ったのは《王賜剣一型(Ex.コールブランド)》。騎士に与えられた“王の剣”を持ち《銀狼(アルジョント・ルウ)》が咆哮しながら《人狼女王》に迫る。
“そう、友達が出来たのですね”
 獣の初速を発射台とし、狼の雄叫びを放つ騎士の全力の一撃が叩き込まれた。
 銀の十字架が空に弾かれ、獣が吹き飛ばされる。そして、騎士は叫びを終えて大剣を大地に付き刺し、膝をついた。
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 書き溜めのストックが無くなってしまた。ダイジェスト書くのは楽しいのだが、時間が足りない。
 今月中に残りを書くことにして、次回のダイジェストは12月にします。

Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト⑦につづく。
3-150.jpg温泉行きてぇー

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第253回 万能鑑定士Qの短編集Ⅰ

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

松岡圭祐「万能鑑定士Qの短編集Ⅰ」Story Collection of All-Round Appraiser Q: vol.1
万能鑑定士Qの短編集I

 凜田莉子さんは1ヶ月の間、質屋さんに出張鑑定に行きます。
 その1ヶ月の間に起こった5つの事件です。

 第1話「凜田莉子登場」
 ダイヤの偽造も進化して、見破る方法が昔に戻ったという逆転の発想ですね。

 第2話「水晶に秘めし詭計」
 盗んだものを手元にずっと置いておくとは間抜けな。

 第3話「バスケットの長い旅」
 莉子にライバル登場。
 これは犯人がただのバカだったとしか思えないな。

 第4話「絵画泥棒と添乗員」
 美術館から盗まれた5点の絵画。
 泥棒は特等添乗員、朝倉絢奈の率いるツアーに紛れて侵入したらしい。
 ロジカル・シンキングの莉子とラテラル・シンキングの絢奈のタッグマッチです。

 第5話「長いお別れ」
 ほほう、シマウマの鳴き声はそうなのか。知らなかった。


 結局、どの話も逮捕者0というのがこのシリーズの良さですね。

 次巻ではあの万能贋作師 雨森華蓮が出所してくる?
 楽しみです。

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第252回 孔雀王ライジング

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   1 trackback

荻野真「孔雀王ライジング」第1巻
孔雀王ライジング 1

 集英社から小学館に乗りかえて始まった「孔雀王ライジング」。
 孔雀の少年時代。裏荒野に入山して修業を始めるお話ですね。
 現代風のカードゲームのようになってますが(笑)

 ヒッターの蔵書リストを検索すると
 「孔雀王」全17巻
 「孔雀王 退魔聖伝」全11巻
 「孔雀王 曲神紀」全12巻

 とけっこう買ってました。
 設定をちゃんと考えないで描いてたので話が破綻してましたが、そんな物語は世の中にあふれているので、気にしなければそれなりに面白いものです。

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第251回 境界線上のホライゾンⅢ(14)

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

川上稔「境界線上のホライゾン Ⅲ(下)」 Horizon on the Middle of Nowhere
Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト⑤

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「第七十三章 包囲都市の集合者達」「第七十四章 壁の攻守者達」「第七十五章 守り場所の突破屋」「第七十六章 戦場の駆け出し者」
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 午後7時20分。「武蔵野」艦底整備部区画。直政、三科・大らは“八房”の修理中。そこに「M.H.R.R」から航行行為の禁止が通達される。航行行為だから曳航も禁止だ。なんとしてもマクデブルクに「武蔵」を行かせないつもりだろう。
 里見教導院《総長》里見・義頼は、「マクデブルクの略奪」の前倒しの前倒しは「六護式仏蘭西」側はアンヌ・ドートリッシュの奪回、「M.H.R.R」側は「六護式仏蘭西」の介入の阻止で、両者の先手の取り合いの結果だと推察する。
 「M.H.R.R」側の問題は「K.P.A.Itaria」からの援軍が間に合うかどうかだ。
だが、状況を分析していた立花・嫁は昨日の「IZUMO」での艦隊編成からみて、マクデブルクは“水責め”を受け、このままでは戦闘開始から10分しか持たないだろと結論する。 

 マクデブルクを見下ろす丘の上。トーリたちは輸送艦を沈め、エルベ川を堰き止めようとする光景を見ていた。地形的にマクデブルクは河川貿易で成り立つ土地である。河川側に防御術式を掛けないと浸水してくるだろう。
 《人狼女王》は告げる。「武蔵」がマクデブルクに来た場合、「M.H.R.R」旧派との戦闘になるだろう。マクデブルクに残っている「武蔵」の重鎮を拾ったら、すぐに逃げなければ「K.P.A.Itaria」から戻った派遣戦士団からも追撃を受ける。
 今、トーリたちが居るのはマクデブルクの南西側で、西側に展開した「M.H.R.R」旧派突撃師団の対「六護式仏蘭西」部隊2万5千人を突破しなければ、マクデブルクに入れない。
 うまくすり抜けて「武蔵」と合流しないと置いてけぼりを食う。気を付けて行きなさい、と。

 「武蔵」ではどうやってマクデブルクへ向かうか検討が成されていた。《武蔵王》ヨシナオと《副王》ホライゾンは同じ結論に達する。「武蔵」はマクデブルク北側に展開した「M.H.R.R」航空艦隊を突破しなければならない。だが、その方法なら「M.H.R.R」領空を航行せず、10分弱でマクデブルクに到着するのだ。《艦長》“武蔵野”と向井・鈴の検証済みである。

 マクデブルク南門前に集合する「M.H.R.R」「P.A.Oda」混成戦士団。高速型機動殻大隊1千人を含む突撃師団を率いるのは《五大頂》の一番、ティリー将軍の二重襲名者、柴田・勝家。その隣には《五大頂》の四番、サングラスの男、佐々・成政。
 マクデブルク側は水没戦術に防御術式を十字重ねして対抗した。おそらく「武蔵」の《書記》の仕業だろう。このため、当初は5分で決壊する作戦が伸びてしまった。ぐずぐずしていると「六護式仏蘭西」降下部隊がやってくる。勝負は15分だ。

 マクデブルクの大聖堂前広場では、マルガ・ナルゼがゲーリケに迎撃作戦を指示していた。魔女(テクノヘクセン)隊20人は、上空から射撃で河川側に敵を追い込む予定。だが、敵は5千人。その後ろに2万5千人が控えている。すぐに市街戦に突入するだろう。
 市街戦に対応するのは、修復された《蜻蛉切》を持つ本多・二代と300人の女装戦士団。なんとか時間稼ぎをして、残っている非戦闘員と《マクデブルクの半球》を輸送艦に乗せなければならない。
 その後、エルベ川の防護障壁を解き、能動的な浸水作戦で敵の侵攻の足を奪う。そして「六護式仏蘭西」側に脱出する作戦である。

 マクデブルク全体を覆う防護障壁が、南門に集中した攻撃で徐々に弱っていく。すでにエルデ川の水位は町よりも1mほど上回っていた。「六護式仏蘭西」航空艦隊は降下部隊を下ろし始める。そして南門を最初に突破したのは佐々・成政であった。

 「六護式仏蘭西」航空艦隊から降りたのは特殊部隊・仏式旧派(ガリカン)起床団“おはよう部隊”である。戦闘を禁じられた僧侶が、起床の叩き起こしとして深夜でも“お早うございます”と言って武器で殴りかかる、本当に特殊な部隊である。
 現在、「六護式仏蘭西」は「M.H.R.R」旧派に先手を打たれ、「マクデブルクの略奪」に干渉出来ない。アンヌ・ドートリッシュを迎えに来て、“偶然”、襲撃を受けたので防衛したという予定だったのが、「歴史再現」が優先されたためである。
 これに対し、今度は「歴史再現」を名目に「M.H.R.R」がアンヌ・ドートリッシュを抹殺しようとしているとして、各国に働きかけている。「武蔵」が「三河」や「英国」で使った前例があるので説得しやすい。すでに「英国」、「三征西班牙」」の教導院、発足した「K.P.A.Itaria」の抵抗生徒会、「阿蘭陀(オランダ)」のウィレム《総長》、「瑞典(スウェーデン)」のクリスティーナ《総長》ら賛同率は5割を超えた。
 しかし、これには条件が付いた。“アンヌが危険だから攻撃する“だと、いつ「六護式仏蘭西」が自国を襲うか判らない。”実際にアンヌが襲われている状況“でないと介入は認められない。
 だからアンヌは敵をマクデブルクの中に引き込もうとするだろう。ルイ・エクシヴや輝元に手柄を立てさせるために。

 重装備の「M.H.R.R」機動殻部隊は河川沿いに、軽装の「P.A.Oda」突撃隊は丘側の農園区画を進攻する。風に乗って進むムラサイ派の「P.A.Oda」勢への迎撃は斜面の上から転がってくる丸太と岩だった。
 弾き返そうとするがその丸太や岩には改派式の“符”が貼ってあった。
 “当たると一年間非モテになる女人禁制術式”
 “一回当たるごとに将来ハゲる確率10%増しの剃髪術式”
 “逆上野状態になる逆割礼術式”等々。
 徐々に押される「P.A.Oda」突撃隊。しかし、丘の上のマクデブルク戦士団にいきなり大砲が降ってきた。砲撃ではなく南門上の大砲が佐々・成政の《百合花》で吹き飛ばされたのだ。
 市壁の上を疾走する成政を封じるため市壁を爆砕していくのは、「武蔵」《第四特務》マルガ・ナルゼ。
 《白魔術(ヴァイス・テクノ)》「効果線」が成政を中心に集中線を360°描き、稲妻効果の雷撃も重ねて送る。
 成政は《百合花》「震脚」で市壁の石組みを跳ね上げ、ナルゼの攻撃を防ぎながらその瓦礫の散弾をナルゼに蹴り込んでくる。
 市壁を砕き走る成政と飛翔回避しながら追うナルゼ。至近距離で石の散弾と白い描写の効果線が撃ち合いを開始する。

 「武蔵」にマクデブルク内で交戦が始まったと報が入る。《副王》ホライゾンの指示により「武蔵」全艦がマクデブルクに向かう。
 《艦長代理》向井・鈴が描く模造図の「武蔵」の姿は、牽引帯を解いて八艦に分離され、横並びに垂直に立った姿だった。
 各艦が外部装甲を開き重力航行の光を発っし、駆動音が高音に変わっていく。
そして、八艦はマクデブルクに向かって、弾道軌道で“発射”された。(笑)

「第七十七章 水場の改め女」
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 マクデブルク大聖堂の北側では3隻の輸送艦に積み込みが行われていた。1隻はゲーリケ達、欧州勢。1隻は正純達、極東勢。もう1隻は里見・義康の八犬武神《義》とアンヌとマザランが乗る銀の武神《パレ・カルディナル》が《マクデブルクの半球》を積み込んでいる。

 南門から果樹園を貫く一本道。侵攻する1千機の機動殻部隊を迎え撃つのは、市街地への入り口を護る6門の大砲と一人の鬼型長寿族の女、ルター・巴・御前。二本の角、「M.H.R.R」の女子制服に極東式装甲を付け白の鉢巻を風に流し、両手に持った聖譜ハンマーが左右に振られると、改派(プロテスタント)の“術符”が巴・御前の周囲を回る。
 《改派聖術(モダン・クンスト)》の基礎を作った改派の祖こそ、マルティン・ルターを二重襲名した巴・御前である。
 聖堂で契約する《旧派聖術(クラスイツ・クンスト)》は1回きりの使い捨て契約書を所有者加護して使う術式だが、教会で契約する《改派聖術》は回数制限付きの契約書を、使用者がレンタル形式加護で使用する。
 一直線の道に6門の砲から発射される砲撃を指揮しながら、“術符”の公転軌道を纏った巴・御前が両手のハンマーで機動殻を砕いていく。
 長剣を抜いて突っ込んでくる機動殻に左手のハンマーを投げつけ、宙に指を開く。
 「発動・連続式」と告げると同時に一枚の“術符”が光り、流体で出来た6m四方、厚さ1mの“聖譜写本”が出現する。長剣を持つ機動殻に光の“聖譜写本”をぶち込み、さらに7冊の“聖譜写本”を呼び出す。
 「AMEN」と祈りを捧げ左の手を地面に叩きつける。七連打で地面が揺れ、数十の機動殻が破砕した。
 そのまま、前に出ようとしたとき、左手側のエルベ川の濁流断面を抑えていた防護障壁が裁断された。

 《瓶割》の一撃で防護障壁を割ってきた、ずぶ濡れの戦闘部族系鬼型長寿族、柴田・勝家である。
 聖譜ハンマーと《瓶割》が激突する。巴・御前のような人に近い外見の真祖直系の鬼型長寿族、天上時代に開発された勝家の戦闘部族系鬼型長寿族は源平合戦と、その後の鎌倉時代で個体数が激減した。
 互角の戦闘力を持つ二人だが、巴・御前の攻撃は勝家の「聖譜顕装(テスタメンタ・アルマ)」《意欲の慈愛(アニムス・カリタス)・新代(ノウム)》の“攻撃と防御という戦闘行為を一瞬だけ止める”効果に止められる。
 実際、これは止めているのではなく、躊躇わせるのだ。戦闘という意欲を、相手を潰してはいけないという、親が子を見るような慈愛の感情で。
 だが、巴の《改派聖術》“聖譜写本”も防御に関しては自動発動型だった。意欲を持たない反撃の巨大写本3冊が縦打ちで勝家にぶち込まれる。
 脛の半ばまで地面に埋まりながらも耐えた勝家は、立ち上がりながら《瓶割》を振り抜こうとする。そこに砲撃が勝家にぶち込まれる。脳震盪をおこしながらも勝家は《瓶割》を振った。

 その時、二つのことが同時に起こった。マクデブルク市街上空、3隻の輸送艦直上の防護障壁に300m級無人航行戦艦が垂直に突き立ったのだ。障壁がまっ白に光りながら受け止めているが、さらに2艦目、3艦目が破砕槌として打ちこまれる。このまま障壁が破られれば、真下の輸送艦は全滅する。

 マルガ・ナルゼはまっ白に光り輝く防護障壁を見た。障壁が低いため輸送艦は移動できない。
 成政が“まだ割れないのか”と呟くのを聞き、エルベ川の氾濫は罠だと知る。重鎮たちを安全な1箇所に集め、質量弾を撃ち込んで抹殺するのが本当の計画だったのだ。
しかし、勝家も成政も3万人の包囲部隊も囮ではない。作戦を立て、行った上でスタンドプレイをしているのだ。これが「P.A.Oda」のやり方か。そう思ったナルゼに成政の蹴った大砲が飛んできた。
 右肩から引っかかるように大砲と激突したナルゼに視界に、成政が大型の石を蹴り飛ばしたのと、4艦目の戦艦が落ちてくるのが見えた。

 本多・二代は巴と勝家の戦いの場に向かって疾走した。走りながら勝家の「聖譜顕装」のフィールドを割断する。
二代は2人の間に割って入り、《蜻蛉切》で《瓶割》を受けようと思ったが、速度が乗りすぎて止まるタイミングを逸した。このままでは巴が切られる。
二代は一つの解決策を取った。“危のう御座る!”と言って、ダッシュからの直蹴りを巴にぶち込んだのだ。
 勝家は一瞬で覚醒した。目の前で信じられないことをした馬鹿がいる。“危ねえのは、お前だ!”
 巴を蹴り飛ばした反動で停止した二代は《蜻蛉切》を勝家に向けて対峙した。

 正純たちの乗る輸送艦の真上に展開する防護障壁に、3隻の無人戦艦が乗って圧を掛けている。これをどかさないとならないが、方法が無い。
 浅間・智は今の状態で内燃拝気が不足して、一艦しかぶち抜けないと言う。皆が“一艦しか?”と怪訝な表情をするが、浅間は無視した。基準の違いというのは誰にもあるのだ。
 話を逸らそうと浅間は人数確認をするが、アデーレがいない。通神枠で探すと洗面所に居た。緊張が解けて一気に来たと言うが、それで「修学旅行」前の健康診断に提出する“ケンベーン”のことを皆が思い出す。(←ここ重要です)
 そこに4隻目の戦艦が落ちてくる。3隻で飽和していた防護障壁が砕かれ、エルベ川の氾濫水も市内に流れ込んでくる。
 破壊されてもなお100m以上ある戦艦が4隻まとめて輸送艦に降ってきた。

次回、さらに激闘!マクデブルク攻防戦。
マクデブルクに着弾(!)する「武蔵」(笑)
《銀狼》VS《人狼女王》、激突!
 お楽しみに(^^


Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト⑥につづく。

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第250回 PRIDE

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

石井衣良「PRIDE 池袋ウエストゲートパークX」
PRIDE10

 四季に1話ずつ。4編を収録して年に1冊の「池袋ウエストゲートパーク」も10冊目。
 ここで第1期完結です。
 裏にも表にもグレーゾーンにも一目置かれる、池袋の”トラブルシューター”真島 誠も初登場から10巻を経て、もう年齢は20代後半ですね。
 Gボーイズの”G”はギリギリの略なので、ここでひと区切りということなのでしょう。
 マコトは決して正義の味方ではなく、時には超法規的措置を取るアンダーグラウンドな存在でもあります。
 TVドラマ版も昔、観ましたがあれはあれで面白かった。原作をうまく処理した作品として評価します。

 東直己さんの「ススキノ探偵」シリーズのように30代間近のオヂサンのころから、50代になったオッサンになるまで年を取っていってほしいものです。
 50代になったマコトはどんなんだろう?子供が出来て高校生くらいになってるんだろうか。

 IWGPシリーズ
 Ⅰ.「池袋ウエストゲートパーク」
 Ⅱ.「少年計数機」
 Ⅲ.「骨音」
 Ⅳ.「電子の星」
 Ⅴ.「反自殺クラブ」
 Ⅵ.「灰色のピーターパン」
 Ⅶ.「Gボーイズ冬戦争」
 Ⅷ.「非正規レジスタンス」
 Ⅸ.「ドラゴンティアーズ」
 Ⅹ.「PRIDE」

 第2期は10年以内に初めて欲しいな。

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第249回 溜池Now

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

ショコタン「溜池Now」

 ちょっと前の事件ですが、ヒッターの好きな中川翔子さんのネット配信番組、GYAO「溜池NOW」
 一部で有名な放映後、削除された第57回「第2回都市伝説サミット 社会タブー編 後編」
 ヒッターは番組を録画しながら見ていたのでデータは持っていますが、翌日の月曜日には放映そのものが削除されていました(笑)
 かなりヤバい{都市伝説」を扱っていたので、このあと数回で2年以上続いた「溜池NOW」は消滅します。(ノД`)シクシク
 こんなの放映してもいいの?とヒッターも観て思ってました(笑)

 ON AIRにビビッているしょこたん
 溜池Now 第2回都市伝説サミット「社会タブー編」前半


  こちらは無事だったようだ。
 溜池Now 第1回都市伝説サミット「アニメ編」前半


 溜池Now 第1回都市伝説サミット「アニメ編」後半


 ケンコバの討論が面白かった。
 溜池Now 溜池天下一武道会 vol.1 ~3

 ジョジョファン必見
 溜池Now 世界一受けたい!!「ジョジョの奇妙な...」授業

 最後のネタになった
 忘れられない最終回No.1グランプリ 前半、後半

 ここに残ってました。いつまであるやら。
 第2回都市伝説サミット「社会タブー編」 後編
 //www.nicozon.net/watch/sm17640134

 どれも面白かったです。YouTubeにけっこう上がっています。打ち切りさえなければ・・・

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第248回 境界線上のホライゾンⅢ(13)

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

川上稔「境界線上のホライゾン Ⅲ(下)」 Horizon on the Middle of Nowhere
Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト④


 《銀狼(アルジョント・ルウ)VS“変態野郎(シェイプ・シフター)”大激闘!
 あんまりダイジェストにならないほど、書き込みに力が入りました。
アニメにすると、ちょっとやばいです(^^;

 「第六十九章 鉄塔の傍観者達」「第七十章 鉄塔の相対者」「第七十一章 鉄塔の理解者達」「第七十二章 謁見場の狼」
027.jpg

 戦いは圧倒的にネイトが不利だった。無痛症と高速再生、そして変身応力。男の姿の時はその筋力を生かした爆発力を持ち、女の姿の時は小回りの利く高速動作をする。
 その使い分けが戦闘中に、どんどん高速で入れ替わるようになった。そして、いつしかルドルフ二世はネイトの姿になっていた。コピーされたのだ。
 ハーフとはいえ《人狼(ルウ・ガルウ》の肉体をコピーしたルドルフ二世は、異族の筋肉と速度を得た。まだその身体に慣れていないはずなのに、ネイトより速い。
 基本性能だけで自分が押されているのは何故か? ネイトは反射神経だけで攻撃を避け続け、着ている「M.H.R.R」の女子制服のハードポイントを外していく。
 装甲に優れ金属パーツの多い「M.H.R.R」の制服よりも、いつも着ている極東式の制服は動きやすい。このレベルの戦いで、この差は大きい。一瞬で脱ぎ捨てた制服を変わり身として、ルドルフ二世の背後にまわり自分の顔と同じ頭部を切り落とす。
 落ちた頭部を長剣で床に固定し、身体からメモの羊皮紙を奪おうとするが、頭部が血煙となって身体の方に戻っていく。部材が大きい方が本体になるようだ。無くなった頭部の位置に、自分と同じ銀髪が広がると同時に、側頭部から延髄に掛けて長剣を貫通させる。

 自分の死体を見ているようで、3歩下がったネイトにルドルフ二世が振り向く。脳から延髄まで身体を動かす神経系に長剣を突きっぱなしにしたのに、切断面を再生ブロックして、最初から剣が刺さった生物として動き回るらしい。
 自らの頭蓋骨を長剣で切り割りながら上方へ抜いたルドルフ二世は、そろそろ理解できたと言い、今まで以上の速度で向かってくる。全力で後退するネイトに追いついてくるということは、自分以上に自分の身体を使いこなしているということ。それは《人狼女王》クラスだ。右脇腹に衝撃を受けたネイトは舞台を囲む鎖に弾き返され宙に浮く。そこに偽物の《銀狼》の空中三連脚が叩き込まれ、鉄板にンネイトは叩きつけられる。
 ネイトの右足を掴んだ偽《銀狼》がジャイアント・スウィングで1回転、3回転目で轟音が鳴り始め、5回転目で部屋の空気が渦巻き始める。9回転目で武器ストッカーが揺れ始め、15回転目、MAXスピードで西側の鋼鉄のコーナーポストに叩きつける。
 鉄柱が根元から折れ曲がり、ポスト同士を繋いでいた鎖が千切れ飛ぶ。脳震盪と三半規管の揺れで動けないネイトに近づいてくるルドルフ二世は、今度は《人狼女王》の姿をしていた。
 《人狼女王》の速度でドロップキックをネイトの胸板に叩き込む。背にしていた鋼鉄のコーナーポストが根元から折れ、舞台を囲んでいた武器ストッカーを幾つも砕きながら、西側の塔壁に叩きつけられ、その上に自分で砕いた武器ストッカーの破片が降り注いで埋まっていく。 

 その音は塔の下に居る点蔵たちにも聞こえた。
 元・暗殺者の女たちは、どうやら高速連携で最後までやったようだと言う。音からすると膂力タイプの姿で、相当な速度でフィニッシュしたと判断したようだ。
 《人狼女王》はトロいからついて行けなかったのでしょう、と言うのに、女装のトーリはよく解らないが、トロいのか?と聞き直す。
 鉄塔を見上げていた点蔵は、ネイトの攻撃速度、移動速度は《特務》の中では早くない方だと言う。
 実務担当の《特務》では、反射神経がずば抜けている有翼種の《第三特務》マルゴット・ナイト、《第四特務》マルガ・ナルゼより下。測定上は《第六特務》直政より少し上くらいの数値だ。ただ《銀鎖》による多面攻撃、《人狼(ルウ・ガルウ)》の怪力と耐久力で相手が《特務》クラスなら互角に戦える。しかし、今は《銀鎖》が無い上に、相手は《総長》だ。《副長》クラスは戦闘能力が最も高いものが役職に就くが、《特務》が比較にならない戦闘馬鹿ばかりだ。「英国」のロバート・ダッドリーは「女王の割符」戦士団のまとめ役でその座に就いた指揮系で例外だが、大概は速度、技術、力が揃った規格外である。
 点蔵はネイトとの付き合いは長いので、その速度についても知っている。点蔵は《人狼女王》に速度が遅いから多面攻撃の出来る《銀鎖》を与えたのか、と尋ねる。
 《人狼女王》はネイトは真面目すぎて、考え込むタイプだ。だから《銀鎖》を与えたと答える。
 点蔵は、真面目すぎる性格というのに引っかかった。そこに、メアリは昨夜のMouri01との戦いの話をする。あの戦闘で見せたは速度が遅かったとはいえない。

 ネイトが西側の内壁に激突してから2分。ネイトが動く気配はない。
 ルドルフ二世は《人狼女王》の姿のまま、息を吐く。先々代の《大総長》カルロス一世のメモは護りきった。「M.H.R.R(神聖ローマ帝国)」《皇帝》として他国の干渉を退けたのだ。これが《皇帝》としての最後の仕事だった。
 だが《人狼女王》の娘はいつの間にか立ち上がっていた。まだ戦闘は決着していないのだ。

 ネイトはまだ茫然としていた。母に怒られた記憶が蘇る。8年前もそうだった。怒られて叩き潰された。先日も手も足も出ず叩き潰された。そして、今も・・・。
 ネイトは自分が何故立ち上がったのか、わからなかった。母に敵わなかったら、謝ればいいのか? 謝って、泣いて、諦めるのか?
 いや、相手が強くて敵わないから諦めるというのは間違っている。なぜならば、そうしなかった人を知っているからだ。二ケ月前、「三河」で、どう考えてお無理だろうという願いを、一人で適えに行こうとした馬鹿がいた。それが自分の“王”である。
 服には馬車の中で自分に寄りかかって寝ていた“王”の匂いが残っている。その匂いで目が醒めた。
 母がこちらに歩いてくる。でもまだ身体が動かない。母の蹴りが直撃した。

 轟音が響き、《銀狼》の身体は十数の武器ストッカーを砕きながら、砲弾のように壁に激突する。
 顔の半面を血に染め、右肩を脱臼しながら、ネイトは再び立ち上がった。
 《人狼》の回復力で意識を刈り取っても立ち上がってくるのだろう。もう試合とは言えないが、出血多量で終わってもらおうと、ルドルフ二世は落ちている槍を拾った。
 槍を構え、ネイトに向かって全力で投擲する。快音が響いた。槍が鋼鉄の壁に突き刺さった音だ。
 だが、ネイトは1m横の壁にもたれかかっている。
 ルドルフ二世が槍を放ってから移動したのだ。ルドルフ二世にはそれが見えなかった。
 不意にネイトが位置を変えた。焦点の定まらぬ目で咳き込みながら、コマ落としのように移動する。移動する瞬間が見えない。武器ストッカーが突然、大きく揺れた。ルドルフ二世はそれで気付いた。今のはネイトがぶつかったのだ。動作の始点と終点しか見えない。それはとんでもない瞬発力だった。
 
 点蔵はメアリから、ネイトの昨夜の状態と、泉で石を投げてコツがわからないと言っていたことを聞き理解する。ネイトはコツに気付きつつある。自分がパワー型だと思っているネイトは、真面目に何をするにしても、筋肉に力を入れてしまう。
 点蔵がメアリに説明したのは、手の振り方であった。指を開いてぶらぶらと手を振るのと、拳を握りしめて力を入れたまま振るのでは、どちらが早く振れるか。
 速さは力を抜いた状態の方が早くなる。そして、初動時に力を抜いて加速させ、終了時に力を込めてダメージを大きくする。これをネイトが体得すれば、戦い方は大きく変わるだろう。

 ネイトはふらついていて、歩くにもバランスが悪い。記憶がところどころ飛んでいる。母が左からやってきて右フックを打ちこんでくる。《人狼女王》の攻撃を避けようとしても、間に合うわけがないと思っていたら、目の前をパンチが通り過ぎて行った。そして、2歩後ろにあったはずの武器ストッカーにぶつかった。その瞬間、全身に重さと痛みが戻ってきた。
 反対側の腕で貫き手を突きこんでくる偽《人狼女王》。その爪がネイトと激突した。

ルドルフ二世は痛みを感じないが、今の手応えが違ったのは解った。ネイトが吹っ飛びながら防御している。攻撃を受けた瞬間、妙な高速移動で自ら飛んだのだ。

 ネイトは自分が何をしたのか理解し始めていた。脂汗をかきながら、脱臼した右肩をむりやり入れる。
 その痛みに耐えながら、さっきやったのは母が見せた高速移動。その技術の入り口みたいなものだろう、と考える。痛みで出た涙を拭い、《銀狼》は狼の金の眼で相手を見る。
 “改めて名乗りますわ。「武蔵」アリアダスト教導院、総長連合《第五特務》。「武蔵」の一騎士。ミトツダイラ・《銀狼(アルジョント・ルウ)》・ネイトと申します。”

 ルドルフ二世は頷く。騎士が名乗ったならば応じなければならない。一度、男の身体に戻り、“「M.H.R.R神聖ローマ帝国」」《皇帝総長》、ルドルフ二世よ。”
 次の瞬間から、戦闘は止まらなくなった。

 鉄塔を見上げる点蔵たち。戦いは長期化しているようだが、守衛役の二人は“いつもと違う”ようだし、《人狼女王》からは“まだまだですわ”という感想だ。
そして、《人狼種族》の基本戦術は短期決戦だという。

 円形広間は全域にわたって戦場となっていた。壁面や天井さえ加速に使用する足場に使われ、微細な凹凸につま先を引っ掛けて《銀狼》が壁を走る。
 銀髪に隠した数本の剣を力ない動作でルドルフ二世に投げつけるが、その速度はかつてない速さだった。しかし、ルドルフ二世も飛んできた1本目の剣を掴み、残りの剣を打ち払う。
 壁面を蹴った《銀狼》が逆さまに天井を穿ちながらステップしていくのに、ルドルフ二世が床に突き立てた剣を足場にジャンプして蹴撃を放ち、互いに宙で一回転して南と北のポストに降り立つ。

 ネイトは震える心を必死で制御している。制御するのは身体ではない。心の方だ。今まで《銀鎖》と怪力と耐久力だけで戦えた。この力を使えるようになったのは、一度、耐久力を超えた力で身体が砕かれたからだ。今まで力を“出して”いたが、力を“使って”いなかった。
自覚した。情けない。それでよく、他者を護るつもりでいたものだ。

 ルドルフ二世は感嘆していた。未熟な存在が急速に力と手段を明確な形にしていく。
 だが、それは今まで戦ってきた者たちと同じだ。自分との戦闘で自分自身の性能と能力の極限を知る。だからこそ彼女たちは戦闘後も、こちらに感謝してくれた。
 しかし、この《銀狼》は確実にこちらを超えようとしている。でも、まだ未完成だ。だからこそ諦めないのか。
 それに比べて自分はどうだ? 自分もまだ未完成だ。だが、自分は諦めてしまった。羨ましい。
 目の前の《銀狼》は“完成”に向けて変化していく。変化して己を高めていくというなら、こちらはそれを上回る“最適“になればいい。
 ルドルフ二世は“変態”した。

 ネイトは“変態”を目の当たりにした。速度においては身軽さを、力においては体格を、技能においてはそれを持つ者に次々と変化していく。
 互いにいくつもの要素を相手から跳ね返るように得て、さらに自分に上乗せしていく。
 諦めが心の中から消え、決意がそこに嵌りこんだ。この《総長》を、この《皇帝》を倒して楽にさせてあげよう。痛みを与える方法は思いついた。
 ふと気づくと高速で変化していたルドルフ二世の変態が変わらなくなってきている。だんだんと一つの形に集約されていく。それが理想形なのだろう。そうか、この人もまた、未熟だったのだ。
 そしてルドルフ二世が先に完成した。
3-13-2.jpg

 その姿は女性型、金色の髪、青い瞳、巨乳、《第一特務》と連想ゲームをしている内にバックを取られた。しまったと思う間もなく、ルドルフ二世は姿勢を低くして腰を抱え込み、そのまま腰を上げるように身を反らせる。
「ジャーマン・スープレックス!」

 ルドルフ二世は必殺の一撃を放った。相手を後頭部から鉄の床に激突させ、意識を奪う。どんなに諦めない敵でも、意識を完全に飛ばされれば行動不能だ。勝利を確信したルドルフ二世の後頭部が、鉄板に激突する音が轟いた。
 ルドルフ二世の腕の中に《銀狼》の身体は無い。ルドルフ二世はこの状況の原因に気がついた。
 まさにこれは「貧乳回避!!!」。
 次の瞬間、顔を真っ赤にした《銀狼》に蹴り上げられたルドルフ二世は、轟音と共に天井に貼りついた。8秒ほどくっ付いたまま、落ちてこないほど強力な蹴りであった。
 ゆっくり、剥がれ落ちてくるルドルフ二世に38本の長剣が突き刺さり、4本の大斧が四肢を切断する。仰向けに落ちてくる身体に、下から2本のハンマーの打撃が加わり、再び天井にハンマーごと食い込む。断たれた四肢は血煙となって身体に戻ろうとするが、まだ届かない。
 そこにコーナーポストを結んでいた鎖を柄に巻きつけたハンマーが飛んでくる。落ちてくるルドルフ二世の身体を、2本のハンマーと38本の長剣ごと引き絞り、《銀狼》が回転を始めた。
 ルドルフ二世の身体は超重量の塊ごと、鉄塔の内壁に激突し始める。

 500mの鉄塔の最上階で、ルドルフ二世の身体で鳴らされる鐘の音が鳴り響く。さらに手近の武器を打ち込み、加速は追加し、ルドルフ二世の身体が作る鐘の音は頻度を増していく。
 だが、ルドルフ二世には効いていなかった。血煙となっている四肢はまだ戻らないが、それは回転する速さに追いつけないからだ。ならば、速度を落とさせればいい。
 《人狼女王》の姿になったルドルフ二世は、“ネイト、貴女!親に対してなんてことをするんですの!”
 迷いなく壁に叩きつけられた。

 鉄塔の下、なんか今までで一番キツイ音がしたな、と女装の馬鹿が言うと、なんか微妙に寒気がしたとネイトママンも言う。メアリが見上げていると、最上部に明かりが見えた。それは外壁に生じたひび割れから漏れてきた光だ。

 ルドルフ二世は失敗を悟った。《人狼女王》の姿になってから、《銀狼》のパワーが増してきている。
 ならばこれなら、と「三河」からの中継で見たことのある「武蔵」の《総長兼生徒会長》に姿を変えた。“ネイト、俺が何か悪いことをしたか?”
 《銀狼》はいつものように壁に叩きつけた。

 鉄塔の壁は完全に崩壊し、ルドルフ二世はハンマー投げのように、地上500mの空中に放り出された。だが、このまま地上に叩きつけられても、問題はなく復活できる。
 自分は痛みを感じない。人ではなく人形と同じだ。今回もやはり駄目だった。ルドルフ二世に目からなにかがこぼれ、落ちる速度に負け、風に散っていく。
 だが、鉄塔の裂け目から自分を追ってくる血煙を破り、《銀狼》が飛び出してきた。

コーナーポストについた鎖を握ったまま飛ぶ出したネイトは、空中のルドルフ二世の首の後ろから眉間へ貫き、鉄塔側に戻っていく。斜め軌道で鉄塔の外壁にぶつかる前に、ネイトがしたのは鎖の破片を耳に入れることだった。
 そして、外壁にぶつかる直前に長剣を抜き、外壁に対して直角に構え直して、再び逆さま状態のルドルフ二世の延髄を貫通する。

 夜のマクデブルク郊外に、強烈な金属音が軋り渡った。

 金属の火花を散らせ、ネイトは500mの高さから外壁を走り降りる。後頭部から長剣に刺し貫かれ、鉄塔の外壁を削る震動を与え続けられているルドルフ二世の身体は暴発していた。
 四肢のない身体の各部分が別々に変態している。顔半分が男になったり女になったり、首と胴の性別が違ったり、舌を長くのばして魚のように身体を震わしたり、制御できないのだ。
 痛みを感じない。それは再生が一瞬で行われるので、痛みを感じている時間がないということ。ならば、一時も途切れることもなく、痛みを与え続ければいいのだが、ルドルフ二世の術式加護は自動的に痛みをシャットダウンするようだ。
 では痛みと見なされないものを永続的に直接、神経系に流されたらどうなるか。脳から発せられるパルスより強い“それ”は、身体制御を不可能にする。それは“救けてくれ!”と言いたくなるような感覚。
 ところどころでショートアクセルを加え、ネイトは駆け下りていく。残りは300mを切った。長剣の切っ先が折れ、ますます、いい音を出す。
 ネイトの喉の奥から、狼が唸るような音がし始めた。“る、る、るう”。それは《人狼(ルウ・ガルウ)》の語源となる音。
 ネイトは駆けながら、塔からの風景を見る。暗い森、その中を川が流れ、その向こうにマクデブルクの灯りが見える。重層包囲された街。そこには仲間たちがいて、自分たちもそこに向かうのだ。
 仲間を呼ぶ狼の本能が喉を震わせ、《銀狼》が歓喜の吠え声を放つ。

 残り50m。ルドルフ二世が最後の抵抗に出た。大きく身を震わし逃れようとする。《銀狼》は握っていた長剣を緩め、ルドルフ二世に掛かっている振動を減少させる。そして、その刃の側面にドロップキックを浴びせた。切っ先の折れた長剣が、今まで以上に鉄塔の壁面を削っていく。
 一度緩められた直後の暴発に、ルドルフ二世の身体の制御は完全に失われた。拒否の声を上げるために伸ばした舌を噛もうとする。死よりも辛いものを味わっているのだ。
 《銀狼》はそれを見て、延髄に刺さっている長剣を強引に下に切り下げ、噛もうとした舌ごと頭蓋骨を両断する。
 再生を始める頭部を、今度は頭長から股間まで鎖ごと唐竹割にし、そのまま地面に激突した。
壁を蹴って跳躍し、地面に降り立った《銀狼》の背後でルドルフ二世の身体が血煙となっていく。
 その瞬間、周囲の森から溢れる量の鳥が飛びあがった。奇怪な音と、狼の吠え声で怯えていた森の動物たちが動き始めたのだ。

 ネイトは散らばった剣や「M.H.R.R」の制服の中から、1枚の羊皮紙のメモを見つけ出した。その傍に気を失った裸の女性が倒れている。これがルドルフ二世の本来の姿なのだろうか。幼少の頃から《皇帝》になるため男性の姿をさせられていたのだろうか、それは解らない。
 
 ネイトはルドルフ二世に頭を下げ、皆のもとに戻る。すれ違いに二人の元・暗殺者たちがルドルフ二世のほうへ駆け寄っていく。
 ネイトはトーリにメモを渡そうと近づき、懐かしい匂いを嗅いだ途端、緊張が解け、地面に沈み込むように意識を無くした。

 マクデブルクの大聖堂前広場。浅間・智は“夜鳥の精霊の手紙”でルドルフ二世謁見団がカルロス一世《大総長》のメモを入手した、と皆に告げる。
 マルゴット・ナイトからの連絡内容は“ミトがルドルフ二世を密室でバラバラにして高所から鼻歌歌いながら開きにしてミンチにしたら美少女に転生した”であった。
 マルガたちは、あるあると気にしないが、里見・義康やゲーリケたちは“えっ・・・”と顔を見合わせる。
 カルロス一世のメモはテュレンヌ公に渡され、「六護式仏蘭西」からのミッションは終了。ルドルフ二世は元・ 暗殺者の親衛隊と共に撤退。謁見団はマクデブルクに向かうとの連絡を浅間・智が読み上げる。

 午後7時20分。西方から「六護式仏蘭西」艦隊がステルスを解いて接近を知らせる。その途端、マクデブルク包囲軍が動いた。南側から突入態勢に入っていると里見・義康から通神がはいる。
 巴・御前は「羽柴」の《軍師》竹田・半兵衛の即断だと判ずる。およそ、あと10分、午後7時30分には突撃師団5千人が交戦範囲に入ってくる。その内、都市制圧用高速戦の《機動殻》1千騎がいることを鑑みると、マクデブルク程度の都市なら15分、7時45分には制圧されるだろう。
 本来の予定では護式仏蘭西」艦隊が、マクデブルク包囲軍に攻撃を掛けるのが7時45分だった。
 ならば15分耐えれば「六護式仏蘭西」の応援が来る。
抵抗戦の準備だ!と巴・御前が号令をかける。
3-13-1.jpg
 
 次回、激闘!マクデブルク攻防戦、開始。「武蔵」は間に合うのか!

 Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト⑤につづく。

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第247回 究極超人あ~る

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

ゆうきまさみ「究極超人あ~る」

 11/5発売の週刊スピリッツに25年ぶりに「究極超人あ~る」の新作が掲載された。
 「究極戦隊コウガマン」って、なんか聞いたことがあると思ったら、「アッセンブル・インサート」のネタだったか。
 


 なつかしい顔ぶれを見ました(笑)R・田中一郎、大戸島さんご、鳥坂先輩、R・デコ、ナリハラ博士などなど。 
 むかし、イメージアルバム買った覚えがあるな。どこか押入れの奥に入ってるかもしれん。
あーる2012

 このお話は東日本大震災復興支援企画として、来年3月のコミックスに入るそうです。売り上げは経費を除いて全額寄付されるとか。
 細野不二彦さんの「ギャラリーフェイク」がすでに47・48号に掲載され、49号でゆうきまさみさんのさん「究極超人あ~る」、50号で吉田戦車さんが登場するそうです。
 そのほか掲載時期は未定で高橋留美子さん、藤田和日郎さん、椎名高志さん、荒川弘さんが週刊少年サンデーで、島本和彦+石森プロがゲッサンで作品を発表する予定だそうです。楽しみ(^^

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第246回 Ξガンダム

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

Ξガンダム(クスィーガンダム)

 雑誌を見てたら載っていたので(^^; Ka signature ROBOT魂 から発売されるそうですが、発売日未定だそうです。
 クスィーガンダム

 富野由悠季さんの小説版「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン」の続編、小説「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(全3巻)の主役メカΞ(クスィー)ガンダム。
 (ベルト-チカさんはアムロの子を産んだんだろか? この前「黒いユニコーン」に出演なさってましたが。)
 小説版はアニメ版「逆襲のシャア」と設定が違うので注意が必要だな・・・

 時代的には「機動戦士ガンダムUC」の5年後。
 搭乗するのはブライト・ノアの息子、テロリストとなったハサウェイ・ノア。(ラストが悲しいっす)
 通常のモビルスーツが16mクラスですが、こいつは26mと大型です。

 Ξは3じゃありません(笑)アムロ・レイの最後の搭乗機、ν(ニュー)ガンダムの後継機なのでΞ(クスィー)なのですね。
 小文字の ξ じゃ余計読めないか? グリーク・アルファベットって面倒だな。
 
 オデュッセウスガンダムとペーネロペー・ユニットと一緒に発売してほしいな。
ぺーねろぺーRx-104ff
 オデュッセウスガンダムはΞガンダムの試作機で30m級です。

 さて「バンシィ」製作に戻らねば・・・、今年中に完成させよう。

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第245回 境界線上のホライゾンⅢ(12)

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川上稔「境界線上のホライゾン Ⅲ(下)」 Horizon on the Middle of Nowhere :
Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト③

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「第六十四章 暗き道の探り手」「第六十五章 微熱帯の唸り屋」
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暗闇の中、ルドルフ二世謁見団はユニコーンを降りていた。ユニコーンの縄張りの外に出たのだ。
「六護式仏蘭西」と「M.H.R.R」の国境を越え、次なる“足”を呼び出す《人狼女王》。それは首なし馬の牽く馬車だった。
 《人狼女王》はリュイヌからの情報を表示枠(シーニャカドル)で見る。マクデブルクの機密会議では、「P.A.Oda」の大使からの降伏勧告が出されている。
条件は《マクデブルクの半球》および全資料の提出、「武蔵」の姫と「大罪武装」の供出であった。

 マクデブルクの《花園(アヴァロン)》の中。正純は松永・久秀の言葉を聞いていた。
 当然ながら交渉は決裂である。久秀は羽柴側が多面作戦で人手不足なので、「P.A.Oda」から借り出された部外者、決裂したという結果だけ持って帰ればいい。
 これで機密会議の議題は尽きた。閉会である。ここからは雑談になる。
 久秀は「武蔵」がマクデブルクを出た後、紀伊アラビア半島を通過する気か、と聞き、その場合、平蜘蛛型戦艦《シグサン》を出すぞ、と苦笑交じりで言う。
 「武蔵」が羽柴の歴史再現を進めるなら、そろそろ引退かな、謀反でもするかと誰にともなく言う久秀に、役目を終えたら「武蔵」に来るというのはどうか、と提案する正純。
 先日の軽食店のカウンターで酒を飲みながら、厨房の中で料理をしている全裸とエロゲの話をしている光景を思い出したのだ。
 馬鹿なことを言うなよと、また苦笑する久秀。自分は極道で破壊者で裏切り者だ。「武蔵」の評判が悪くなるぞと笑う。
 だが、本当にどうするつもりだ?国力ないだろう、と正純に問う。
 確かにそれは正純が実感していることだ。「六護式仏蘭西」や「P.A.Oda」の主力とやりあって、力不足なのはよく解っている。

 正純はこの場にいる皆に「武蔵」の今後の方針を話す。
 マクデブルクを出たら大阪湾を抜け、松永公の領土を通って「清・武田」の助力で関東に行く。
 そして、関東諸国を初め、「上越露西亜(スヴィエートルーシ)」「奥州シベリア未踏地域」も含めて、アリアダスト陣営に引き入れる。
 「武蔵」単体での国力ではなく、関係国との協働での戦力や発言力も総合的な国力だ。
 歴史再現を進めるため、「三方ケ原の戦い」を行う約束を「清・武田」と交わしている。これで「長篠の戦い」に進めば「P.A.Oda」の最後に一歩、近づく。
 さらに、「武蔵」自体の武装を行う。防衛のための戦闘は辞さない。傭兵の仕事もあるし、「末世」解決のため「大罪武装」を回収するには、戦闘という手段もカードにしなければならない。
 関東に行って、また戻ってくる時にはそれくらいの国力は揃えてくる、と約束する。
 巴・御前はこの言葉で、良き会議だったと閉幕を告げようとしたとき、ネシンバラからの通神が届く。

 「K.P.A.Itaria」と「M.H.R.R」の戦闘は終結した。
「厳島」浮遊島が撃沈され中央から真二つになったのだ。インノケンティウス《教皇総長》とガリレオは行方不明らしい。
ずいぶん情報が遅いな、と松永・久秀が言う。久秀はここに来る前に知らされていたらしい。
 そして、「P.A.Oda」「M.H.R.R」の大使として会議に来る前に、羽柴から会議終了時に伝えてくれ、と頼まれたことがあると言う。
 「マクデブルクの略奪」の開始を前倒しにする。開始時刻は本日、午後8時。今から2時間後に包囲戦士団3万人が突っ込んでくるというのである。

 午後6時12分、松永・久秀とスレイマン・顕如が主艦《シギサン》でマクデブルクを離れると同時に、旧派の《結界》でマクデブルク周辺の通神妨害が行われた。
 市内の通神は浅間神社とマクデブルク教導院の協働で復帰したが、外部と連絡が取れない。
 通神妨害前に「武蔵」との連絡は取れたが、まだ避難民を下ろしている最中だった。
 自力の飛行禁止を通達されている「武蔵」は、曳航されてマクデブルクに戻るのに8時間かかる。
 ネシンバラは非常事態宣言を出し、残り時間を防備の見直しと再構築に奔走する。

 午後6時30分。謁見団はルドルフ二世の幽閉の塔まで、あと30分の位置まで来ていた。残る1時間でカルロス一世《大総長》のメモを持って、マクデブルクに向かいたい。
 「武蔵」は停留時間を最短にするはずだから、そこで回収してもらわないと独力で関東に向かわなければならない。女装の馬鹿はネイトにもたれかかって熟睡している。点蔵とメアリも今のうちにと船を漕ぎ始め、点蔵の頭はメアリの胸に埋没して窒息しそうである。ネイトは後でマルゴットを呼び撮影させなければと考える。マルゴットは御者台で馬を操っていて、実家の仕事で慣れているらしい。
 《人狼女王》も御者台に座り、首無しの馬を制御する。「M.H.R.R」の土地勘のあるマルゴットは、魔法陣(マギノフィグーア)に風景画地図を出し、展望式視覚術式で観測した情報でナビゲートしていく。
 これは点蔵が「六護式仏蘭西」に落下する時に、既に最短ルートを割り出していたらしい。
 《人狼女王》とマルゴットは御者台で談笑を続ける。話題は「M.H.R.R」の神肖(テレビ)番組「世界の火刑ショー」だった。
 
 午後7時。「武蔵」は避難民の退艦を終え、物資の積み込みに入ったとのハイディの報告をホライゾンが受けていた。出港まで2時間。曳航される時間は8時間。マクデブルク到着は明日の午前5時。
 その頃には「マクデブルクの略奪」は終わり、「M.H.R.R」包囲軍と「K.P.A.Itaria」からの援軍が待ち構えているだろう。
 今、あそこにいるのは「武蔵」「六護式仏蘭西」「M.H.R.R」改派の重鎮ばかりだ。消すか保護するだけでも、今後の欧州の状況は変わるだろう。
 やりにくいな、と呟くホライゾンに、ハイディは“強欲”が入って少し変わったか?と聞く。
 トーリを助けに行こうとしたりしたのは“悲嘆”を得ないように“強欲”が焦っているようだと、ハイディは言う。
 そこにシロジロから商工団を抑え込んだと連絡が来る。「武蔵」への物資の積み込みは中止して、出港を2時間、前倒しするそうだ。避難民を下ろした輸送船を、そのまま仮設住宅としてここに残す。
 その輸送艦はすでにシロジロが買い取っていて、元の所有者はそれを元手に「関東IZUMO」で新型の輸送船を買うことになる。だが、すでに「関東IZUMO」の輸送船もシロジロが買い漁っており、売りつけた代金の差額が儲けになるという、鬼畜商売人である。
 だがそれでも10時間が8時間に短縮されたに過ぎない。

 いよいよ「M.H.R.R」主教導院A.H.R.R.S《皇帝総長》ルドルフ二世、登場。
 「第六十六章 鉄塔の見物人」「第六十七章 鉄塔の探索者」「第六十八章 鉄塔の管理人」
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 その鉄塔は基部の直径30m、高さは500m程あった。見晴らしのいい丘の上、周りには防壁のようなものはない。警備用の小屋と、小屋を囲む垣根があるだけである。
 《人狼女王》によると、ルドルフ二世《総長》はこの幽閉にノリノリでやって来たらしい。
 ルドルフ二世や弟のマティアスを輩出したハプスブルク家は「M.H.R.R」南部の領邦だけでなく、「三征西班牙」にも血筋を残す瑞西(スイス)出自の名家である。国家を超えて血筋で欧州を制覇しようとしていたらしい。
 対して「六護式仏蘭西」はブルボン家を王朝に確立して対抗した。

 そんな話をしている間に、女装した馬鹿が鉄塔に近づいていき、鉄塔の前の道にいる「M.H.R.R」の女子制服を着た女性と話し込んでいる。その背後の入り口にも女性の人影がある。
 どうもこの鉄塔。娼館のような雰囲気である。奥の入り口にいた長身の体格のいい女性は、来る者は拒まず、お慰めするなら早く行けという。
 中に入るのはひとりずつと言われ、いろいろ協議の結果、ネイト・ミトツダイラが鉄塔に登ることになった。

 夜の海。瀬戸内海で戦勝祝いをしているのは「M.H.R.R」の制服と「P.A.Oda」の制服を着た者達。
 聖譜独奏旧派(ツァーク・カトリック)と唯一協奏派(ムラサイ)で食事制限があるので、屋台は分かれている。女子グループが絡まれたり、殴り返したりして歓声を浴びる。
艦上で食事をしたルドルフ二世の弟、「M.H.R.R」A.H.R.R.S教導院《生徒会長》・ボヘミア教導院《副総長》マティアスは、同席した「P.A.Oda」《会計》前田・利家とおまつに、戦勝祝いの後、マクデブルクへ行くと話す。ちなみに《副総長》という役職は、各領邦の統治者であり「M.H.R.R」限定の制度である。
 マティアスは歴史再現に従い、これからルドルフ二世に謀反を起こさなければならないのだ。
 だが、ハプスブルク家の血は兄の方が強く引いている。ほとんど完成品だ。
 人はルドルフ二世のことを“狂人(ヴァージンニンガー)”と呼ぶ。
制服3

 鉄塔の中は床も階段も壁もすべて鋼鉄だった。階段を上っていくと、踊り場や展望用の廊下に肌も露わに、息絶え絶えの女性たちが臥している。喘ぐ息とか細い声で、“ルドルフ様、すてき”、“あんなに激しくされるなんて”、”身が崩れてしまいそう“と聞こえてきて、ネイトはちょっと後悔した。
 徒歩で500mの塔の階段を上りきったネイトの前に鉄の大扉が現れる。
 鍵のかかっていない大扉を開けて入ったネイトは、大量の血と体液の匂いを嗅いだ。これは豚や牛のものではない。人間のもの、しかも数人分はある。それに混じって、武器などに使う整備用の機械油の匂いも感じる。
 後ろに下がったネイトは、大扉が閉じられているのを知った。部屋は直径30mほどの広さで、中央には四方にポストを持つ鋼鉄の舞台があった。各ポストを結んでいるのは3本の鎖である。
 そして、その中央に立つ「M.H.R.R」の女子用制服を着た金髪の筋骨たくましい髭男が野太い声で言った。
 “私が「M.H.R.R」《総長》、ルドルフ二世よ――――!?“

 マクデブルクに向け出港した艦上で、前田・利家がマティアスに聞いていた。
 ルドルフ二世の“狂人(ヴァージンニンガー)”ってどういう意味なのか?
 マティアスは懐に爪削り用のナイフを収めながら答える。
 “あれはまあ、いろいろあるけど、兄はね?――本物の変態なんだ。”

 ネイトは狂人を目の前にしていた。女装のルドルフ二世にどう対処すればいいか、わからない。
 そして彼はネイト・ミトツダイラの身分を知っていた。「IZUMO」での対戦の神象放送を見ていたらしい。
 ネイトは「六護式仏蘭西」の依頼でカルロス一世《大総長》の残したメモを貸与してほしいと、要件を伝える。
 ルドルフ二世は一枚の羊皮紙を見せ、これが欲しいなら条件次第だと答える。
 ネイトは階段や廊下にいた女性たちを思い出し、自分の身体が条件なのかと聞くと、《皇帝総長》は答えた。“そう、身体を張って貰うわ。真剣に試合って貰うの。”
 次の瞬間、ルドルフ二世の姿が舞台上から消え、ネイトは背後から衝撃を受ける。

 ネイトは反応できなかった。吹っ飛びながら考える。今の攻撃は高速の掌底。女の柔かい手によるもの。この部屋の中に伏兵がいる?
 ネイトが見回す周囲の壁には様々な武器が飾られ、あちこちに武器ストッカーが置いてある。整備油の匂いはこれのものか。きちんと整備されていて、いつでも使えるように手入れされている。また背後から別の女の声がし、振り向くと逆方向から男の指で左腕を掴まれた。
 鋼鉄の舞台に叩きつけられたネイトは、この部屋に何人の伏兵がいるのかと考える。床に落ちる影から、背後に高速のバックハンドの貫き手を繰り出すが躱された。そこにいたのは塔の入り口にいた、体格のいい女性だった。
 正面からタックルしてくる女の顔面にカウンターで膝蹴りをぶち込む。だが《人狼(ルウ・ガルウ)》の脚力による膝蹴りを、女は耐えた。吹っ飛ばずに踏みとどまっている。逆にネイトの方が警戒して後ろに跳躍した。
 相手の顔面は崩れて顔筋が骨から剥がれかけているが、そのまま突っ込んでくる。ネイトは壁から3m程の鉄槍を取り、女に投げつけるが逆に当たりに来た。右の鎖骨から入った鉄槍が右脇腹に抜けるのを、そのまま背後に抜き捨てて走るスピードが落ちない。痛みを感じていないのか?
 ネイトは武器陳列ストッカーから大型ハンマーを取り、女の顔面にフルスイングする。左の武器ストッカーに激突する女に、さらにハンマーを打ちこみ続ける。女の全骨格が砕け、全筋肉が千切れるがネイトは攻撃を止めない。
 傍にある武器ストッカー群を15個ほどぶつけて、ようやく一息つく。
 しかし、舞台の方からまた別の女の声がした。その姿はトーリが塔の前の道端で話していた女だ。
 ネイトは床に落ちている長剣を拾い、女の伸びてくる貫き手に投げつける。長剣は指の間から上腕を貫き、断ち割るが、ネイトの目の前で傷口が高速再生されていく。そして、ネイトは信じられないものを見た。
 
 鉄塔の前で女装と人妻が、垣根の前にいた女と入り口にいた体格のいい女と話し込んでいる。
 上の方で騒がしい音がするが大丈夫だろうかと心配するトーリ。
 垣根の前の女は言う。“ルドルフ様を満足させることが出来ればいいのだけど。なにしろ、完璧な《狂人(ヴァージニンガー)》で変態なのだから”

 ネイトが見たものはルドルフ二世だった。鉄製の舞台に放り投げられたネイトは、四方に立つコーナーポストのひとつに立っている、女装の《皇帝総長》を見上げる。
 目の前に立つ男の正体。欧州本土よりも「英国」の魔物に近いのがいたはずだ。
 「変態野郎(シェイプ・シフター)」である。

 マティアスは前田・利家と話を続けている。墺太利(オーストリア)系ハプスブルク家は血筋で欧州の支配を目論んだため、多産な女を求めた。そして、長年の間、人体改造を繰り返し、如何なる種族とも交配でき、子供を産むときに死ぬこともない身体を持つ女。そして、無痛覚、高速再生、己が姿を望むものに変態する能力。それが完璧にできたのはルドルフ二世だけだった。
 マティアスは爪研ぎ用ナイフで自分の手を切って見せる。血が出て、少し痛みもあるがすぐに治っていく。マティアスは自分は失敗作なのだと自嘲する。
 眼下から歓声が聞こえるので見てみると、医療関係の船から片腕のない魚類系魔神族の九鬼・嘉隆が降りてきて手を振っている。
 マティアスは話を続ける。兄は自分が人間ではないのではないかと思い、神を知ろう、近づこうと魔術(テクノマギ)を学び、さらに自分を強化した。マクデブルクに自ら幽閉されに行ったのは、改派領邦なら「英国」と交流を持っているからだ。本物の「シェイプ・シフター」や異族の勉強をするために。
 マティアスは兄から教わった方法だと、持っていたナイフを自分の胸にしまう。深く突き刺す方法で。

 ルドルフ二世は背中から長剣を取り出す。背負っていたのではない。体に埋め込まれていたのだ。
 その剣で右手首を断ち落とすが、落ちた手首は分解されていき、血煙のようなものが手首に戻っていく。一度、右手を振ると手首が元に戻っていた。術式系の分解再生加護かと問うネイトに、今度は首の呼吸器系、循環器系を切断し、この身体に呼吸も循環も飾りのようなものだと告げる。
 そして、その姿が次々と変わっていく。階段の踊り場や廊下にいた女たちの姿に。

 トーリたちと話している女たちは元・暗殺者だとは言う。この鉄塔にいる112人の女たち全てがルドルフ二世を殺しに来た女たちで、毎日、毎時間、試合っていると話す。全力で戦っても敵わないが、お互いに鍛え合い、ルドルフ二世は自分たちの身体で、自分たちの技をより上手く使うのだ。

 ルドルフ二世は痛みを感じない身体と、形式だけの《皇帝》という身分を疎んでいた。これから「M.H.R.R」は大変な時期になる。自分は消えて、頭の良い弟のマティアスが《皇帝》になるべきだ。だから、自分は死ぬことにするとネイトに言う。
 不死身のルドルフ二世が実際に死ぬことは出来ない。ならば“死んだ”ことにするのだろう。
 ネイトは考える。ここはマクデブルク近郊で、もうじき、「マクデブルクの略奪」が起きる。だが包囲戦士団でも、南西にはずれたここまでは来ないだろう。だが、ここを戦場にする方法が一つある。
 ネイトの母は何故、自分たちを先導してここに来たのか? 何故、いまだ帰還せずにいるのか?
 「六護式仏蘭西」は越境して「マクデブルクの略奪」を攻撃するつもりだ。《人狼女王》はここで「六護式仏蘭西」の部隊と合流するつもりなのだ。
 そして、それは今まで睨み合ってきた「六護式仏蘭西」と「M.H.R.R」が本格的に「三十年戦争」に突入することを意味する。二大教導院が「ヴェストファーレン会議」に向かって動き出したのだ。

 午後7時。マクデブルク市の大聖堂前。アンヌ・ドーットリッシュは正純、浅間・智、ゲーリケに「マクデブルクの略奪」に「六護式仏蘭西」が介入することを話していた。
このことはゲーリケも知らなかったらしい。
 本来、「六護式仏蘭西」の計画は「M.H.R.R」旧派の包囲軍を叩き潰し、それを「マクデブルクの略奪」と解釈する案。義勇団として参加して非難を受ける案もあった。昨日、「IZUMO」に主力艦隊を展開したのは、その布石だった。だが、「K.P.A.Itaria」の敗北と、松永・久秀の手引きで「武蔵」がここに来たことで事情が変わった。
 まず「武蔵」が「P.A.Oda」に対抗できるか、手並みを見ようということ。
 そして、「K.P.A.Itaria」が陥落したことで「聖譜連盟」の盟主が必要になった。「マクデブルクの略奪」が前倒しになり、「武蔵」が間に合わなくなった以上、「六護式仏蘭西」が最初から介入することで。“救いの手の英雄”というイメージが得られる。
 《マクデブルクの半球》は「武蔵」との共同開発になっているが、「武蔵」到着が間に合わないので、「六護式仏蘭西」艦隊で預かり、開発には「六護式仏蘭西」も加わらせてもらうと、アンヌは申し出る。
 ゲーリケにも正純にも異論はない。
 「六護式仏蘭西」艦隊の到着は、略奪開始の30分前。午後7時30分の予定である。

 同時刻。《人狼女王》テュレンヌ公は点蔵たちに、同じことを告げていた。通神封鎖されているマクデブルクから“夜鳥の精霊の手紙”で連絡が入るのだ。
 「武蔵」が戻るのは明日の未明。「六護式仏蘭西」艦隊の到着が略奪開始の30分前。15分で展開をして、先制攻撃を仕掛ける。先制せず包囲戦士団を街に入れれば、15分で制圧されるだろう。
 しかし、「M.H.R.R」も一度撤退したら「K.P.A.Itaria」方面から援軍が来ても、「六護式仏蘭西」を引き入れたマクデブルクを落とすのは難しい。この15分はどちらも引けない戦いになるはずだ。
 ルドルフ《皇帝総長》は「六護式仏蘭西」と結んでいた。「六護式仏蘭西」の突入で“死んだ”ことになるのならば、カルロス一世《大総長》のメモを手に入れる機会は今しかない。それが点蔵たちがここに居る理由だ。

 ルドルフ二世は、あと30分だけこれを奪う機会を与えると、懐から羊皮紙を出す。それまでに痛みを与えて奪い取れなかったら、「六護式仏蘭西」突入前にここを出て「英国」にでも行くと告げる。
 ネイトに残された時間は30分。このミッションに失敗すれば他国の「武蔵」に対する評価が地に落ちる。
 すべては自分にかかっている、と考えたネイトにルドルフ一世の攻撃が来た。

 次回、《銀狼》VS“変態”の戦い、決着! マクデブルク攻防戦がいよいよ始まります。
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 Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト④につづく。」」

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第244回 極北クレイマー

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

海堂尊「極北クレイマー(上)(下)」
極北クレイマー

 桜宮サーガ極北編です。舞台は北海道極北市。
 「イノセント・ゲリラの祝祭 」で語られた「北」の事件ですね。
 経営難にあえぐ極北市の市民病院に破壊神・姫宮香織が潜入してきます。
 真冬に「氷姫」に降臨された病院はたまったものじゃない(笑) 1日で制圧された極北市民病院。
 肩書き長いね「厚生労働省大臣官房秘書課付医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長補佐」って(笑)

 しかし、真の暴風はブリザードの去った後に起こった。
 桜宮警察にいる”無声狂犬(サイレント・マッドドッグ)”斑鳩の指示により、医療を司法の下に置くべく産婦人科の医師が逮捕される。
 碧翆院にいた南雲杏子ってスパイだったの?、
 桜宮三姉妹なんてワイン、あるんですか?
 謎の医療ジャーナリスト西園寺さやかの目的はなんなのか?

 一番、とばっちりを受けた語り部・今中医師の電話相手に、極北救命救急センター 副センター長、《ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)》速水晃一が登場します。
 
 モデルになったのは夕張市の市民病院ですが、ヒッターには偶然にも夕張市に親戚がいて、従姉妹が看護士として勤めています。(誰かのモデルになったか?)
 やはり他の地方の病院と比べても人員不足で、交代勤務でも頻度が多いと言っていたのが記憶に残っています。

 行政担当者の立場、病院の経営者の立場、医師の立場、患者の立場、医療事故で死んだのかもしれない遺族の立場。
 どれから見てもそれぞれに正義はあるので、一度対立すれば和解はない。

 この極北編は次作の「極北ラプソディ」で完結しますが、読むのは文庫化待ちですね。(貧乏人なので)

 次は「南」の事件「アリアドネの弾丸」に進む。
 
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第243回 エヴァンゲリオアン 新劇場版:Q

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

金曜ロードショー 
 11/17の「エヴァンゲリヲン 新劇場版:Q」の上映に先立ち、金曜ロードショーで11/9に「序:YOU ARE (NOT) ALONE」、11/16に「破:YOU CAN (NOT) ADVANCE」+「Q:YOU CAN (NOT) REDO」の冒頭6分38秒が放映されるようですね。
 まあ初日に見に行くと混雑しそうなので、翌週の平日に行こうかと思ってますが、八戸フォーラムでやたらでかいおっさん(身長190cmくらいの錦鯉の絵柄のキャップを被ったポニーテールの)が観に行ってたらヒッターだと思ってください。
 エヴァって1995年放映だから、今の高校生なんかリアル観てないのね。
 


 これ、実現してればな~と思ったり’まだ製作中?)

eva.jpg

REY
初号機
2号機
実写
どうせパチンコになるんだろうな


うっぷ、乙

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第242回 境界線上のホライゾンⅢ(11)

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

川上稔「境界線上のホライゾン Ⅲ(下)」 Horizon on the Middle of Nowhere :
 Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト②
 
 今回は書き込む時間が無くて1章分のみ・・・
 マクデブルク機密会議、後半戦に突入。

 「第六十三章 共同体の抵抗者」
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 巴・御前は正純とマザランに向かって告げる、
 「武蔵」と「六護式仏蘭西(エグザゴン・フランセーズ)」が一方的に友好を結んだら「M.H.R.R(神聖ローマ帝国)」には救いがない。
 「M.H.R.R」改派は「マクデブルクの略奪」において旧派と対立するが、根本的には「M.H.R.R」の改派(プロテスタント)領邦と旧派(カトリック)領邦の共同体である。利害が一致しているから、これまで敵対していなかったのだ。
 ここで「武蔵」が「六護式仏蘭西」と友好の証として「M.H.R.R」旧派と敵対すると、それは「M.H.R.R」自体に被害が及ぶのと同義である。よって、この友好関係は「M.H.R.R」改派にとって遺憾とする。
 
 ここで正純のサポーターから、“こんな面倒くさいババアは無視して話を勧めろ。”と通神(チャット)が飛んでくるが、ヴェストファーレン会議は「M.H.R.R」で行われるのだから無視はできない。
 ほぼ皆が「あぁそうだった」と言うのを、ネシンバラは自分は気がついていたよ、と言う。そこにシェイクスピアが、“また見栄を張って”と割り込んでくる。
なんで機密会議の実況通神(チャット)に、「英国」の「女王の盾符」が混神してくるんだという騒ぐネシンバラ。
 浅間・智が改派の都市だからと「英国」と通神を開いていたらしい。
 「英国」の国教、英国聖譜協奏派(アングリカンチャーチ)は組織論では旧派、信仰基準は改派というハイブリッド宗教で、どちらかというと改派寄りである。
ネシンバラも切るように頼めばいいのに、内心はシェイクスピアとの決別は望んでいないのだろうと正純は思う。
 「M.H.R.R」の改派と旧派も同じようなもの。内部抗争はしても外敵との抗争には一致団結する。
 「マクデブルクの略奪」で旧派が一線を越えたことが原因で、対立が決定的になるのだが、旧派の損害は改派の負担にもなる、そうして「M.H.R.R」は敗戦に向かっていく。
 ゆえに「武蔵」が旧派に敵対するのをやめろと言っているのだと、ネシンバラは解説する。
 もしやめなければどうなる?と里見・義康(ヨッシー)が尋ねる。
 義康もいつの間にか3年梅組の通神網(ネット)に参加したようだ。
 義康を初見だったシェイクスピアが“だれ?”と尋ねると、葵・姉は“長寿族で貧乳で他校の《生徒会》関係者で現在「武蔵」在住”と答える。なんて危険な発言だと喚くネシンバラに、ちょっと調べてくると言うシェイクスピア。国際問題を起こすなよと頼み込むネシンバラ。(笑)
 義康が話を戻せと言うので、正純が答える。“やめなかったら、ヴェストファーレン会議で「M.H.R.R」改派の支持を失う。最悪の場合、同調した「阿蘭陀(オランダ)」など改派諸国を敵に回すだろう”
 
 「武蔵」はヴェストファーレン会議において戦勝国側に付きたい。それも戦勝国側に恩を売る形で。
 「大罪武装」の回収や「聖譜連盟」からの脱却など話が通しやすくなるからだ。
 ここで問題なのは「M.H.R.R」旧派が羽柴勢と結びついているからである。今朝の威力偵察で既に「武蔵」は「M.H.R.R」旧派と「P.A.Oda」を敵に回した。
 正純は考える。羽柴と「M.H.R.R」旧派を分離する、非常に危険な解決方法を。

 正純は「M.H.R.R」改派代表の「M.H.R.R」生徒会《書記》、巴・御前に問う。これは漠然とした提案であると前置きして、「M.H.R.R」旧派と羽柴を完全に分ける策があるが聞きたいか? と。
巴・御前とスレイマンはその提案を促す。
 正純の提案は、“ヴェストファーレン会議前に「武蔵」及び極東勢が羽柴勢を滅ぼす。”というものだった。
 これは羽柴と敵対する歴史を持つアリアダストだけが可能な方法であり、ヴェストファーレン会議より先に羽柴が亡べば、会議の席で「P.A.Oda」を気にせず、戦勝国も戦敗国も主張を通せるはずだ。

 笑い声が響く。笑っているのはスレイマンだ。
いや、今の案を笑ったのではないと言うスレイマン。では、何を笑ったんだろう?と訝る正純。
 正純が面白かったのか?と阿蘭陀(オランダ)でなにかギャグをやって見せろという梅組メンバー。 
 “阿蘭陀のチューリップは誰も手折らんだろう”で笑ったのはヨッシーだけだった。まだ「武蔵」に慣れてないらしい
 これは発案であって、方法は模索しなければならない。なにしろ、羽柴は最後を戦闘ではなく、往生で迎える。だが、方法はある。羽柴の歴史再現を終わらせればいいのだ。

 里見・義康は「三河」で起きた松平の《姫》に対する“死の強制”を思い出していた。神啓筐体(ラジオ)から流れる「武蔵」の《総長兼生徒会長》が橋上での《副生徒会長》との相対を追えて、階段を下りて行った時、あの男、義頼がひとり出て行ったことを。
 里見・義頼は、葵・トーリの決断を見て何かを思ったのだろう。姉の墓に新しい花があるのを義康は見たのだ。あの男が興味を持った「武蔵」ならば、「武蔵」が行うのは歴史再現による誰かの犠牲ではないはずだ。
 それが「武蔵」の姫、副王ホライゾン・アリアダストの意志であり、皆の総意なのだから。
 羽柴がこれ以上、歴史再現を行えないようにする。そこまで状況を進めれば、歴史から羽柴を切り放つことが出来るはずだ。

 巴・御前はこの提案に内心、苦笑していた。
 ヴェストファーレン会議前に羽柴を取り除ければ、「M.H.R.R」改派は旧派に対し有利に動ける。
 会議では羽柴を引き入れた現《生徒会長》マティアスをスケープゴートにすれば、被害者としても振舞うことが可能だ。
 だが、巴・御前は昔のことを思い出していた。かつて自分たちがスケープゴートにされたことを。
 源平合戦の時代、夫の源(木曽)・義仲と共に、義経や頼朝たちと手を組み、平家を討伐した。
 自分たちは荒っぽくて、京でも乱行をしていた。
 そのうち、義経と頼朝は不仲になるが、力を付けていく源氏は貴族たちから疎まれ始めた。
 いくつかの問題のスケープゴートの意味で、京に入った義仲一派は義経に討たれた。
 義経を恨んで関東大陸に渡り、「元」に戦いを挑んで何度も反義経の旗を立ち上げる。最後に選んだのがこのマクデブルクだった。ここが東からの騎馬民族に立ち向かう、欧州側の前線基地だったからだ。
 今でも時々、義経とは顔を合わせる機会があるが、こちらを煙たがって喧嘩を売ってくるのは、自分を恨んでいいのだと言っているのだろう。あれは歴史再現の流れだったのだ。
 ならば、自分はマティアスをスケープゴートには出来ない。だが、血を流さず改派と旧派をまとめるのは至難の技だろう。では、自分には何ができるのか。
 巴・御前は正純の提案を“可能性の一考に値する”と評する。

 ヴェストファーレン会議まであと4か月。
それまでに羽柴を終了させられるかは、「武蔵」側の問題だ。それを見守り、出来ない時は叩く。
これで良いかと巴・御前は「六護式仏蘭西」側の二人に問う。
 アンヌは、羽柴が早期につぶれれば毛利側の負担が減り、「関ヶ原の決戦」でもルイ・エクシブや輝元と「武蔵」が友好的であれば、いろいろ手が打てるので問題はないと言う。
 マザランも、羽柴への服従期間が短ければ搾取されるもの減るし、関ヶ原でアリアダスト側とのコネや談合が使えれば経済的だと、《会計》らしい意見である。
 だけど、この案には3つの問題があるとアンヌが言う。
 羽柴の歴史再現には多くの武将が関わっている。“羽柴“だけ進める訳にはいかないはずだ。下手をすれば「極東」全てを巻き込む大戦争になる可能性がある。
 そして、どこから手を付け、進めることが出来るのか検討されていないこと。
 最大の問題は「武蔵」にそれを成す国力があるかどうかだ。

 ここでアンヌは、松永・久秀に問う。この会議の内容を信長に伝えるのだろう。今朝の「武蔵」への威力偵察は「P.A.Oda」に関わるとどうなるか、という警告だろう。それも、羽柴の指図で行われたはずだ。
では、この会議で「武蔵」が敵対にまわることを読んでのことだったのか。正純は青ざめる。
アンヌはさらに続ける。 今朝の状態では“羽柴”を終わらせる前に、親玉の“織田”を先に終わらせることが出来るのか疑問であると。
 信長はいまだ姿を見せないが、重鎮たちの信頼が固い人物。その「創世計画」の全貌は謎に包まれ、《ステルス結界》に包まれた琵琶湖では、巨大建造物の工事が行われているらしい。
 そして「英国」で前田・利家が見せた《二境紋》。「P.A.Oda」は“公主隠し”について、何かを知っている。
 浅間・智の走狗(マウス)ハナミが送っている情報にネシンバラが反応した。「六護式仏蘭西」の前《会計》リシュリューのことを聞いてほしいと。
 現《会計》マザランに引き継ぎをしている最中、忽然と消えたリシュリュー。それは「三河」で榊原・康政が消えた時と同じである。では、何かメッセージが残っていなかったかと聞く正純。
 それを聞いたアンヌは、「極東」でも“公主隠し”が起きていることを信用する。“公主隠し”は完了するまで、わずかの間がある。その間にメッセージは残せるのだ。
 これを知っているだけで本物だとアンヌは判断した。
 
 アンヌは語る。かつて、リシュリューは襲名前、高等部に在籍していた頃、3年ほど行方不明になったことがあった。それは、「英国」で点蔵とメアリから聞いたヘンリー八世、キャサリン王妃、アン・ブーリンが襲名前に1年ほど行方不明になった事件と重なる。
 そして、リシュリューの残せたメッセージとは、“公主には親がいる”だった。しかもそれは「六護式仏蘭西」弁ではなく、「極東」語で書かれていた。
もう一つ、重要な情報があった。アンヌはリシュリューが行方不明になっていた時、どこに居たのか尋ねたことがあった。そこは、“どこにもない教導院”だったというのだ。
 この二つの有益な情報の提供に、正純は礼を言う。

 話を戻して、「武蔵」の対羽柴戦略は「P.A.Oda」との衝突を免れない。どうするつもりかとアンヌは言う。
 それはやってもらわないと困る、とスレイマン・顕如は正純に告げる。彼の目的は「P.A.Oda」への復讐であり、ムラサイの聖地、比叡山の奪回だ。そのために松永・久秀とも交流を保っていた。
 ここで「「P.A.Oda」《紀伊半島管轄》、ムラサイ諸派連合《総長》松永・弾正・久秀が発言する。
 現在、羽柴麾下に臨時で組み込まれ、大使として彼がここに来た理由。それは「マクデブルクの略奪」に対し、条件付きで降伏する意思があるかの確認だった。
3-11.jpg

次回、トーリたちはルドルフ二世の幽閉されている塔に着いた。
だが、ルドルフ二世は“変態”だった。ネイト危うし!!
そして前倒しに始まる「マクデブルクの略奪」はどうなるのか?

おたのしみに(^^

制服1

Episode Ⅲ-Part 3 適当ダイジェスト③につづく。

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第241回 蔵書管理10月

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

蔵書管理 2012.10 月イチの個人ネタ。単なるメモである。10月読んだ本をチェックする。
 ACCCESSデータベースに登録した蔵書は2012年10月31日で 20,719冊(先月増+48冊)となった。
 
 内訳は
 小説  6,466 冊
 コミックス 13,816 冊
 エッセイ、NF他 437 冊 である。

 いつもより少ないのはWeb版SAOを読んでいたため。
 境界線上のホライゾンⅢのダイジェストをまとめたりして、本を読む時間が足りなかったのも原因。

・11月の予定
 小野不由美さんの「十二国記」を読もう。10月は読めないうちに4冊溜まってしまった。
 
 全然読み出せない夢枕獏さんの「大帝の剣」全5巻もそろそろ。

 「FATE/ZERO」全6巻のうち残り4巻。3巻がどこに行ったのか見つからない。

 ペリーローダンが11月は437巻まで出ちゃうので、未読の423巻以降を追いつかねばならない。
 
 北方謙三さんの「史記 -武帝紀ー」全7巻。

 松岡圭佑さんの「万能鑑定士Q」シリーズは12巻まで買ってあるはずなのに、7巻が見つからず、続きを読み出せない。
 「特等添乗員α」も2巻が読めないでいるのに「万能鑑定士Q」短編集を買ってしまった、

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 気になるリンゴ

気になるリンゴ
 
 「ラグノオ」さんの御菓子です。青森産「ふじ」をシロップに漬け、まるごとパイで包んだアップルパイ。
 ひとくちでどうぞ。
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今月は[エヴァンゲリオン 新劇場版Q]を見に行かなきゃな。事前に勉強を


ジャイアント・インパクトについてはブログ第9回参照。

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