まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1993回 ヤキトリ 1

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カルロ・ゼン「ヤキトリ 1 一銭五厘の軌道降下」

 地球が汎星系通商連合航路保守保全委員会(商連)に発見された時代。惑星統一政府というものはなく、林立した部族政体に近い統治機構が存在したため、総督府は惑星地表で原住種の文化保護を規定した倫理基準に従い、間接統治プログラムの運用を開始した。
 市場としては小規模であり、特筆すべき工業基盤、製造力もなく、原住種の工芸品にわずかな市場価値有り。
 辺境惑星の一次産業(有機系)の供給源としても間接統治プログラムを直接に切り替えた場合は赤字は確実。
 唯一、貢献可能なのは〈ヤキトリ〉の提供、航路上の経由地程度である。
 課題として原住種の保有する旧式の『熱核兵器』に対する宗教的信仰への干渉は、信仰の自由を侵害しないか倫理委員会が検討中である。

 〈ヤキトリ〉。それは軍人という立場ではなく、傭兵とさえいえない使い捨て資材に等しい惑星降下軌道歩兵。
 戦闘になればその生存率は平均で3割。人的資源であり、兵士とすら見なされていない商連海兵隊の安価な代理品。
 法的地位は備品である。

 さて、被発見日以来、世界は大きく変わった。地球人は〈商連〉の隷属階級となった。
 汎星系通商連合航路保守保全委員会指定による惑星原住知性種管轄局選定により業務受託を行う国連・総督府弁務官事務所合同認可機構によって認証される特殊宇宙保安産業の第321組)通称:K321ユニット)にリクルートされた5人の若者たち。
 伊保津明(♂):日本人
 ヤン・ズーハン(♀):中国人
 エルランド・マルトネン(♂):スウェーデン人
 アマリヤ・シュルツ(♀):イギリス人
 タイロン・バクスター(♂):アメリカ人

 特殊宇宙保安産業管轄汎人類担当認可資格保持者(調理師)ヴァーシャ・パプキンは、異常に高い〈ヤキトリ〉の死亡率は、その教育過程にあるのではないかと考えていた。
 火星の惑星原住知性種管轄局選定訓練施設(キッチン)に送られてきたチキンどもは、記憶転写装置で脳に戦術・戦略などの戦闘技術を『焼く』工程を経て、ヤキトリとして商連軍に納品される。訓練期間は標準で1週間である。
 だがテストヘッドとして採用されたK321ユニットだけは、共通言語であるスリランカ語を焼きこまれただけで訓練に放り込まれた。
 ニードル銃の扱い方さえ判らない5人のチームは連戦連敗のF評価でまったく合格が貰えない。
 癖のある性格ばかりで連携をとるのが大嫌いな彼らも、さすがにこれはおかしいと気づき始める。

 これが商連の〈ヤキトリ〉運用が始まって以来、誰も合格したことがない「プログラム-マリワナ」をクリアした最初のユニットへの第1歩となる。
               ヤキトリ1

 「ローダンNEO」、「宇宙軍士官学校」「ヤキトリ」と、続けて「幼年期のお終わり(Childhood's End)」系の作品を読んでしまった。
 異星人の存在などノンフィクションでしかないと思っていた人類は、突如、高度な科学力を持った異星人の存在に打ちのめされる。
 だが、地球人というのは伊達に戦争ばかりやってきたのではない。その狡猾さで大帝国をつくったローダンさんのような奴らが居るのだ。

 次巻では〈商連〉についてもう少し判ってくるそうです。今回登場した〈ユニオン〉など、少なくとも3つの対抗勢力と冷戦状態であり、軍事氏族、財政氏族などで構成されている。
 パプキン(調理師)は、地球の〈ヤキトリ〉のブランド化とセールを狙っているようです。
 yakitori01.jpg

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第1948回  幼女戦記(13)

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カルロ・ゼン「幼女戦記 8 In omnia paratus 」 後編

 ネタバレが含まれています。

 第肆章 会戦/交戦       Encounter and Engage
 意図的な孤立戦による連邦軍の誘引。
 物量に勝る連邦軍に対し、鉄道網の拠点 ソルディム528陣地に立て篭った「レルゲン戦闘団」は奮闘していたが、如何せん、補給のない状態では敵の死体から武器を鹵獲してでも戦い続けるしかない。
 ターニャを送り出したゼートゥーア中将は、B戦線の参謀団の重い腰を蹴り上げるのを諦め、独自の行動を取る決断をする。
 友軍の救出を名目とした予備軍の出動要請である。
 ターニャは受け取った短い電文から、ゼートゥーア中将の意図を読み解き、反撃の準備を整える。

 第伍章 ポケット      Pocket

 自ら最前線に立つゼートゥーア中将と、次々に参集する帝国軍予備師団。
 だが、物量に勝り、戦車の質的にも向上している連邦軍に、ここまで戦況が悪くなっていることに否応なく気付かされるゼートゥーア中将。
 一方、ターニャは二個魔導中隊を率いて密かにソルディム528陣地を脱出。救出部隊の迎撃に向かっている連邦軍の後背を突こうとする。
 だが、それを見逃す多国籍連合軍魔導部隊ではなかった。ソルディム528陣地から威圧的な魔力反応が消えたのなら、いまこそ全面攻撃の機会なのだが、スー中尉は単騎で「ラインの悪魔」を追おうとする。
 仕方なくソルディム528陣地攻略を後回しにし、多国籍連合軍と連邦軍魔導師部隊はターニャの第203魔導大隊を追撃する。
 追う者、追われる者、救いに来る者、救われる者が入り乱れる中、ターニャの禁断の《九五式魔導宝珠》の一撃でさえ弾き返す祝福されたスー中尉。
 すでに残弾はなく、スコップを振り上げてゼートゥーア中将の御前に“着弾”するターニャの周囲は、死屍累々の惨状であった。
 幼女戦記8-1

 第陸章 ハンス・フォン・ゼートゥーア       Hans von Zetour
 ソルディム528陣地をめぐるB戦線の激闘は、はたして帝国軍の勝利だったのか。
 そしてゼートゥーア中将という戦務参謀を欠いたA戦線の敗北。
 帝国はこのままでは、もう先がない。
 ゼートゥーアはこの点でターニャと同じ視点を持つことを明かした。
 だが軍人としては政治を直接動かすことは本分に悖る。
 『軍政』の専門家ゼートゥーアは、歴戦の実戦部隊指揮官ターニャ・フォン・デグレチャフに『共犯者』になれと誘う。
 次なる戦場は「本国」である。
 幼女戦記8-2

 えーと、ゼートゥーアさん、軍事クーデターでも起こす気ですか?
 平和を愛し、巻き込まれまいとするターニャちゃんは冷や汗ものですね。(笑)
 そしてロリヤの放った追跡者がターニャちゃんを狙っています。
 次巻を待つ。

第1945回 幼女戦記(12)

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カルロ・ゼン「幼女戦記 8 In omnia paratus 」 前編


 ネタバレが含まれています。

 第壱章 とある記者の見る東部戦線 A Journalist's memory of The Eastern Front  
 統一歴一九二七年六月。連邦軍、連合王国、協商連合残党の多国籍連合軍は、拮抗する最前線で突出した帝国の一部隊を包囲していた。
 包囲しているのは三個師団に達するが、その一部隊の護りが強固で崩すことができない。
 その部隊の名は「レルゲン戦闘団」と言った。
 
 第弐章 アンドロメダ前夜  The night before Andromeda
 統一歴一九二七年五月下旬。これ以上の戦争継続は不可能だと講和を求める帝国参謀本部と、さらなる勝利と戦果を求める帝国政府の争いでお暇を出されたゼートゥーア中将。
 彼の「栄転」と称される左遷先は東部戦線であった。
 参謀本部直轄の「レルゲン戦闘団」の実質的団長であるターニャ・フォン・デグレチャフ魔導中佐は、「戦闘団」構想を実現化したゼートゥーア中将の失脚に呆然とする。
 帝国が画策する侵攻作戦「アンドロメダ」。連邦南部への兵力集中を行うA戦線と、その側面防衛を担うB戦線。
 ゼートゥーア中将はB戦線の権限を持たぬお飾りの閑職とし赴任したが、転んでもタダで起きる男ではない。
 なにしろ、ここには彼には切り札(ワイルドカード)である「レルゲン戦闘団」があるのだ。
 ゼートゥーア中将がターニャに命じたのは、長大な防衛ラインの一画に敵をおびき寄せる「餌」である。しかもとびきりの「毒餌」だ。
 そして集めるのは敵だけではない。囮役だけでは長くは持たないから、B戦線の戦力を東部参謀本部から掻き集める必要があるのだ。

 第参章 アンドロメダ  Andromeda
 統一歴一九二七年六月。強固な防衛陣地と化したソルディム528陣地は多国籍軍4~5師団に包囲されていた。
 持参した食料と弾薬しか無い「レルゲン戦闘団」だが、しぶとく防戦し、たまに嫌がらせで夜襲を行ったりしている。
 だが合衆国の支援を受けた敵の航空戦力や、驚異的に練度を上げてくる航空魔導師部隊に徐々に押され始めている。
 ターニャは連邦がラーゲリ(強制収容所)から、共産党発足以前の魔導師を解放して使っているのではないかと見抜く。

 一方で帝国参謀本部に残されたルーデンドルフ中将は、親友であるゼートゥーア中将の不在によって多忙を極めていた。
 世界を敵に回した戦争を、一人で回さなければならないのだから。
                幼女戦記8
 えー、半分まで読みました。
 総力戦というのは、どこかでやめないと最後まですり潰されてしまうんですよねえ。敵がどんどん増えてしまいます。
 はたしてターニャちゃんは篭城戦を凌げるのでしょうか。
 続きが心配です。(笑)

第1892回 コミック版 幼女戦記

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東條 チカ (著), 篠月しのぶ (企画・原案), カルロ・ゼン (原著)
コミック版「幼女戦記」


 「幼女戦記」の新刊が出ないので禁断症状が出たヒッターはコミック版を大人買いしてきた。
 おお、コミック版はこれはこれで面白い。
 こういうアレンジも良いですな。アニメではだいぶ話を端折られたので、こういう詳しい内容が読めるのはファンとしては嬉しいです。          
            コミック版「幼女戦記」5巻
 コミック5巻は小説2巻の「ダキア戦役」が終わり、「ノルデンⅠ」のとっかかりの部分です。
 6巻ではメアリ・スーの登場ですね。楽しみです。

第1860回 幼女戦記(11)

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カルロ・ゼン「幼女戦記 7 Ut sementem feceris, ita metes 」 後半

 ネタバレあらすじです。

 第肆章 鉄槌作戦       Operation Iron Hummer
 統一歴一九二七年五月。
 イルドア王国にて軍政に有力な基盤を持つガスマン大将と、対連邦講和交渉の擦り合せを行っていたレルゲン大佐。
 二人共国家の意地を背負っての交渉で、講和条件の落としどころが見えてこない。
 実際のところ、帝国参謀本部は停戦と今後の安全保障が得られれば、領土や賠償金など、ほかの条件などどうでも良いのだが、その「安全保障」の部分が最も難しい。
 連邦軍に押し込まれている帝国の現状を見て、レルゲン大佐の強がりなのかどうか判断しかねるガスマン大将は、戦線に決定的な勝敗がつくまで交渉は縺れると思案する。

 帝国の命運を懸けた「鉄槌作戦」。これが失敗したらもう後はない大反攻作戦は、「サラマンダー戦闘団」の突出をもって道筋を開いた。しかし、ほぼ完璧とも言える分断包囲作戦は、第二0三航空魔導大隊のお家芸でもある司令部潰しをもってしても食い破られた。
 連邦軍司令部は自ら殿軍となり各部隊を脱出させるという、命令遂行型から任務遂行型の戦術転換を行ったのだ。

 第伍章 転機      Turning Point
 大敗した連邦軍の終盤における質的転換は、共産党内務人民委員部長官ロリヤに新たな視点を開かせた。
 今戦局における敗因の一つは航空魔導師の徹底的な不足である。早急的に新たな部隊を編成しなくてはならない。
 かくして旧・協商連合領でパルチザン支援を行っている連合王国との協動部隊にも帰還命令が下る。
 祖国・協商連合のためにと奮起していたメアリ・スー中尉も従わざるを得なく、最前線へと向かう。

 第陸章 『勝ちすぎた』       “Excessive Triumph”
 命運を賭けた戦いに勝利した帝国国民は浮かれ上がっていた。
 参謀本部ではゼートゥーア、ルーデルドルフ両中将も肩の荷を降ろした気分でいた。
 これで講和交渉を進めることが出来る、と。
 だが、参謀本部がまとめた講和案は最高統帥会議で猛反発をくらう。

 国庫が枯渇している大蔵省が求めるのは大量の賠償金であり、奪い取っと土地から上がる収益だ。
 もう連邦の資源は指呼の間にある。もっと勝ち進めないのか、と。
 軍部が全てを賭けてやっと掴んだ勝利は、帝国にとっては焼け石に水をかけた程度の影響しか与えなかったのか。

 イルドア王国の帝国大使館ではレルゲン大佐も勝利の美酒に酔っていた。
 これで講和の道筋がついたと思っていた。
 しかし、彼が受け取った参謀本部からの暗号電文は、交渉を暗礁に乗り上げさせるような内容であった。

            幼女戦記7-1
 ゼートゥーア中将の髪の毛がどんどん抜けていきそうです。(;_;)
 もう何処をはたいても軍事物資も足りず、補給線は伸びきったままだというのに、まだ東進しろというのは無理じゃありませんか。(笑)
 レルゲン大佐も有頂天からの急降下でお悔やみいたします。
 8巻では帝国最東端に陣を構えるターニャと、連邦の再編魔導師部隊のメアリとの激突はあるかな?