まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第2022回 風ヶ丘五十円祭りの謎

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青崎有吾 「風ヶ丘五十円祭りの謎」 The Adventure of the Summer Festival

 裏染天馬シリーズ。5つの短編と1篇のおまけを収録。

 ・もう一色選べる丼 The Adventure of the Missing Chopstics
 学食の食器持出し未返却犯を見つけたら、食券20枚もらえるという条件で推理に挑む。
 犯人はソースカツ丼と親子丼の大盛り二色丼を注文し、カツだけ残して去っていった。
 残されたトレイと切られたソースの袋と丼。見当たらない箸。
 それだけで犯人の背格好から性別、学年まで突き止めた天馬は、食券をゲットできるのか?

 ・風ヶ丘五十円祭りの謎 The Adventure of the Summer Festival
 袴田・兄に誘われて風ヶ丘の夏祭りに来た柚乃は、偶然に裏染天馬と出会う。
 しかし、露天で買った柚乃のたこ焼き三百円も、天馬のラムネ味かき氷二百円も、五百円玉で支払うとお釣りは全部五十円玉で返ってきた。
 さらに袴田・兄が差し入れに訪れた社務所では、買った焼き鳥五百円分のお釣りが、五十円玉で10枚返ってきたという。
 焼き鳥五本と引き換えに裏染天馬が謎に挑む。

 ・針宮理恵子のサードインパクト The Adventure of the Rieko Harimiya

 ファースト:ちょっと不良っぽい女子高生・針宮理恵子は、昨年、ある弱みを握られた。しかし、それは今年6月の事件で解決に至った。
 セカンド:今年の6月、針宮理恵子は下級生の男子と恋仲になる。だが、気の弱そうな彼氏は吹奏楽部でいじめに遭っているらしい。
 ニア・サード:度重なる彼氏へのいじめに針宮理恵子はブチ切れたが、自分が暴れたら余計に彼に迷惑が掛かる。とうとう、釘宮理恵子はある人物に対処を依頼する。
 サード:針宮理恵子は生涯で3度目の衝撃を受ける。

 最初に読んでたのは「寄生獣」ですな。天馬くんの報酬は果たされるのか?

 ・天使たちの残暑見舞い The Adventure of the Twin Angels
 五年前に卒業した演劇部脚本担当が残したネタ帳。その中にひとつ、気になる「日記」があった。
 その日、脚本家が偶然に見てしまったのは、三階の教室で二人の女子高生が抱き合う姿。
 思わずその場を立ち去ろうとしたが、思い直してもう一度、教室を覗いた時に二人の姿は消えていた。
 一度も教室の出入り口から目を離していなかったのに、彼女たちはどこへ消えたのか?
 そして裏染天馬はなぜ無償でこの謎を解いたのか?
 
 ・その花瓶にご注意を The Adventure of the Silent Vase
 神奈川県トップクラスの偏差値の中高一貫の名門校中等部三年。変人ダメ人間・裏染天馬の妹・裏染鏡華は、兄とは別方向に偏向した変人だった。はっきり言えば変態である。
 鏡華とその友人・仙堂姫鞠が放課後に遭遇した「割れた花瓶の謎」。
 鏡華は犯人を見つけ出せるのか。 

 ・おまけ 世界一居心地の悪いサウナ
 裏染天馬、サウナで世界で二番目に嫌いな相手と遭遇する。

                   風ヶ丘五十円玉祭りの謎
 各篇ごとに趣向が変わって面白かったですが、省エネ主義のダメ人間・裏染天馬を引っ張り出すには、それなりの報酬が必要です。
 どこぞの悪徳高校生探偵よりはリーズナブルなとこはマシですねえ。
 最後の「その花瓶にご注意を」は、長編第3作「図書館の殺人」と同じ時系列のようです。
 文庫化を待つ。

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第1719回 水族館の殺人

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青崎有吾 「水族館の殺人」 The Yellow Mop Mystery

 6月末の事件から約1ヶ月、風ケ丘高校は夏休みに突入していた。
 袴田柚乃たち女子卓球部がご近所の高校と4校合同練習を行っていた日、新聞部部長・向坂香織たち3名は夏休み号外校内新聞の取材のため、横浜市内の水族館を訪れた。
 許可を得て水族館の裏方の業務状況を撮影したり、ボイスレコーダーを回しっぱなしにしてインタビューしたりして館長に案内を受けるさなか、レモンサメの展示水槽に首から血を流して落下してきた飼育員の男。
 最後に目撃されたのは午前9時50分。
 落下してきてレモンサメに上半身を食いちぎられたのは午前10時7分。
 上部のキャットウォークには大量の血痕と凶器の包丁と犯人の足跡。
 新聞部の写した大量の時刻付デジカメ写真とボイスレコーダー、出入り口には監視カメラが有り、犯行可能なのはこの棟のバックヤードにいた飼育員たちと事務員たち11名のみと判断された。
 警察は簡単な事件だ取り調べにかかるが、各自の証言をもとに突き合わせていくと、誰も犯行が不可能な状況だった。
 前回、裏染天馬と向坂香織に事件を引っ掻き回された仙堂警部は、それでも事件の早期解決のため、天馬と引っ張り出そうとする。
                 水族館の殺人

 さて、ぐーたらダメ人間の裏染天馬は部室兼(無許可の)住居の壊れたエアコン修理と引き換えに事件に臨みますが、次々と現れる証言と物証に、その推理も2転3転4転します。
 「読者への挑戦」を挟んで、分刻みで不在証明(アリバイ)崩しを展開する天馬。
 11人の容疑者から1人の犯人を炙り出せるのか。

 ヒッターが最初に疑った人物は、作者のミスリードだったようで、直ぐに容疑者から外れました。
 次に犯人ではないかと疑った人物も、この論理的展開で終盤4人の中から外されました。
 自分の推理力の無さにガックリです。(笑)

 第2作ということで裏染天馬という人物が少し掘り下げられました。
 緋天学園高等部の女子卓球部のエース。関東に敵無しと言われる女王・忍切蝶子とは如何なる因縁があるのか。
 兄が学年トップの成績を誇るアニメオタクのダメ人間なら、緋天学園中等部3年の妹・鏡華も変わり者のようです。 
 そして天馬の幼馴染・向坂香織が袴田柚乃に、これ以上踏み込むなと言った、天馬の家庭の事情とは。
 なんか、天馬くんの部屋がハーレムっぽくなってないか?
 
 短編集「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」と、長編第3作「図書館の殺人」が、まだ文庫化されてないんだよな~
 読みたいんだが、ここは文庫化を待とう。

第1707回 体育館の殺人

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青崎有吾 「体育館の殺人」 The Black Umbrella Mystery

 神奈川県の進学校、風ケ丘高校の旧体育館で放課後におきた高校生殺人事件。
 胸をナイフで刺されていた放送部部長・朝島友樹が発見された時、この体育館は「ある意味」で密室状態だった。
 朝島が最後に目撃されたのは午後3時3分。死体が発見されたのは午後3時15分。
 複数の生徒がこの旧体育館付近にいたが、証言を突き合わせていくと犯行が可能なのはたった一人、女子卓球部部長・佐川奈緒だけだった。
 警察に最有力容疑者だと断定された佐川奈緒を、ただひとり信頼する後輩・袴田柚乃は、生徒会副会長・八橋千鶴にある人物を紹介される。
 
 なぜか風ケ丘高校の文化部部室の一室「開かずの部室」に住み着いている高校2年生・裏染天馬。
 部室一面に貼られたアニメポスター。本棚には声優専門誌や二次元ものの円盤や女の子のフィギュア。
 100点満点の9科目テストで900点を取る秀才で、鎖骨が浮き出るほどの痩せぎすの身体に、やる気のなさそうな二重まぶた。
 事件があった時間には新聞部部長と「装甲騎兵ボトムズ」談義をしていたアニメオタクは、容疑者・佐川奈緒の無実を証明できるのか。
               体育館の殺人

 というのが前半部ですね。
 え?無罪証明までが10万円で、事件解決までは5万円追加ですか?
 「まどマギ」の原画集を買うんですか? 追加で「センコロール」と「イヴの時間」も揃えるんですか?

 さて本書のプロローグではある人物が、殺された朝島くんにある依頼をして完全犯罪を目論んでいるシーンがあります。
 第4章終了時に「読者への挑戦」があります。
 この時点でヒッターが推理した犯人はハズレてました。(笑)
 後半にもアニメネタ、コミックネタが散在していますが、あくまでダメ人間・裏染天馬による論理的推理が展開されます。
 シリーズ化されているようので集めてみよう。

第1697回 アンデッドガール・マーダーファルス(2)

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青崎有吾「アンデッドガール・マーダーファルス 2」

  80日間で世界を1周したイギリス人資産家フィリアス・フォッグ。
 彼の所蔵するいわくつきの黒ダイヤ《最後から二番目の夜》を保管金庫ごと盗むという予告状が送られてきた。
 差出人はフランスを騒がせている怪盗紳士アルセーヌ・ルパン。
 フォッグ氏は二人の探偵に護衛依頼を出す。

 ひとりは英国で知らぬ者はいない名探偵シャーロック・ホームズ。
 もうひとりは怪物専門の探偵・輪堂鴉夜。
 ルパンを追ってフランスからやってくるガニマール警部。
 さらに保険機構ロイズの諮問警備部のエージェントが2人。

 だが問題は別のところにあった。
 14世紀の遺跡から発見された不思議な宝石《最後から二番目の夜》の伝説。
 人狼の一族に滅ぼされたドワーフ族が作った純銀製の金庫。
 砕けない宝石に刻まれた暗号。

 《オペラ座の怪人》ファントムを部下にした怪盗ルパンは、如何にして予告状通りに盗みを実行するのか?
 そして目標を同じくするグループがもうひと組いたのである。
 モリアーティ教授率いる組織《夜宴(バンケット)》の参戦で、《最後から二番目の夜》をめぐるバトルロイヤルが始まる。
                アンデッドガール マーダーファルス2

 さて、本格的に相手方が動き出しましたね。
 しゃべる生首・鴉夜さんが自分の身体を取り戻せるのはいつになるんでしょうか。
 次は人狼村探索でしょうかね。

第1550回 アンデッドガール・マーダーファルス(1)

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青崎有吾「アンデッドガール・マーダーファルス 1」

 1899年。かのドラキュラ伯爵が斃されてから2ヶ月後。
 人間の血を吸わないと宣誓したひとりの穏健派女吸血鬼が殺された。
 過激派ヴァンパイアハンターの仕業かと疑われたが、妻ハンナ・ゴダール夫人を失ったジャン・ドゥーシュ・ゴダール卿は、東洋人の二人組の探偵に調査を依頼する。
             アンデッドガール・マーダーファルス 1

 「怪物専門の探偵」
 腰まで届くような長い黒髪。紫色の瞳。見た目は14、5歳の美少女、輪堂鴉夜(リンドウ・アヤ)。
 青い髪、左目の上を垂直に貫く青い線の刺青を持った優男の助手、“鳥籠使い”の真打津軽(シンウチ・ツガル)。
 そして布で包んだ槍を背負うメイド、馳井静句(ハセイ・シズク)。

 なかなか面白い時代を選んだものです。
 欧州ではアルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズが活躍した時代。
 エルキュール・ポワロ、オペラ座の怪人、ジョセフ・ルールタビーユ、女吸血鬼カーミラ、切り裂きジャック、フランケンシュタインの怪物、アレイスター・クロウリー、そしてモリアーティ教授など錚々たる顔ぶれの名が登場していますね。

 吸血鬼を上回る再生能力で、最強の“守り”を持つ《不死》の少女。
 あらゆる化物の能力を無効化する、絶対上位の“攻め”の力を持つ《鬼殺し》の芸人。
 謎の戦闘力をちょっとだけ披露したメイドさん。
 この3人組が奪われたものを取り返すために19世紀の欧州を旅します。

 師匠と弟子の掛け合いが絶妙な笑いを取っていますね。