まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第2120回  アリスマ王の愛した魔物

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小川一水「アリスマ王の愛した魔物」

 2011年第42回星雲賞日本短編部門受賞作「アリスマ王の愛した魔物」を含む短編5作を収録。

 ・ろーどそうるず
 「第1183回 NOVA3」で感想は書いたから割愛。

 ・ゴールデンブレッド
  「THE FUTURE IS JAPANESE」への書き下ろし作品。
 タタミ・マット、フスマ・ドア、ショウジ・サッシ、チャブダイ・テーブル、テヌグイ・タオル、ハカマスカート。
 こういう表現なら外国でも通用しますよね。
 異なる文化圏での生活は辛いものであす。
 なかなか面白い設定でした。

 ・アリスマ王の愛した魔物
 これも「第1166回 結晶銀河」で書いたな。
 「結晶銀河-2010年 年間日本SF傑作選」の収録作。
 ヒッターはこの収録作品中の第2位に推している。

 ・星のみなとのオペレーター
 小惑星イダの宇宙港管制通信士(オペレーター)のすみれちゃん。スペルはSmileちゃんですか。
 突然の太陽系に飛来し始めた銀河腕由来の宇宙ウニの大群。
 すみれが宇宙港の片隅で見つけた三角錐(コーン)生物は何者なのか。

 これは面白い。
 人類対ESL(太陽系外生命体)宇宙ウニの戦いは意外な仲介者によって収束した。
 すみれちゃんもお幸せに!

 ・リグ・フライト -機械が愛する権利について
これは良い話だ。
 亡くなった祖父の遺産分配で自動運転ランク3の乗用車を受け取った四季美さん。
 しかし、その車にはおまけが付いていた。
 ランク3+というカテゴリの女性型運転ロボット・アサカも引き取るハメに。
 自律型AI誕生の物語。
                アリスマ王の愛した魔物
 どれが一番か決められないほど面白い短編集でした。
 いままでアンソロジーでしか短編を読んでいなかったが、短編も上手い作家さんですね。
 まだ手をつけていない長編「コオロギ缶から木星トロヤへ」も読んでみようかな。
 「天冥の標」最終部の早う出してね。

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第1702回 天冥の標(13)

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小川一水 「天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART2」 

            天冥の標 Ⅸ-2

 前方には《カルミアン》の母星を攻撃する複数の強大な星間航行種族の戦闘領域。
 後方からは太陽系から300年かけて追ってきた《救世群(プラクティス)》殲滅艦隊。
 植民地メニー・メニー・シープでは《ドロテア・ワット》からの電力供給を絶たれ、寒冷化が進んでいた。
 いま、すべての事情を知った人々は持てる力を結集しなければならない。

 かつて《救世群(プラクティス)》に対抗する六つの勢力があった。
 《連絡医師団(リエゾン・ドクター)》
 《宇宙軍(リカバラー)》
 《恋人(プロスティチュート)》
 《亡霊(ダダー)》
 《石工(メイスン)》
 《議会(スカウト)》 


 第1巻で語られたことが、この巻で回収されましたね。
 いや~長かった。(笑)

 最終巻となる第10部は何冊になるかわからないが、2018年刊行のようです。
 いやはやあと2年も待たされるとは、罪作りな小川さんです。
 この間に未読の作品を読んでいこう。

             天冥の標 X

第1391回 天冥の標(12)

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小川一水 「天冥の標Ⅸ ヒトであるヒトとないヒトと PART1」 

 太陽系人類は滅びていなかったのか。
 西暦2804年1月。二惑星天体連合軍の偵察部隊と接触したカドム・セアキ達。
 だが300年も経ってから星連軍がメニー・メニー・シープを探っていた目的はなんなのか。
 ついに準惑星セレスの地表で墜落したジニ号を発見する。

 明かされる《救世群(プラクティス)》の目的。
 彼らは元の身体に戻りたいだけのだ。向うのは《カルミアン》の故郷、ふたご座ミュー星。
 300年前、「ブラックチェンバー」の少年少女たちの間に子供が生まれ始めた理由。
 それは準惑星セレス南極に降着した《ドロテア・ワット》が1G加速を始めたからだった。
 《救世群(プラクティス)》最終皇帝ミヒロは殖民地メニー・メニー・シープに関わっている暇はないと、《恋人たち(ラバーズ)》のゲルトールトに告げる。
 もっと重大な戦線に力を注がなければならないからだ。
 
 ミスン族の《カルミアン》の女王リリーに連絡をしてきた超(イス)ミスン族の女王もなにやら厄介事を抱えているらしい。
 《海の一統(アンチョークス)》から《不滅の一統(アンチ・エックス)》へと変貌するアクリラ・アウレーリア。

 人類の遺伝子を運ぶ巨大な《方舟》と化した太陽系最大の準惑星セレスを追う、528億8千万5千30隻の星連軍戦略追跡艦隊。
 三つの戦闘艦群。
 小惑星パラスを旗艦とする質量40億トンのシュガーコーン級戦略尽滅艦8千万隻。
 小惑星ジュノーを旗艦とする質量4千万トンのシガレット級前方掃討艦3億7千5百万隻。
 小惑星エウノミアを旗艦とする質量100万トンのキューブ級機動対応艦75億隻。
 それぞれの艦群に質量1万トンの砂糖粒(グレインズ)級小型防空艦が50億隻ずつ加わる。
 三つの補助艦群。
 アントレット級郵便艦100億隻。アッタ級分泌母艦100億隻のそれぞれ砂糖粒(グレインズ)級小型防空艦が50億隻ずつ加わり、艦隊全体にスバル級天文探究艦5千隻が分散している。

 逼塞してメニー・メニー・シープの人類と《救世群(プラクティス)》を守護してきた《ダダー》の副意識流(サブ・トリビュータリ)は、300年ぶりに太陽系人類を護ろうとしてきたもう一つの副意識流(サブ・トリビュータリ)と接触した。
 だが分化した二つの《ダダー》のノルスカインはそれぞれの主張を持ち、この宙域での主意識流(メイン・トリビュータリ)への統合を断念し並存する。
 そして、セレスを追ってきた艦隊はその前方ふたご座ミュー星域で、赤色巨星を操作して戦っている複数戦力の宇宙戦争を観測してしまった。
 減速に入っていたセレスの《救世群(プラクティス)》もその一部と交戦を始めていた。
           天冥の標Ⅸ PART1

  第9部前半ということで、新たな展開になってきました。
 もともとはオムニフロラの脅威に対する共同体制をとるために派遣された《カルミアン》の一群だったはず。ミスチフの思惑とノルルスカインの思惑が交差し、悲劇の連鎖が続いてきた。
 しかしこれは宇宙の各所で起きている事象の一つに過ぎない。
 はやく後半を読みたいものです。

第1381回 天冥の標(11)

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小川一水 「天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART2」

 6500万年前、非展開体ミスチフは超流動植物を基幹とする生態系に遭遇し、オムニフロラと名付け、その生存戦略に同調し、眷属となった。
 亜光速で宇宙のすべての方向へ拡大していくオムニフロラの支配宙域は球形となり、直径が2倍になるとその表面積は4倍になり、そのすべてが捕食の対象であり敵でもある。
 だが球形の内側の体積は8倍になるため、戦力的には倍するが、いつかそれは破たんする。
 球体の膨張表面からの情報波動が広がるにつれ、徐々に敵は増えてくる。
 ミスチフは無限に他の存在を食い尽くすのではなく、攻め滅ぼすことのない共拡散(コーエクスパンション)の道は無いかと可能性を模索する。

 植民地《メニー・メニー・シープ》の太陽が消えた日。《咀嚼者(フェロシアン)》の攻撃に《領主(レクター)》の軍勢が敗北した大閉日(ビッグ・クロージング)。
 政権を奪取した人々は、この閉ざされた世界の真実の一端を知り始めた。
 徐々に《救世群(プラクティス)》への抵抗の準備を始める人間、《恋人たち(ラバーズ)》、《穏健な者(カルミアン)》だが、その過程で“冥王班”ウィルス感染者も増えていく。

 《救世群(プラクティス)》はどこから来たのか?
 300年前の記憶を求め、シェパード号を探す《恋人たち(ラバーズ)》のラゴス、セアキ・カドム、イサリ達は遥かな高みにある天蓋を越えて、セレス北極シティを目指す。
 立ち塞がる倫理兵器(エチック・ウェポン)。謎の目的でセアキ・カドムらを追う二人組の男。


 この第8巻で第1巻との円環が閉じた。
 滅びた太陽系人類のほんのわずかな生き残りは、オムニフロラに対抗する恒星間知性体群のストリームへ進化していくのだろうか? 
 この作品には光速度という制限があり、情報は光の速さを越えて伝わることは無い。
 よってオムニフロラ抵抗戦線には、互いに協力し合うという選択肢は非常に限られており、必ず先制攻撃を受けることになる。
 残り2巻だが、この先の展開に興味津々である

               天冥の標Ⅷ PART2

第1330回 天冥の標(10)

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小川一水 「天冥の標Ⅷ ジャイアント・アーク PART1」

 いきなり断片89に飛びましたか。
 光速の何割かの速度で文明を停滞させていくオムニフロラの猛威と、それに抗う数万の銀河団、数十兆の星間文明。
 その伝播方法から大空隙(ヴォイド)は渡れないはずとされていたオムニフロラは、その方法を見つけたらしい。
 大銀河壁(グレート・ウォール)沿いの恒星間知性体ネットワーク・ストリームの中で目覚めた、ある銀河辺境の太陽系の意識流(トリビュータリ)に告げられたのは?

 此処から第1巻の陰に隠れていた物語が始まります。各章には(B)が付けられています。

 西暦2903年。皇姉イサリ・ヤヒロ(矢広勇理)は300年の冷凍睡眠から目覚めた。
 なぜ妹のミヒル(美昼)は自分を冷凍睡眠させていたのか?
 変貌した《救世群(プラクティス)》社会は準惑星セレスの南極に着陸し、その奥深くへ《ドロテア・ワット》を沈降させていた。
 殖民地メニー・メニー・シープにおける《偽薬売り(ダダー)》のノルルスカインの孤立(ローン)ストリームは、この《ドロテア・ワット》から電力を奪いながら、《救世群(プラクティス)》の侵攻と闘い続けていた。
 しかし、ついにその均衡は崩れた。
 
 ここまでが第1巻の裏事情ですね。PART1の大半はこの説明に費やされています。
 硬殻体(クラスト)と《穏健な者(カルミアン)》の共感覚により、すべての事情を知ったイサリ。
 終盤で物語は動きはじめます。

 フェオドールの復活が嬉しいですね~
 ついに本性を現した《休息者(カルミアン)》。
 そしてあのメイドロボット・カヨも真の正体を現した!

 PART2へ続く。
              天冥の標Ⅷ PART1