まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第2112回 悲嘆の門 下

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宮部みゆき「悲嘆の門 (下)」

 第4章 狩猟(承前)

 守護戦士ガラと取引をし、〈言葉〉を観る左目を得た三島孝太郎は、ひとりの殺人犯を狩った。
 いや、殺人犯の〈渇望〉をガラに引き渡した。
 それは復讐であり、やってはいけない事だと元刑事・都筑は怒る。
 
 復調した都筑と分担して連続切断魔(シリアルキラー)を追うふたり。
 第1の事件が起こった苫小牧で、都筑はガラの示唆で犯人を知った。だが、それは元・刑事としての職分を超えないもものだった。
 しかし、戸塚の第4の事件を負っていた孝太郎は、人の記憶が形作る〈言葉〉の影響を受けで暴走し始める。

 時が経つにつれ、5つの連続切断魔事件の全容が見え始めた。

 第5章 悲嘆の門
 
                 悲嘆の門 下

 母親を失った少女の傍に、光り輝く娘を見守る母親の〈言葉〉を観た孝太郎はガラに左目の力を返した。
 それで〈輪(サークル)〉との関わりは絶たれるはずだった。
 だが孝太郎は既に〈怪物〉へと成り果てていた。
 恐ろしい牙で人の首を食いちぎる快楽を知った孝太郎は、ガラと共に〈輪(サークル)〉へと旅立った、

 うーん、人の記憶が形作る「本性」なんか観るものではないですね。
 絶対に気が狂っちゃいます。
 ラストまで読んでホッとしました。あのまま終わっていたら、この本を窓からぶん投げていたでしょう。  

 人にこの本を貸すときは、「この〈物語〉には毒が含まれています。」と断ってから貸しましょう。 
 だけど、最後に「希望」があると付け加えて。

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第2102回 悲嘆の門 中

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宮部みゆき「悲嘆の門 (中)」

 しまった。これは『英雄の書』の続編的なものだったのか。
 そちらを先に読むのだったが、仕方ない。このまま読んでいこう。

 第3章〈輪(サークル)〉と戦士
 廃ビルの屋上で三島孝太郎と元刑事・都筑は「精霊(すだま)の生まれ出ずる領域(リージョン)」から来た戦士ガラと遭遇した。
 2mを超える長身と双瞳の左目、白き貌と漆黒の翼と巨大な死神の大鎌を携える美しき守護戦士。
 この有り得ない状況をなんとか受け止めようとする二人。
 守護戦士ガラはある目的のため、森永や老人たちをその大鎌の中に封じていると言うが、悪意はないと告げる。
 だからこのことについてはなにも追求をするな。ガラのことを追うならば刈らねばならないと言った。
 元・刑事の都筑は〈罪を漁る者〉の業を〈清め〉られ、精神状態が変わってしまった。
 都筑が孝太郎のことをまだ子供だと庇ったためか、孝太郎は見逃された。
 その不満を抱えたまま、孝太郎は誰にこのことを語れなかった。そして誰かを巻き込まないために一人でネットに情報を求めた。
 〈領域(リージョン)〉、〈輪(サークル)〉、〈言葉という精霊(すだま)〉。
 この耳慣れない言葉を知っているものはいないか、と。

 季節が変わり、大学2年になった孝太郎の元に、森崎友里子という美少女が訪ねてくる。
 〈狼〉を名乗る友里子は孝太郎に〈言葉の始原の地〉の〈物語〉を語った。

 第4章 狩猟

 第5の被害者の情報に揺れる「クマー」。
 犠牲者の証拠品とともに犯行声明をマスメディアに送りつけた連続殺人犯(シリアルキラー)。
 三島孝太郎はある決心をした。守護戦士ガラは〈言葉〉の流れを読む。守護戦士ガラは〈渇望〉を集めている。
 孝太郎がガラと取引した事とは?
 
             悲嘆の門 中
 なるほど、『ドリームバスター』系の話だったのか。
 先だって読んだのが『ソロモンの偽証』だったのでミステリという先入観があったが、こっちも好きです。
 やはり『英雄の書』は読まねばなるまい。
 ヒッターの左眼も暗闇に閉ざされていますが、この能力は要らんな。
 下巻を読んでしまおう。


第2099回 悲嘆の門 上

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宮部みゆき「悲嘆の門 (上)」

 書店で見つけて購入。上中下の3冊か。読み応えがありそうだ。

 プロローグ
 ある嵐の夜。電気を止められたアパートの一室で、5歳の少女は窓の外を眺めていた。
 病の床にある母親に、なにか良くないものが近づいてきていることは幼い少女にも解っていた。
 いつも見ている夜でも灯りのつかないビルの屋上の怪物の像。
 それが母に忍び寄る死の影なのか見張っている少女は、突然、その怪物の背後に大きな影が現れるのを見た。
 そして、その影にも大きな翼が生えていた。

 第1章 砂漠の中の一粒の砂
 大学一年生の三島孝太郎はやっと入った大学の退屈さに辟易していた。
 本屋の散策中に親しくしていた高校のOB・真岐誠吾と出会い、彼の務める会社のバイトに誘われる。

 ネット上の違法ドラッグ取引や自殺サイト、学校の裏サイト、犯罪予告などの情報の警備。
 サイバー・パトロールを行っている警備会社「クマー」東京支店に1年間という期限付きでバイトに入り、後輩もできて仕事に慣れた頃、あるニュースが飛び込んでくる。
 静岡県で発見された衣装ケースの中の遺体は右足中指が欠損していた。
 「クマー」では半年前の北海道苫小牧と、3ヶ月前の秋田県秋田市で足の指が切断された絞殺死体が発見されたことを把握していた。それも犯人は見つかっていない。
 多県にまたがる事件で、警察はまだ連続殺人とは考えていないのだろうか。
 
 通称〈指ビル〉の情報を「クマー」の特設チームが追っている頃、新宿区若葉町のITバブル時代に建てられた廃ビルの屋上で異変が起きた。
 先日の嵐の夜の翌日から、それまであったガーゴイルの像が破壊され、そこへ別の大鎌を持ったガーゴイル像に置き換わっていたのだ。
 出入り口は封鎖され、エレベータさえ取り外されている4階建てのビルの屋上へ、どうやって新たなガーゴイル象を持ってきたのか?
 元警視庁捜査一課刑事・都筑茂典は慣れないネット検索で、その大鎌は西洋では「死神」が持つ鎌だと知る。

 第二章 死神
 西武新宿線沿線で行方不明になっている数人のホームレスや独居老人たち。
 「クマー」の情報網に引っかかってきた物件の詳細を調べようとした孝太郎の同僚であり、友人でもある森永健司が失踪した。
 町内会の新年会に出席した元刑事・都筑は、失踪した老人の所在を探している森永に興味を持ち、痛む足を棒にして独自で調査を進める。
 防風雨の翌朝、巨大な鳥を目撃したという老人。
 死んだ母親の傍で窓の外を見ていた少女の描いた「翼の生えた何か」の絵。
 発見された四人目の切断死体。
 消えたガーゴイル像。
 森永を探す孝太郎と、不審な廃ビルを調査する都筑の道が交わる。
              悲嘆の門 上
 『羊たちの沈黙』の連続殺人犯バッファロー・ビルを思わせる連続殺人事件は、あくまでもネット上のマニアの〈行動分析(プロファイリング)〉にしか過ぎなかった。
 ネット初心者に近い孝太郎がイメージしたのは、ネットという広大な海は暇つぶしと憂さ晴らしで出来ていて、有用なものは島として散在している、というものだった。
 孝太郎が妹のように接していた近所の女子中学生への学校裏サイトでの中傷事件は、この後関わってくるのかな?
 とりあえず上巻は謎の提示ということで、中巻は展開編ということでしょうか。
 しかし、宮部みゆきさんは登場人物の設定が細かすぎるな。(笑)

 悲嘆の門 上 帯

第1030回 ソロモンの偽証(6)

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宮部みゆき 「ソロモンの偽証 第Ⅲ部 法廷(上)(下)」

   ソロモンの偽証5ソロモンの偽証6
 いよいよ「学校内裁判」開廷である。一部ネタバレです。嫌な人は読まないように。

 1991年8月15日。「学校内裁判」初日。
 裁判は判事・井上康夫のルール説明から始まった。
 続いて検事・藤野涼子による起訴内容の説明と被告人席に立つ大出俊次への主尋問が行われる。

 起訴内容:告発状によって発覚した大出俊次による柏木拓也殺害の容疑
 被告人 :起訴内容を否認

 検事側第1の証人:楠山恭一 社会科教師
 検事側第2の証人:野田健一 遺体の第一発見者
 弁護側第1の証人:津崎正男 元・第三中学の校長
 弁護側第2の証人:土橋雪子 1年生時を通して柏木拓也の隣席だった女子生徒
 弁護側第3の証人:柏木則之 柏木拓也の父親
 検事側第3の証人:茂木悦男 報道番組記者
 昼休憩
 弁護側第4の証人:柏木宏之 柏木拓也の兄
 検事側第4の証人:柏木則之 柏木拓也の父親
 第1日目の公判終了

 8月16日。
 弁護側第5の証人:佐々木礼子 城東警察署少年課刑事
 検事側第5の証人:井口充 大出俊次の取り巻きだった男子生徒
 弁護側第6の証人:楠山恭一 社会科教師
 昼休憩
 弁護側第7の証人:丹野 美術教師
 弁護側第8の証人:小玉由利 元・報道局の派遣社員
 2日目の公判終了

 8月17日。検事側の重要な証人喚問のため非公開。
 検事側第6の証人:XXXX
 弁護側第9の証人:橋口祐太郎 大出俊次の取り巻きだった男子生徒

 この後、予定外の訪問者の出現に4日目の裁判の開催が危ぶまれる。

 8月18日。ふたたび公開審議に戻る。
 検事側第7の証人:増井望 大出俊次たちに暴行を受けた第4中学生徒
 弁護側第10の証人:今野努 別事件の被告の弁護士
 昼休憩
 弁護側最後の証人:大出俊次
 トラブル発生にて4日目の公判終了

 弁護側の今野努証人の発言は決定的なものだった。このままでは検事側に反証の術はない。
 すべてのカードを使いきり、途方にくれる藤野涼子の前に現れた意外な人物とは。

 8月19日。前日のトラブルにより終日休廷。
 「真実」に気づいた藤野涼子は最後の賭けに出る。

 8月20日。公判最終日。
 検事側第8の証人:滝沢卓 柏木拓也の小学生時代の塾講師
 検事側第9の証人:小林修造 小林電器店店主
 検事側第10の証人:YYYY
 検事側論告
 検事側最後の証人:XXXX
 弁護側最終弁論
 事態の急速な展開に即日結審し、評決が下される。

 エピローグ。2010年、春。
 野田健一は教師として城東第3中学校へ赴任する。


 非常に面白い法廷劇でした。実際はもっと細かくメモっているのですが、これくらいにしておきましょう。
 はたして知恵者として名高い古代イスラエルの国王・ソロモンは登場人物の中の誰だったのか。
 日本では南町奉行・大岡越前の”大岡裁き”として語られる話の元ネタの人ですね。
 裁きを行う者が偽りだったとしたら、何を信じていけばいいのか?
 宮部みゆきさんの他の作品もおいおい読んでいきたいと思います。

 この文庫版には書き下ろしで「負の方程式」が収録されている。
 2011年。弁護士・藤野涼子が受けた「体験キャンプ事件」。偽証しているのは教師か、それとも生徒か?
 ・・・え? 涼子さんの旦那って!

第1005回 ソロモンの偽証(5)

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宮部みゆき 「ソロモンの偽証 第Ⅱ部 決意(下)」

                             ソロモンの偽証 4
 第Ⅱ部下巻。
 1991年8月5日から8月10日までの出来事。
 これも上巻と同じように詳細にメモをとってあるのだが、おそらく真相に関わるネタバレしすぎなので大部分を省く。
 第2部下巻まで読み終わったのだが、”真相”の大まかな予想は付いた(と思う)。

 1990年12月25日の早朝、城東第三中学校の校庭で発見された柏木拓也(2年A組)に遺体。当初、自殺と思われていた少年の死に纏わる噂はひとり歩きしていく。
 いじめによる自殺なのか。それとも?
 他者との付き合いを是としなかった少年のプロフィールは、接する人間によって大きく異なる輪郭を見せる。
 検事役として粗暴な非行少年・大出俊次を殺人容疑で告発する藤野涼子。
 弁護人となった柏木拓也の知人・神原和彦と助手の野田健一。
 それぞれが「学校内裁判」のための傍証を集め、証人となる人物に会いに行くことになる。
 だが裁判が始まる前に複数の事件が起こった。
 被告・大出俊次の自宅への放火事件と祖母の焼死。
 元担任教師への暴行傷害事件。
 偽りに偽りを重ね、それを真実にしようと藻掻く少女。
 自らの冤罪を晴らそうと決意する少年。
 そして自らの罪を自覚し、恐れている者。
 あと、陪審員が一人増えて9名になる。これは何かの伏線か?

 この下巻では事件を取り巻く人物たちの、隠していた内面と事実が徐々に浮上してきてますね~
 詳しく書けないのが残念です。メモっている重要証言が多すぎて、このまま掲載したら読んだ人から顰蹙を浴びそうなので、やっぱりやめよう。

 非常に面白くなってきたところで、第Ⅱ部下巻は終了。
 でも、まだ「学校内裁判」の公判開始まで4日残っている。ここから新たな展開が起きるのか?
 第Ⅲ部「法廷」をすぐに読みたいが、ちょっといろいろ寄り道をするので、今月後半まで持ち越そう。