まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1894回 ダマシXダマシ

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森博嗣 Xシリーズ⑥「ダマシXダマシ」Swindler

 Xシリーズ最終話。

 SYアート&リサーチ社を訪問した若い女性が依頼したのは、婚姻届けまで出した恋人の行方。
 勧められて作った銀行口座に預けた金は、全部引き落とされていた。
 依頼を受けた小川玲子は、アルバイトの真鍋瞬市とともに調査を始めるが、どうやら他にも同様な被害者が居るらしい。
 しかし、調査中に対象者は死体で発見される。 

                ダマシxダマシ

 所長の椙田泰男さんは小川さんに探偵事務所を譲って雲隠れです。
 よっぽど西之園萌絵嬢が怖かったのでしょうか。(笑)
 またGシリーズの方で会えるのでしょうか。

 真鍋瞬市くんはようやく将来を見据えてある決心をしました。
 永田絵里子嬢も一大決心です。
 そしてSYアート&リサーチ社に集った面々は、それぞれの道を歩み始めます。
 しかし、別れがあれば出会いもある。 
 
 ぐはあ、ラストで大ショックを受けました。
 西之園萌絵が明かす依頼人の女性の正体。
 まさか彼女が〇△*嬢だったとは!
 それならばあの性格と行動も頷けます。
 キーワードはちゃんと仕組まれてましたね。
 これだから森ミステリはやめられません。

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第1612回 赤目姫の潮解

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森博嗣「赤目姫の潮解」 Lady Scarlet Eyes and Her Deliquescence

 百年シリーズ最終作である。
 “前作までの”ミチルとロイディとしての存在は登場しない。

 死んでいる人形があるならば、その人形が生きていた時もあったはず。
 かつて人間は不純物が多く複雑であったが、医学の進歩、工学の発展で改良され、不純物は取り除かれた。
 肉体のほとんどを機械と取り替えたり、躰さえ無くして電子空間で暮らしているものもいる。
 しかし、新しい生物の枠組みを作る試みにもストレスによる歪みが生じる。
 コードの中に含まれるバグ。
 赤目姫とは誰だったのか。
                赤目姫の潮解

 これはなんと言うか、幻想的と言えばいいのか、人に説明するのが困難なお話です。
 「χの悲劇」を読んだあとなので、ああ、これはあちら側の世界なのだなというのは想像できます。
 これを読むまではと封印していたWシリーズに進もう。

 既刊
 女王の百年密室 God Save the Queen
 迷宮百年の睡魔 Labyrinth in Arm of Morpheus
     赤目姫の潮解 栞

第1526回 χ(カイ)の悲劇

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森博嗣 Gシリーズ10 「χ(カイ)の悲劇」 The Tragedy of χ

 全12作予定のGシリーズの終盤を飾る3部作の第1部。  

 全シリーズを通して4回目(?)の島田文子嬢の登場です。
 今回はメインを張って、その才能を全開にしています。
         島田文子

 森作品には度々驚かされますが、まさかそんな伏線があったんですか。
 西之園恭輔夫妻の飛行機事故に隠された謎。カガミアキラってあの人ですか?
 やはり爆破指令を出したのは真賀田四季だったのだろうか。

 金を名乗った初老の男の正体は? 西之園萌絵の知り合いで、姉があの飛行機に乗っていた? 
 あああ! こんな複雑な人間関係があ~! χ(カイ)を名乗った人物は彼で、あの人の息子だったんですかあ!
 儀同世津子さんはご健勝のようですが、この時代はあれから何年経ってるんですか!?

 驚愕の1冊でした。これがあと2冊も続くんかい! 「ψ(プサイ)の悲劇」、と「ω(オメガ)の悲劇」ですか。
              χの悲劇

 今回の殺人事件は絶対に推理できません!!! (笑)

第1514回 神様が殺してくれる

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森博嗣「神様が殺してくれる」 Dieu aime Lion

 フランスのインターポールに務める青年レナルド・アンペールに掛かった殺人容疑。
 パリで起こった有名女優の殺害現場で、両手首を縛られていたのは彼の大学の後輩リオン・シャレットだった。
 彼は「神様が殺した」と言い、「神の名はレナルド・アンペールだ」と言ったという。
 物理的にリオンには殺害不可能であり、レナルド自身にも身に覚えのないことだった。
 パリ市警もリオンの発言には信憑性が無いと判断するが、殺人者は目撃しているはずだった。

 パリ市警の刑事に同行していたリールの刑事は、リオンが資産家の養父の殺人事件にも関与しているのではとレナルドに告げた。
 どちらの事件も捜査に進展がないまま時が過ぎるが、再びレナルドにリオンの情報が入る。
 イタリアで起きた老音楽家の殺害現場に、両手を後ろ手に縛られて眠らされているリオンが発見されたのだ。
 インターポールに集まってくるベルギー、フランス、イタリアの警察情報をレナルドが中継するが、また数年間、捜査は進まなかった。

 ドイツで人気が出た写真集のモデル。
 「女にしては美しすぎる」と評されるザーラ・レッシュがリオン・シャレットだと知り、ドイツに向かったレナルド。
 だが女性写真家に会った翌日、彼女も殺される。
 ドイツ警察も巻き込んだ4件の殺人事件にリオンはどう関係しているのか。

                 神様が殺してくれる
 舞台はフランス、ベルギー、イタリア、ドイツ、台湾、そして日本へと移っていきます。
 語り手のレナルド・アンペールはインターポール(国際警察)の捜査官ではなく、ただの事務職員なのですが、流されるままに各国の警察との調整役を振られてしまいます。
 共通語として英語を話せることが刑事の条件ですね。(笑)


 さて、ヒッターは7割ほど読んだ時点で、ある人物に不信感を覚えていました。
 なんか引っかかる。
 語り手のレナルドは結婚しているのだが、意図的に何かを話していない感じがする。

 舞台が日本へと向かったことで、ほぼ確信していましたが、このラストには騙されたというしかありませんね。(笑)
 ミステリは作者が読者をどれくらい騙せるかというのが重要なファクターです。
 先日読んだ「折れた竜骨」よりは論理性という点で負けますが、森ミステリが好きな方なら許容範囲でしょう。
 「ノックスの十戒」ではセーフですが「ヴァン・ダインの二十則」ではアウトです。
 まあ「ヴァン・ダインの二十則」は条件が厳しすぎて、叙述トリックは全てアウトですからね。
 この作品を 反則だと言ってはいけません。

 解説は萩尾望都さんでした。「トーマの心臓」の関係?

 来月も新刊が出るな。

第1383回 The Perfect Insider

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森博嗣 「すべてがFになる The Perfect Insider」 

 アニメ版は最終回を迎えた。
 本作を最初に読んだのは1996年の講談社ノベルス版であった。その後、10年くらい経ってから文庫版を買って読んだ。四季シリーズの「四季 秋」が出た頃である。
 「四季 秋」を読んで吃驚したので第1作を読み返そうとしたが、段ボールに仕舞い込んでいたからだ。
 今回もアニメ版を視聴していて疑問点が出てきたので読み返したかったが、この文庫版も仕舞い込んでしまったので、再購入する。
 なんとアニメ版のカバーが本来のカバーの上にもう一枚被さっているダブルカバーだ。
 すべてがFになる カバー2

 アニメ版と原作を比較してみると

 第1章 白い面会(アニメ:白い面会)
 コンピューター・ウィルスについての丁寧な説明がされている。儀同世津子が研究室を訪れたあと、萌絵が犀川先生を迎えに行く場面だが、アニメではここをすっ飛ばしている。
 これは重要な伏線なのになあ。
 16年前に四季は萌絵に一度会っていると告げる。

 第2章 蒼い再訪(アニメ:蒼色の邂逅)
 夢野久作「ドグラ・マグラ」の話を萌絵が犀川先生にしている。(萌絵がミステリィ研だということはアニメでは言及していなかったような?)
 動く死体。死体が勝手に動いているのではなく、動かしている人間がいる。
 真賀田博士が両親を殺したのは人形だと言ったことに対しての萌絵の連想なのだが、ここで犀川先生にインプットされたわけだ。
 キャンプで萌絵が焼きそばを初めて食べた後の休憩で、研究所のジェットヘリの音を聞いている。急に研究所長が出かけたためである。
 犀川先生の「環境保護のために人間はみな部屋から一歩も出ず、コンピュータのヴァーチャル・ワールドに住むべきだ」説が秀逸である。(笑)

 第3章 赤い魔法(アニメ:赤い魔法)
 真賀田博士の部屋の扉から死体が登場。1分間の暗闇のなる。
 エレベータは地下2階、1回の所長室、屋上への直通。もう1基のエレベータは1階と屋上を結んでいる。
 到着したヘリから白いワンピースの真賀田未来が降りてくるが、新藤所長は窓から顔を出し、二言三言会話するだけ。(アニメでは未来はスーツ姿であった)
 真賀田博士の部屋のシステムは研究所のメイン・システムから切り離されていて、アクセスは不可能。メールはパソコンのローカル・ネットワークでやり取りするので、こちらから何らかのスクリプトを送り込むことはできない。
 死体がP1に載せられていたが、このマシンは30kg以上の荷重がかかると積載オーバーで動かなくなる。手足が切断されていたのはそのため?

 第4章 褐色の過去(アニメ:虹色の過去)
 新藤所長がヘリの中で死体で発見される。屋上への出口は2箇所。
 誰が出入りしたかはドアの開閉記録で判明している。真賀田未来を研究所へ入れて以来、屋上へ出たのは今回だけ。
 未来はバッグをヘリに忘れたと新藤夫人に言ったが、萌絵は死体発見時に後部座席には何もなかったことを覚えている。

 第5章 灰色の視界(アニメ:銀色の希望)
 さてヒッターがアニメを見ていてひとつ疑問に思ったのは、どうやって犯人は翌日に船が到着するのを知ったのか? そもそもどうやって島から出るつもりだったのかである。
 最初の疑問はこの早朝の電子会議で判明した。(これ、アニメでやっていたのならヒッターが見落としたのだろう)
 またここでもレッド・マジックはスーパー・ユーザでも書き換え不可能な属性ファイルがあることを示唆している。だが、本当に書き換えは不可能なのか?
 萌絵ちゃんはビールとウィスキーで酔っ払ってるな(笑) この時代はノンアルコール・ビールなんてなかったからな。

 第6章 虹色の目撃(アニメ:真紅の決意)
 島田文子さんはガンプラマニア。シャア・アズナブルのファンである。男よりアニメが好きな30歳。独身。
 萌絵がVRカートにアクセスする場面はアニメオリジナル部分が多い。原作と現代では20年のギャップがあると感じますね。
 アクセス面はゴーグルと右手のみ。水着で全身をカプセルへ入れることはありません。
 アニメで長尺だった犀川先生と未来の会話は小説ではオミットされている。

 第7章 琥珀色の夢(アニメ:灰色の境界)
 犀川先生が朝焼けを見て、何かが引っ掛かると感じるところ。彼は毎朝、時計を秒針まで合わせるのだが、この島に来てからは行っていない。
 弓永医師がボトルシップを見せる場面があるが、犀川先生はバラバラで入れて、中で組み立てる。また、バラバラにして外で組み立てる、という連想をする。
 これは「四季 秋」への布石だったのだろうか。
 午前11時。次レッド・マジック停止。研究所内の照明が消える。
 犀川先生も特殊な多重人格者である。

 第8章 紺色の秩序(アニメ:紫色の夜明け)
 正午過ぎに警察がヘリコプターで到着。山根副所長は行方不明。儀同世津子が船で到着。入れ違いにキャンプメンバーが乗り込む。
 鑑識によると発見された真賀田女史の死因は背中からの刺殺であった。
 島田文子の部屋で酒盛りをしていた儀同世津子、萌絵はビールが切れたので山根の部屋で冷蔵庫を漁る。
 萌絵には山根の部屋への入場許可がセットされている。奥のバスルームで山根の死体発見。(ここはアニメと違いますね)

 第9章 黄色いドア(アニメ:黄色の死角)
 山根の死亡時刻は午前9時から11時の間。胸部をナイフで刺されている。
 犀川先生はレッド・マジックの中の時間変数を突き止めるが、それを監視していた“michiru”がトクしてくる。(第8章からはアニメはシナリオを変えているな)

 第10章 銀色の真実(アニメ:紫苑色の真実)
 VR世界でのエアミーティング。参加者は真賀田四季、犀川創平、西之園萌絵、新藤所長夫人、水谷主任、島田文子、弓永医師、望月警備員、ゲストの儀同世津子、西之園警備本部長、芝池刑事。

 ああ、そうだったのか・・・。疑問が解けた。真賀田四季は最初は逃げる予定は無かったんだよな。
 山根副所長が思いついたように、真賀田未来として影武者となるつもりだったんだ。だが、犀川先生と萌絵が事件の解明のため研究所に来たんで予定が狂ってしまった。
 犀川先生の解説でやっと解った。

 第11章 無色の週末(アニメ:無色の週末)
 うむ、女史は本名で図書カードを作ったんですな(笑)


 この20年間で本書を3回読んだことになるが、そのたびに新しい発見があった。
 たんにヒッターの記憶力と理解力が足りないだけかもしれないが、後情報があると事前情報の見方が変わるというやつである。
 ヒッターは名古屋生まれであるので、子供の頃の夏がすごく暑かったのを覚えている。
 昔読んだ本の内容というのは朧気で、名古屋は暑かったなあというくらいの印象でしか脳裏に残っていない。
 あとがきを読んで、もう1冊、再購入しようと考えている。