まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1923回 伊藤計劃トリビュート2

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback


早川書房編集部 編「伊藤計劃トリビュート2」 Project Itoh Tribute 2


 前作と同じく「テクノロジーが人間をどう変えていくか」というテーマの短編中編集。
 執筆は10代、20代の若手作家である。

 草野原々「最初にして最後のアイドル」
 これは最初からすごいものを読ませてもらった。猟奇SFですか?
 アイドルというものの見方が変わってしまいました。(笑)
 まさしく「虐殺器官」ですね!
 「百合」ってこういう関係のことなのですか?

 ぼくのりりっくのぼうよみ「guity」
 アンチ・ユートピアものですね。
 『ハーモニー 』 へのアンチテーゼを掲げたものですが、やはり正解というものはやっってみなくては判らないものです。
 ラストがイマイチでした。

 柴田勝家「雲南省スー族におけるVR技術の使用例」
 生まれてから死ぬまでVRワールドで生活する部族がいるという、
 フィールドワークで訪れた研究者のレポートは果たして現実にあったことなのか。
 ラストでリアルとヴァーチャルの区別がつかなくなるのはゾッとしました。

 黒石迩守「くすんだ言語」
 インプラント端末でネットワークに繋がる時代。
 だが情報の相互干渉で広がる目に見えない領域に潜むのは、人間という種の集合意識へとなっていくのか。
 これも『虐殺器官』へのオマージュですね。

 伏見完「あるいは呼吸する墓標」
 これは短編で終わらせるにはもったいないですね。
 長編ならもっと面白かったかも。

 小川哲「ゲームの王国」
 これ1篇でほかの5篇を合わせたより長いじゃないか!
 これ1本で文庫化できるんじゃないか?

                   伊藤計劃トリビュート2
 いろいろな傾向の作品を収録していますが、最初の「最初にして最後のアイドル」でド肝を抜かれてしまい、後の作品が霞んでしまいました。
 やはり“死”と“言語(情報)”を見つめる作品が主体ですね。
 いつかVol.3を出してください。

スポンサーサイト

第1898回  BLAME! THE ANTHOLOGY

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

原作:弐瓶勉  九岡望 (著), 小川一水 (著), 野崎まど (著), 酉島伝法 (著), 飛浩隆 (著),
 「BLAME! THE ANTHOLOGY」

 「BLAME!」世界のトリビュート先品集。

 遠未来。無秩序、無限に増殖を続ける巨大階層都市があった。
 過去に起きた「災厄」で、都市を管理する《ネットスフィア》に人類がアクセスする権利が失われ、正規の《端末遺伝子》を持たない人間を排除しようとするセーフガード、人間の《端末遺伝子》を狙う珪素生物に抹殺される存在となっていた。

 探索者・霧亥(キリイ)は生電社の研究者・シボたちの協力を受けながら、《ネットスフィア》の支配レベル「統治局」への再アクセス可能な《端末遺伝子》を探す孤独な旅を続ける。

 九岡望 「はぐれ者のブルー」
 小川一水 「破綻円盤 -Disc Crash-」
 野﨑まど 「乱暴な安全装置 -涙の接続者支援箱-」
 酉島伝法 「堕天の塔」
 飛浩隆 「射線」
                 BLAME! THE ANTHOLOGY
 どれも面白かったですが、野﨑まどさんのは鬼畜なラストでした。(笑)
 「遠山の金さん」がこんなんだったら視聴者からクレームが殺到するでしょう。

 十種の雨かんむりの漢字1字と十二支を組み合わせた探索者百二十名。
 決してチームを組まず、互いに別方向へ移動していく彼らは、一様に重力子放射線射出装置を携帯していた。

 これは第2弾、第3弾と続けて欲しいくらい、質の高い作品ばかりでした。
 早川書房さん、お願いします!

第1872回 誤解するカド

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

野﨑まど・大森望 編、ファーストコンタクトSF傑作集「誤解するカド」

 国内外のファーストコンタクトものの短篇を収録。

 筒井康隆「関節話法」(初出「小説新潮」1977.05)
 小川一水「コズミックロマンスカルテット with E」(初出「NOVA Vol.7」2012)
 野尻抱介「恒星間メテオロイド」(初出「SFマガジン7」2005.09)
 ジョン・クロウリー「消えた Gone」(初出「F&SF誌」1996.09)
 シオドア・スタージョン「タンディの物語 Tandy's Story」(初出「Galaxy誌」1961.04)
 フィリップ・K・ディック「ウーブ身重く横たわる Beyond Lies The Wub」(初出「Plant Stories誌」1952.07)
 円城塔「イグノラムス・イグノラヒムス」(初出「SF宝石」2013)
 飛浩隆「はるかな響き Ein Ieser Ton」(初出「サイエンス・イマジネーション」2008)
 コニー・ウィリス「わが愛しき娘たちよ All My Darling Daughters」(初出「Fire Watch)」1985)
 野﨑まど「第五の地平」(初出「NOVA+ バベル」2014)

                 誤解するカド

 筒井康隆さんの「関節話法」は懐かしかったな。読んだのは高校生の頃だったか。
 ファーストコンタクトものといっても、コンタクトが成立するまでのもの、成立してからのもの、そもそも対象がコンタクト可能なものかどうかもわからないものと、いろんなパターンがあるのですな。
 こういうのは長編の方が好きなんですが、小川一水さん、野尻抱介さんのものは面白く読めた。
 これはまだ連作として続けられそなネタだな。

 短編集を続けて読んだので、次は長編に手を出すかな。

第1807回 SFが読みたい! 2017

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

SFが読みたい! 2017年版

              SFが読みたい! 2017

 昨年、読みたいと言ったもので読んだのはエマノンの新作だけだったな。
 「スペース金融道」は2位に、「エピローグ」の姉妹篇「プロローグ」は5位に入ったか。
 国内第1位は上田早夕里さんの短編集ですね。いくつか読んだことのある短編が収録されています。

 海外編では「ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン」が2位に、「反逆航路」が3位に入った。
 グレッグ・イーガンがベスト10に2作入っているのがすごいな。
 ジャック・ヴァンスやハーラン・エリスンなんて、まだSFを書いていたのか。
 「蒲公英(ダンデライオン)王朝記 」は読んでみたいな。3部作なのか。

 コミックでは「決してマネしないでください」全3巻が入っているが、これ読んでないな。注文しよう。

 喜ばしいニュースはりブートされた「ペリー・ローダンNEO」が今夏から翻訳が始まるようだ。
 次の「無限艦隊」サイクルの始まりに合わせる気かな。
 「アルスラーン戦記」も完結編が年内発売(予定)。
 筒井康隆「ビアンカ・オーバースタディ」の続編を新人さんが書くらしい。
 野﨑まどさんの「2017年のわたし」が読みにくい。(笑)
 「バーナード嬢、SFが読みたい!に出張して曰く。」はあいかわらず面白い。

 やはりハードカバー本は読みたくてもなかなか手が出ない。
 山積みというか山脈になっている買い置きの山を崩していくか。

第1683回 マルドゥック・ストーリーズ

Posted by ヒッター7777 on   0 comments   0 trackback

冲方丁+早川書房編集部編 公式二次創作集「マルドゥック・ストーリーズ」

 一般公募企画「冲方塾」小説部門からマルドゥック・シリーズを題材にしたものをピックアップしている。
 完成品でも、プロットと冒頭部分だけでも応募でき、優秀作品が今回書き下ろしで収録されることになった。
               マルドゥク・ストーリーズ

 ・源條悟「explode/scape goat」
 ・木村浪漫「ignite」
 ・菅原照貴「さよならプリンセス」
 ・八岐次「マルドゥック・ヴェロシティ“コンフェッション”-予告編-」
 ・滝坂融「doglike」
 ・近藤邦彦「The Happy Princess」
 ・上田祐介「マルドゥック・アヴェンジェンス」
 ・吉上亮「人類暦の預言者」
 ・板堂功「マルドゥック・スラップスティック」
 ・渡馬直伸「マルドゥック・クランクイン!」
 ・三日月理音「五連闘争」
 ・冲方丁「オーガストの命日」


 まあ、各作品は面白い着眼のものもあったが、出来としてはやはり作家の卵たちの作品というところか。
 やはり、ラストの冲方さん自身による二次創作短編は一線を画している。