まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第2255回 ψの悲劇

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森博嗣 Gシリーズ11 「Ψ(プサイ)の悲劇」 The Tragedy of ψ

 ある日、80歳になる元大学教授、八田洋久が失踪した。
 上着だけが橋の袂で発見され、自分を探さないようにと書いた自筆の手紙がポケットに入っていた。
 署名のあとにはいつも記している「Ψ」のマークがあった。

 失踪から1年後。
 造り酒屋で裕福な八田家の屋敷に、五人のゲストが集まった。
 八田氏の友人の元刑事、雑誌記者、教え子の研究者、主治医。そして、ある研究団体のコンピュータ技師の島田という女。
 ホストは八田家の長女、次女、次女の夫。
 そして家政婦と、語り手である執事。
 あとは次男夫婦の小学生の息子と、老飼い猫が屋敷にいる全てである。

 しばらく誰も入らなかった八田氏の私設研究室に置かれたノートには「真賀田四季」の名があった。
 そしてコンピュータに残されていた、八田氏が書いたらしいミステリ小説「ψの悲劇」。
 3万文字分に相当するテキストデータには、ある屋敷で起きた殺人事件が途中まで書かれていた。
 翌朝発見されたのは、キャットフードを食べて死んだ猫と、研究室の中で殺された女医の死体だった。
                    Ψの悲劇
 後期三部作の第二部です。
 前回はかなり引掛けで騙されたので、今回は気を引き締めていたら、あっさりと躱されました。
 マウスなんてデバイスは、もうほとんど使われていない時代のようです。
 序盤から島田文子さん登場ですが、「ニュータイプ」とは?
 20代の若さに見える島田女子が明るく事件を引っ掻き回していきます。

 これは賛否両論の評価になりそうですねえ。
 ミステリ小説としては完全にアンフェアな作品です。
 Gシリーズが向かうのはもう完全にあちらの世界です。
 あの懐かしきメンバは、分岐したXシリーズの方で幕を閉じたと考えていいでしょう。
 三部作の最後「ωの悲劇」が最後の謎を解明してくれるのでしょうか。

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第1894回 ダマシXダマシ

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森博嗣 Xシリーズ⑥「ダマシXダマシ」Swindler

 Xシリーズ最終話。

 SYアート&リサーチ社を訪問した若い女性が依頼したのは、婚姻届けまで出した恋人の行方。
 勧められて作った銀行口座に預けた金は、全部引き落とされていた。
 依頼を受けた小川玲子は、アルバイトの真鍋瞬市とともに調査を始めるが、どうやら他にも同様な被害者が居るらしい。
 しかし、調査中に対象者は死体で発見される。 

                ダマシxダマシ

 所長の椙田泰男さんは小川さんに探偵事務所を譲って雲隠れです。
 よっぽど西之園萌絵嬢が怖かったのでしょうか。(笑)
 またGシリーズの方で会えるのでしょうか。

 真鍋瞬市くんはようやく将来を見据えてある決心をしました。
 永田絵里子嬢も一大決心です。
 そしてSYアート&リサーチ社に集った面々は、それぞれの道を歩み始めます。
 しかし、別れがあれば出会いもある。 
 
 ぐはあ、ラストで大ショックを受けました。
 西之園萌絵が明かす依頼人の女性の正体。
 まさか彼女が〇△*嬢だったとは!
 それならばあの性格と行動も頷けます。
 キーワードはちゃんと仕組まれてましたね。
 これだから森ミステリはやめられません。

第1612回 赤目姫の潮解

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森博嗣「赤目姫の潮解」 Lady Scarlet Eyes and Her Deliquescence

 百年シリーズ最終作である。
 “前作までの”ミチルとロイディとしての存在は登場しない。

 死んでいる人形があるならば、その人形が生きていた時もあったはず。
 かつて人間は不純物が多く複雑であったが、医学の進歩、工学の発展で改良され、不純物は取り除かれた。
 肉体のほとんどを機械と取り替えたり、躰さえ無くして電子空間で暮らしているものもいる。
 しかし、新しい生物の枠組みを作る試みにもストレスによる歪みが生じる。
 コードの中に含まれるバグ。
 赤目姫とは誰だったのか。
                赤目姫の潮解

 これはなんと言うか、幻想的と言えばいいのか、人に説明するのが困難なお話です。
 「χの悲劇」を読んだあとなので、ああ、これはあちら側の世界なのだなというのは想像できます。
 これを読むまではと封印していたWシリーズに進もう。

 既刊
 女王の百年密室 God Save the Queen
 迷宮百年の睡魔 Labyrinth in Arm of Morpheus
     赤目姫の潮解 栞

第1526回 χ(カイ)の悲劇

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森博嗣 Gシリーズ10 「χ(カイ)の悲劇」 The Tragedy of χ

 全12作予定のGシリーズの終盤を飾る3部作の第1部。  

 全シリーズを通して4回目(?)の島田文子嬢の登場です。
 今回はメインを張って、その才能を全開にしています。
         島田文子

 森作品には度々驚かされますが、まさかそんな伏線があったんですか。
 西之園恭輔夫妻の飛行機事故に隠された謎。カガミアキラってあの人ですか?
 やはり爆破指令を出したのは真賀田四季だったのだろうか。

 金を名乗った初老の男の正体は? 西之園萌絵の知り合いで、姉があの飛行機に乗っていた? 
 あああ! こんな複雑な人間関係があ~! χ(カイ)を名乗った人物は彼で、あの人の息子だったんですかあ!
 儀同世津子さんはご健勝のようですが、この時代はあれから何年経ってるんですか!?

 驚愕の1冊でした。これがあと2冊も続くんかい! 「ψ(プサイ)の悲劇」、と「ω(オメガ)の悲劇」ですか。
              χの悲劇

 今回の殺人事件は絶対に推理できません!!! (笑)

第1514回 神様が殺してくれる

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森博嗣「神様が殺してくれる」 Dieu aime Lion

 フランスのインターポールに務める青年レナルド・アンペールに掛かった殺人容疑。
 パリで起こった有名女優の殺害現場で、両手首を縛られていたのは彼の大学の後輩リオン・シャレットだった。
 彼は「神様が殺した」と言い、「神の名はレナルド・アンペールだ」と言ったという。
 物理的にリオンには殺害不可能であり、レナルド自身にも身に覚えのないことだった。
 パリ市警もリオンの発言には信憑性が無いと判断するが、殺人者は目撃しているはずだった。

 パリ市警の刑事に同行していたリールの刑事は、リオンが資産家の養父の殺人事件にも関与しているのではとレナルドに告げた。
 どちらの事件も捜査に進展がないまま時が過ぎるが、再びレナルドにリオンの情報が入る。
 イタリアで起きた老音楽家の殺害現場に、両手を後ろ手に縛られて眠らされているリオンが発見されたのだ。
 インターポールに集まってくるベルギー、フランス、イタリアの警察情報をレナルドが中継するが、また数年間、捜査は進まなかった。

 ドイツで人気が出た写真集のモデル。
 「女にしては美しすぎる」と評されるザーラ・レッシュがリオン・シャレットだと知り、ドイツに向かったレナルド。
 だが女性写真家に会った翌日、彼女も殺される。
 ドイツ警察も巻き込んだ4件の殺人事件にリオンはどう関係しているのか。

                 神様が殺してくれる
 舞台はフランス、ベルギー、イタリア、ドイツ、台湾、そして日本へと移っていきます。
 語り手のレナルド・アンペールはインターポール(国際警察)の捜査官ではなく、ただの事務職員なのですが、流されるままに各国の警察との調整役を振られてしまいます。
 共通語として英語を話せることが刑事の条件ですね。(笑)


 さて、ヒッターは7割ほど読んだ時点で、ある人物に不信感を覚えていました。
 なんか引っかかる。
 語り手のレナルドは結婚しているのだが、意図的に何かを話していない感じがする。

 舞台が日本へと向かったことで、ほぼ確信していましたが、このラストには騙されたというしかありませんね。(笑)
 ミステリは作者が読者をどれくらい騙せるかというのが重要なファクターです。
 先日読んだ「折れた竜骨」よりは論理性という点で負けますが、森ミステリが好きな方なら許容範囲でしょう。
 「ノックスの十戒」ではセーフですが「ヴァン・ダインの二十則」ではアウトです。
 まあ「ヴァン・ダインの二十則」は条件が厳しすぎて、叙述トリックは全てアウトですからね。
 この作品を 反則だと言ってはいけません。

 解説は萩尾望都さんでした。「トーマの心臓」の関係?

 来月も新刊が出るな。