まるでダメな男の日記

このブログでは趣味のゲームや読書感想など非生産的な駄文を書き連ねていく予定です。

第1891回 クロノリス

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ロバート・チャールズ・ウィルスン 「クロノリス-時の碑-」 The Chronoliths

 西暦2021年、夏。
 底辺の直径が400m以上、高さ100mを超える円柱がアジア各地に出現した。
 都市部近郊に現れた際は、出現時のエネルギーで都市は壊滅した。、
 周囲の影響を全く受け付けず、酸もレーザーも受け付けない。
 スペクトル分析は不可解な結果を示す物体は。その物質特性だけでなく、もっと不可解な謎を持っていた。
 台座に刻まれた日付は30年後のものであり、「KUIN」という謎の単語はどこの言語なのかも解らない。
 20年後に台頭している「クイン」という名の指導者、または組織が「時の碑(クロノリス)」を過去に送り込んできたのだろうか?

 出現し続ける「時の碑(クロノリス)」は、ついにアメリカ大陸にも出現するが、女性理論物理学者スラミス・チョブラはその出現時間を位置を予測し、破壊する。
 だが、それはある疑問を立証する結果になる。
                    クロノリス
 この作者は前に紹介した「時間封鎖」三部作の著者です。
 設定は壮大ですが、今回はそれを生かしきれていないように思えます。
 未来からのメッセージというと、ロバート・J・ソウヤーの「フラッシュフォワード」や、ジェイムズ・P・ホーガン「未来からのホットライン」を思い出します。
 この2作が面白すぎたので、本作は比較するとちょっと残念な作品でした。
 

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第1888回 エコープラクシア (下)

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ピーター・ ワッツ 「エコープラクシア 反響動作(上)」 ECHOPRAXIA and THE COLONEL

 いまだに有人宇宙船〈テーセウス〉のテレマター・ドライブへエネルギーを送り続けている〈イカロス衛生網〉。
 メインエンジンを囮として地球からの追撃を振り切った宇宙船《茨の冠》は、エネルギー補給とエンジン組立のため〈イカロス〉に立ち寄った。
 しかし〈イカロス〉内部で発見された異性体〈ポルティア〉は知性体なのか?それとも人類の行動を模倣しているだけなのか。
 明らかに人類を大きく凌駕する高度な技術を思わせる〈ポルティア〉は、宇宙船〈テーセウス〉を知っている。
 はたして《両球派》はこの存在を予知して〈イカロス〉にやって来たのか?

 獲物(Play) 承前
 猛獣(Predator)
 預言者(Prophet)
 後記(PostScript)
 の4章
                エコープラクシア 下
 前作「ブラインドサイト」と同様にこの作品の設定の緻密さがすごい。
 「心理作戦と意識の不具合」
 「アンデッドのアップデート」
 「ポルティア」
 「適応的妄想システム」
 「そして《両球派》のあり方」
 「神とデジタル宇宙」
 「その他の背景」
 参考文献140冊
 本文の背景としてこちらを先に読んだほうがいいよな。

 この宇宙が超巨大なコンピュータのシミュレーションなら、物理法則に反した〈奇跡(バグ)〉を起こす《神》は《ウィルス》ではないのか。
 《神》の存在を確信している《両球派》は、《神》=《ウィルス》を駆逐しようとしているのか。
 太陽へ落ちていくイカロス〉と崩壊する地球文明の中で、ダニエル・ブリュクスの中に潜むモノは何をしようとしているのか。
 これ、まだ続きそうだな。

第1885回 エコープラクシア (上)

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ピーター ワッツ 「エコープラクシア 反響動作(上)」 ECHOPRAXIA and THE COLONEL

 本編に入る。

 寄生虫専門の生物学者ダニエル・ブリュクスは、フィールドワーク中に吸血鬼に率いられたゾンビ兵の集団に襲撃されそうになる。
 危うく近くの《両球派修道会》の要塞に逃げ込んだブリュクスは、吸血鬼たちの狙いはこの要塞であり、自分のキャンプ地はその進路上にあっただけだったと気づく。
 竜巻さえ制御する人類科学の常識をブレイクスルーした《両球派》の「集合精神」は、多くの人類組織から狙われていた。
 要塞の中にいたもうひとりの客人、ジム・ムーア大佐は吸血鬼ヴァレリーは《両球派》の敵ではなく、《両球派》の敵の敵であるとブリュクスに答える。

 「集合精神」はこの襲撃の結果を予測し、軌道上の宇宙船《茨の冠》まで脱出する方策を準備していた。
 巻き込まれたブリュクスは目的地不明の船旅に同行させられることになる。

 前兆(Prelude)
 原式(Primitive)
 寄生(Parasite)
 獲物(Play)
 の4章
                反響動作 上
 まだ上巻では異性体との接触のサワリの部分ですね。
 相変わらず吸血鬼(ホモ・サピエンス=ヴァンピリス)が不気味すぎます。
 「集合精神」を創り出す《両球派》の秘密の一端も暴かれました。
 人工無能って、もうちょっと良い訳語は無かったのかなあ。

第1879回 エコープラクシア 序

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ピーター ワッツ 「エコープラクシア 反響動作(上)」 ECHOPRAXIA and THE COLONEL

 「大佐」THE COLONEL 
 前作「ブラインドサイト」と本作を継なぐ短編ということで、これから読み始める。

 グリニッジ標準時間2082年2月13日。
 地球を覆った65,536個のプローブは、撮影した情報を電磁波スペクトルの半分の領域で送信し、大気圏で燃え尽きた。
 人類は送信先と思われるバ-ンズ=コールフィールド彗星へ有人宇宙船〈テーセウス〉を送り出し、そして13年が経過した。

 地球では8百万人の人体インターフェイスを使った《集合精神》が、行方不明になった〈テーセウス〉からの信号を〈イカロス衛生網〉を経由せずに受信していた。
 前作では謎の行動を取っていた、シリ・キートンの父親ジム・ムーア大佐は、接触した《両球派修道会》からそのデータを受け取り、その後失踪する。
           エコープラクシア 上

 この短編で統合者シリの父親は、肉体に機械的拡張機能をいれて能力強化した〈ベースライン〉と呼ばれる軍人と判明しました。
 本編で主役を張るようです。
 

第1870回 時をとめた少女

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ロバート・E・ヤング「時をとめた少女」
  THE GIRL WHO MADE TIME STOP AND OTHER STORIES


 ロバート・E・ヤングといえば「「たんぽぽ娘(The Dandelion Girl)」が有名であるが、本巻は日本で通算4冊目となるオリジナル短編集である。

 収録作
 ・わが愛はひとつ One Love Have I
 ・妖精の棲む樹 To Fell a Tree
 ・時をとめた少女 The Girl Who Made Time Stop
 ・花崗岩の女神 Goddess in Granite
 ・真鍮の都 The City of Brass
 ・赤い小さな学校 Little Red Schoolhouse
 ・約束の惑星 Promised Planet
                 時をとめた少女
 初出は1955年から1965年までの作品。
 表題作「時をとめた少女」は、異星人の女の子達が主人公を取り合うという、現代のライトノベルにも出てきそうな設定ですな。
 「花崗岩の女神」は女体そっくりの山脈を登攀していくという、なんか誰かの漫画で読んだような、いや、執筆年代はこちらのほうが先なのか、アイディアに東西の差はないという証左ですな。

 読みやすいSFビギナー向け短編集でした。