まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第2233回 スカラムーシュ・ムーン

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海堂尊「スカラムーシュ・ムーン」 Scaramouch Moon

「ナニワ・モンスター」の続編に位置する作品で『桜宮サーガ』の最終作。

 加賀にある養鶏場「ナナミエッグ」を訪れた浪速大学医学部社会防衛特設講座特任教授・彦根新吾はある突飛な提案を申し出る。
 日産80万個の無精卵を収穫する「ナナミエッグ」に、ある期間だけ1日10万個の有精卵の出荷は可能かというものだった。
 通常の無精卵の2倍の価格で取引される、誰もやったことのない「インフルエンザ・ワクチン製造ビジネス」。
 スカラムーシュ(大法螺ふき)・彦根新吾の思惑はどこにあるのか。
 「ナナミエッグ」の一人娘で加賀大学院生の名波まどかは、将来性に不安のある実家への不満と彦根新吾の奇妙な提案に興味を持つ。

 序 章 旅人の寓話
 第一部 ナナミエッグのヒロイン
 第二部 三都物語 浪速・桜宮・極北
 第三部 スカラムーシュ・ギャロップ
 第四部 たまごが見た夢
 第五部 スクランブル・エッグ
 終 章 グッドラック
                  スカラムーシュ・ムーン
 時系列的には「アリアドネの弾丸」~「ケルベロスの肖像」「極北ラプソディ」と重なる時期。
 彦根新吾が国内だけでなく、モンテカルロ、ジュネーヴ、ベネチアと飛び回り、何をしていたのか。
 地方行政と医療の結びつきに目を光らせる霞ヶ関の官僚たちは、ふたたび「無声狂犬(サイレント・マッドドッグ)」警察庁刑事局新領域捜査創生室室長・斑鳩芳正を送り出す。
 モナコでの天城雪彦との再会。かつて破綻した桜(スリジエ)の仇を浪速で討てるのか。
 丁々発止の頭脳戦が繰り広げられる。

 二日かけて読み、堪能しました。
 これでシリーズも終わりとなると感慨深い「群像劇」でした。
 ヒッター的には田口先生の登場作品をもっと読みたかった。
 新作「ポーラースター」シリーズに期待してます。

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第2222回 スリジエセンター1991

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海堂尊「スリジエセンター1991」

 「ブラックペアン1988」、「ブレイズメス1990」に続く《桜宮サーガ》のバブル三部作最終巻。
 やっと文庫化されました。
 「第542回 ブレイズメス1990」をネタにしたのは2013年8月29日ですよ。(笑)
 4年半待ったので、前の話をほとんど忘れかけてる。
             
 桜宮市に「スリジエ(フランス語で桜)・ハートセンター」を作ろうとする天城雪彦。
 だが、その計画にはいくつもの難関があった。
 天城を招いた東城大の佐伯外科教室の「小天狗」高階講師。
 桜宮市政の長・鎌田の秘書・村雨。
 桜宮市医師会の産婦人科開業医・三田村。
 それぞれの思惑が動く中、桜宮市産業の基盤とも言えるウエスギ・モータース会長の公開手術が行われようとしていた。

 権謀術数の渦巻く中で先輩諸氏を差し置いて医局長に任命された世良雅志は、急速に看護婦・花房美和との仲を深めていく。
                 
 ああ、バブルの時代が終わった。
 十数年後。この三部作の登場人物たちはいくつもの物語に登場してきます。
 まだまだ読んでない作品があるなあ。
 とりあえず読んだとこまでは、こんな関係かな。
  桜宮サーガ 関係図

 「ブラックペアン」もドラマ化されたのか。
これれだけ見て、いままでの他の桜宮サーガのドラマや映画との関連はわかるのだろうか。(笑)

第1249回 カレイドスコープの箱庭

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海堂尊「カレイドスコープの箱庭」

 調べたら先月、文庫化されていたようで、ヒッターの新刊チェックが甘かったことが露呈した。
 
 それはさておき、田口・白鳥シリーズ第7作にして最終作である。
 (おい、「ケルベロスの肖像」の帯にも完結って書いてあるぞ)
 
 桜宮オートプシー・イメージセンターの炎上後、東城大学医学部外科で起こった誤診疑惑事件。
 いつも通り調査を丸投げされた影の病院長・田口医師は聞き取り調査を始める。
 カレイドスコープ・プロブレムと名付けられる東城大学医学部の進退を左右するトラブルを、トリー&グッチー師弟は収拾できるのか。

 そして同時進行するもうひとつのミッション。
 血まみれ将軍・速水晃一、天才心臓外科医・桐生恭一、医療界のスカラムーシュ・彦根新吾というスピードスター、スーパースター、トリックスターの集う「第1回AI標準化国際会議」の座長を任じられた田口医師。
 救急救命医、. エシックス・コミティ(倫理問題審査委員会)、病理医の立場からAI(オートプシー・イメージ)の議論を行う3人と傍観者たち。
 本番前の討論会兼飲み会の勝者はだれだったのか。(藤原さん、恐るべし)

 今回は中編ほどの長さでしたが、中身は濃かったですね。
 時系列では「スカラムーシュ・ムーン」と同列になるのか。

 作品相関図、桜宮市年表が掲載されたのはありがたい。
 巻末に80ページにわたる「放言日記」も収録。
 次は何を読もうか。
                     カレイドスコープの箱庭

第1246回 玉村警部補の災難

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海堂尊「玉村警部補の災難」 

 東城大学医学部不定愁訴外来の田口医師の元に持ち込まれた4つの事件ファイル。
 そこには警察庁刑事局刑事企画課電子網監視室室長・加納警視正が関わった事件が記載されていた。
 不幸な玉村警部補は事件の裏取りを命じられたのだが?

 0 不定愁訴外来の来訪者
 1 東京都二十三区内外殺人事件
 2 青空迷宮
 3 四兆七千億分の一の憂鬱
 4 エナメルの証言


 「東京都二十三区内外殺人事件」。これは読んだことがあるなと思ったら「イノセント・ゲリラの祝祭」の事件じゃないか(笑)
 他の3編のメインは加納警視正ですが、いいのか?こんなことやって(笑)

 バチスタ・スキャンダル、ナイチンゲール・クライシス、アリアドネ・フェノメノン(これインシデントじゃなかったか)、ケルベロス・デザスター、カレイドスコープ・プロブレム(これ読んでないな)と続く桜宮サーガの影で起こっていた事件集ですな。

 先日、本屋さんで「スカラムーシュ・ムーン」が置いてあるのを見たが、文庫化まで待つか。

                   玉村警部補の災難

第765回 ナニワ・モンスター

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海堂尊「ナニワ・モンスター」 THE NANIWA MONSTER
 
ナニワ・モンスター
 桜宮サーガの時系列では田口・白鳥シリーズの第4作「イノセント・ゲリラの祝祭」の後に位置する。
 「アリアドネの弾丸」、「ケルベロスの肖像」、「輝点炎上」と同じ時系列になる。
 登場する浪速府知事・村雨は「ブレイズ・メス1990」では桜宮市長の秘書で登場していた。

 ラクダを媒介とする新型インフルエンザ「キャメル」。
 パンデミック予防のため海外からのウィルス侵入を防ぐべく、検疫による水際作戦を展開する厚生労働省。
 しかし、浪速市の診療所に「キャメル」に感染した少年が運び込まれた。
 渡航歴がない少年にどこから感染したのか? これでは厚生労働省の立場がない。
 まだ発生していない「キャメル」用に試供品として配られた検査キット。
 巧妙に情報操作された、まるで”浪速腐を標的にしたような”関西圏経済封鎖包囲網。
 悪意ある攻撃になんとか反撃したい府知事が頼ったのは?
 スカラムーシュ・彦根新吾の示唆で巻き返しの第1歩を踏み出す。

 浪速地方検察特捜部の鎌形雅史、通称カマイタチ。
 東京地検から転任してきたサングラスの男。
 その男がドラゴンとあだ名される府知事・村雨弘毅、医療界の第1級危険分子・彦根新吾と組んで狙う標的とは?

 霞ケ関コングロマリッドに喧嘩を売った敵に対し動き出す、警察庁刑事局新領域捜査創生室室長/桜宮署広報課室長・斑鳩芳正。
 「無声狂犬(サイレント・マッドドッグ)」の異名をとる各省庁の不祥事を握る男は、浪速大に創設されるAIセンターを司法の監視下に置こうと画策する。
 検察対警察。極北市の”北”の事案に対する”南”の事案の正体。

 医療と行政を結びつけようとする彦根。行政のため司法を利用しようとする村雨。医療を司法の傘下に置きたい斑鳩。
 九州の解剖率100%の町、舎人町長・真中、道州制を提唱する東北の巨人、青森県知事・新村、財政破綻した極北市の市長・益村を巻き込んだ大ホラ吹きの呪縛とは。

 ・・・かわぐちかいじの「太陽の黙示録」がヒッターの脳裏に浮かびました。
 彦根が極北市民病院の世良雅志に送ったメモ。これは「極北ラプソディ」に繋がるのか。
 厚生労働省大臣官房秘書課付技官兼医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長・(ロジカル・モンスター)白鳥圭輔はちょとだけ登場。

 そして舞台は桜宮市東城大のAIセンターでのあのシーンへ。

 次作「スカラムーシュ・ムーン」へ続く。
  桜宮サーガ2